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ヘタリア大帝国

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TURN119 アフリカ侵攻その十

「南アフリカはこれまで」
「はい、その統治はですね」
「私達は別々にされていて」
「ここは特に人種隔離政策が酷かったですね」
「私も、色々と」
 ネルソンに悲しい顔で言う。
「そうなっていたから」
「私も祖国殿も何とかしようとしていましたが」
 イギリスも植民地は必要としても人種隔離政策までは必要と認めていなかった、それで彼は王族や騎士提督達と共にそうした政策を廃止しようとしていた。
 だが彼等は普段は本国にいる、植民地には中々目が届かなかったのだ。
「申し訳ありません」
「ネルソンさんが謝ることは」
「いえ、私達は知っていました」 
 無念の顔でだ、ネルソンはパルプナに答えた。
「そして何も出来ませんでした」
「だからなの」
「はい、貴女達に何も出来なかったので」 
 同じだというのだ、南アフリカの総督達と。
「そのことを考えますと」
「考えると」
「エイリスの植民地統治は」
 それはだというのだ。
「あってはならないものですね」
「そうだよ、これまであえて言わなかったけれどね」
 ビルメが来て言って来た、植民地の原住民である彼女がだ。
「植民地統治ってのは原住民にとっては迷惑なんだよ」
「そのことはわかっていたつもりですが」
「頭ではね」
「はい」
 その通りだというのだ。
「どうも」
「あんたは素晴らしい人だよ」
 ビルメはネルソンのその高潔な人格はわかっていた。
「イギリスさんにしてもね」
「はい、祖国殿は非常に立派な方です」
「うちのフランスさんもシャルロットさんもね」
 ビルメも彼等のことはわかっていた、だがだった。
「植民地ってのは結局上からの統治なんだよ」
「現地のことを考慮しない」
「だからあたし達も下に置かれてね」
「提供するだけの存在ですね」
「そうだよ、だからあたしは独立したかったし」
 それでだというのだ。
「こっちの祖国さんにも言ってたんだよ」
「セーシェルさんにも」
「支配されるってのはいいものじゃないんだよ」
 こう達観した顔で言うのだった。
「若しあんたが支配される立場になったらわかるよ」
「そうですね、その時に」
 ネルソンも苦い顔で応える。
「私達にしても」
「この娘みたいな娘をこれ以上生み出さない為には」
 パルプナを見ての言葉だ。
「植民地自体をね」
「なくしていくべきですね」
「実際に東南アジアやインドカレーは変わっただろ」
「はい」
「その国の人間が政治をする国になってね」
 独立してだ、そうなってだというのだ。
「変わっただろ」
「確かに」
「支配されている人間でも政治が出来るんだよ」
 これまでエイリスでは考えられていなかったことだ、エイリスはその彼等を正しく導く為に植民地を治めていると考えていたのだ。
 だが、だ、それがなのだ。 
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