SDガンダムGジェネレーション・オーバーワールド 明日無き未来へ
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第2-8 戦闘終了
「敵勢力の機影なし。干渉数値も下がっています。」
「どうやらこれ以上の戦力が来ることは無さそうですね。」
キャリーベースの係数機では、次元干渉数値が下がってきていると示していた。これにより警戒レベルが下がり一同安心していた。そこへ、ミネルバから通信が入り相手はデュランダルであった。
「キャリーベースの諸君。お陰で助かったよ。君達のお陰でプラントに住む人達に被害を出さずにすんだよ。」
デュランダルは、代表として礼を述べた後、プラントの港で特別に補給をしてくれると言ってくれた。
「私達は、これよりボギーワンを追跡するため君達に直接礼を言いにいけなく申し訳ないと思っている。」
「いえ。私達も無料で補給していただけるだけで十分です。」
通信を終えるとミネルバは、プラントから離れていった。キャリーベースもデュランダルに言われた港に向かうとそこには既に補給する準備が出来ていた。みんなが補給の手伝いをしている所、和也は艦長室へと向かっていた。艦長室に着くとドアをノックをした。
「どうぞ。」
「失礼する。」
部屋の中に入るとそこには様々な酒が置かれていた。その大半は日本酒みたいであったが整理されていて楓は、デスクに座って資料を見ていた。
「やっぱり、来ましたか。智恵理さんの事ですね。」
「ああ。それともうひとつある。それは、後でいいがあの智恵理は一体どういうことだ?あの反応は異常すぎる。」
和也は、先程までの智恵理を思い出していていた。コックピットから出されても他の機体には乗り込もうとしていたのを鎮静剤で無理矢理落ち着かさせて現在医務室で休ませているようであった。
「一体、智恵理とあのガンダムはどんな関係があるんだ。」
「・・・彼女は、彼等ソレスタルビーングによって家族を失っているんです。」
楓は教えてくれた。智恵理は、親戚の結婚式の会場に赴いていた時に、当時世間を騒がせていたソレスタルビーングの襲撃に合い彼女以外全員死んでしまった事を。
「当時、彼等は戦争根絶を掲げていた。彼等は、戦争宙域のみ現れ武力介入をしていた。しかし、若干ではありますが彼等と同じ組織の一員であると思われる者達が一般人を襲ったと言う情報もあります。」
「じゃあ、さっきの機体が智恵理の・・・」
「いえ。あの機体は前者の武力介入のみ行っていた部隊ですよ。それに、彼等は智恵理さんを襲った者達と戦闘を行ったと言う履歴があります。」
楓は何かを思い出してるかのような顔で遠くを見ていた。
「まあ、彼女にとっては最近の出来事でも私にとっては5年前の出来事なんですけどね。」
「5年前?二人は同じ世界から来たんじゃ?」
「私と智恵理さんは、同じ世界から来ましたか。しかし、時間軸は違って私と彼女は5年間の時間のズレがあります。本当なら私と智恵理さんは、そこまで歳は離れてないんですよ。」
楓は微笑みながら話していた。しかし、和也は智恵理について言わなければならないことがあった。それは、智恵理の過去を聞いて決めていた。
「智恵理の過去は分かった。それならなおのこと智恵理はもうMSに乗せない事を提案する。」
「・・・そうですね。今の智恵理さんの精神状態じゃいけませんよね。」
「当たり前だ。例え、どんな理由であろうとあのような勝手な行動をとられては部隊として成り立たない。それ以上に智恵理が死んでしまうかもしれない。だから、彼女を外すべきだと思う。彼女の命を預かる隊長として。」
和也は、隊長として仲間として智恵理を外すべきだと考えていた。それが、無駄な血を流さないための方法であると分かっていたからであった。1人の勝手で他の誰かや本人が傷付くのは明白であった。
「分かりました。彼女は、ブリッジ要員にさせます。それでいいですか?それで、もうひとつの要件とは?」
「それは、先程戦闘していた部隊とソレスタルビーングのパイロットが俺達の事を知ってるみたいだったがどういう事だ?俺達は、彼等と合ったのはあれが初めてのはずだが? 」
