久遠の神話
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六十九話 二人の参加者その六
その彼等がだ、こう智子に答えたのである。
「僕達は剣士です」
「それぞれの力で戦っています」
「そうですね、そして私達はです」
智子は二人の言葉を受けてさらに話した。
「戦いを止めることを目的としています」
「その為に日本に来ました」
智子だけでなく豊香も答える。
「そう、ですから」
「貴方には」
二人は同時に高代に視線をやった、それで言うことは。
「戦いを止めて欲しいのです」
「そうして頂けるでしょうか」
「もう答えはおわかりでしょう」
高代は二柱の女神ににこりともせず返した。
「私は私の願いの為に戦っています」
「学園を創設するのですね」
「身体の悪い子供達の為の」
「そのつもりです、私だけではどうにか出来ることは限られていますが」
彼が学園を開いてもこの世の全ての困っている子供達が救われはしない、だがそれでも可能な限りはというのだ。
「そうさせてもらいます」
「しかしそれでもです」
「この戦いは」
「わかっています」
それもだというのだ。
「しかしそれでもです」
「戦われるのですね」
「何があろうとも」
「願いを適え子供達を一人でも多く助ける為に」
まさにその為にだというのだ。
「私は戦います」
「わかりました」
ここまで聞いてだ、まずは智子が確かな声で頷いた。
そのうえでだ、豊香に顔を向けてこう言った。
「大丈夫です」
「彼の戦いを止められるのですね」
「はい、全ては」
それが可能だというのだ。
「私達三人がいれば」
「そうですか、それでは」
「まずは一人です」
高代、彼をだというのだ。
「この戦いから解放出来ます」
「何をどうされるのかはわかりませんが」
高代はその二人の話を聞きながら彼女達に返した。
「私はです」
「戦われますか」
「はい」
そうするというのだ。
「そうさせてもらいます」
「それはもうわかっています」
その考えはもう読んでいた。智子はこう返した。
「貴方もその覚悟があって戦われていることは」
「この手が血に塗れても」
それでもだというのだ。
「私は私の願いを適えます」
「必ずですね」
「そのつもりです」
「だからこそです」
智子は豊香と共に言う。
「私は必ずです」
「貴方を止めます」
「他の方もです」
「そうさせてもらいます」
「私は願いを適える為に何をしても戦いますが」
「そうですね、願いをですね」
わかっているという口調だった、そしてだった。
ページ上へ戻る