「それについては私が説明しましょう。」
すると、何時からそこにいたかは定かではないがテンプルの姿がそこにはあった。テンプルは、器用にテーブルの上に登り向き合った。
「あれも次元干渉の影響によっての現象ですね。」
「次元干渉の影響?それは、一体・・・」
楓も実際に分かっていなかったらしくテンプルに質問した。
「今、この世界は様々な世界が入り乱れていることは話しましたよね。そして、その時間軸もバラバラで曖昧。それは、この世界で常に微量ながら次元干渉が行われているからです。」
テンプルの説明によると世界では常に次元干渉が起きていてその干渉内では問題ないが一歩でもその干渉内から出て再び同じ所へ向かっても同じ時間軸には行くことはない。
「まあ。干渉数値を計算するばある程度の時間軸の把握は出来ますが多少のズレはありますがね。」
「で?それとこれとどういう関係があるんだよ。」
「その影響が私達にも起きてるんですよ。次元干渉がによって私達の未来起きるかもしれない事情も読んでしまっているんです。先程の部隊は恐らく彼等にとっては過去の出来事で私達と出会っているかもしれませんが私達にとっては未来の出来事になるかもしれませんね。まあ、それでも確定の未来ではありません。もしかしたら私達が取る未来の1つと言うことです。」
そこまで次元干渉の影響が強くなってきているとテンプルは付け足した。
「つまり、こらから先彼等みたいな敵と当たるかもしれない。と言うことですか。これは、色々と厄介な事になりそうですね。」
「ん・・・」
智恵理は目を覚ますとそこは医務室の天井であることが分かった。そして、ソレスタルビーングの事を思い出すとベッドから飛び出そうとした。
「あら?起きましたか。」
すると、その気配を感じた船医でもある新田美波に止められた。
「智恵理ちゃん。落ち着いて。もう戦闘は終わってるから。」
「終わってる・・・じゃあ、ソレスタルビーングは・・・」
戦闘が終了したと聞くと戦意を失ってそのままベッドに座り込む智恵理。
「暫くはここで休んでね。これは、艦長命令でもあるからね。」
「はい。」
暫く休んでいると医務室に来客が現れた。
「やあ。智恵理。起きたんだな。」
楓と話を終えた和也は、医務室にやって来た。
「どうしてです・・・」
智恵理は、和也を見て半分睨むような感じで見つめた。
「どうして止めたんですか!和也さんが止めなかったら私は・・・!」
「死んでたな。」
和也の顔は今まで見たことのない顔で睨んでいた。いや、正確には怒っているようであった。
「お前は、何をしたか分かっているか?お前の行動には俺達の命を危なくするかもしれない行動だった。それに、自分自身命だって・・・」
「私は、家族の仇を討てれば自分の命なんか!」
その時、医務室にてパンッという音が響き渡った。和也は、智恵理の頬を叩き智恵理の頬は赤くなっていた。
「いい加減にしろ・・・」
和也は、奥歯を噛み締めながら言った。
「例え、どんな理由だろうと命を無駄にするな!お前は1人だけなんだ!お前を失えば悲しむ奴が居ることを知れ!」
和也の言葉を智恵理は黙って聞いていた。
「憎しみは憎しみだけを呼ぶ!なんの解決にもならない!」
そして、ドアに向かって振り返り歩き出す。
「お前は、今日付けでMSに乗る事を禁ずる。こらは、艦長命令でもあるからな。」
「ッ!?」
智恵理が何か言っていたが和也は、そのまま部屋を出ていった。部屋を出た後、そのままその場に立っていた。
「貴方も不器用ですね。もう少し、優しい言い方とかあったんじゃないですか?」
すると、そこへテンプルが現れた。何時から聞いていたのかは知らないがどうやら内容を知っているようであった。
「・・・あいつは我を忘れて俺に銃口を向けた。他の奴じゃ止められなかったよ。きっと・・・最悪、智恵理に落とされるのが目に見えている。」
あの時の智恵理は、邪魔をする者は誰であろうと撃ち落とす気迫・・・と言うより狂気にちがいない感覚があった。
「あいつは、優しい奴だからな。もし、正気に戻った時に過ちに気付いたときには一生引き連れて行くにちがいない。そうならないために悪役ってのは必要なんだよ。」
そして、歩き出す和也。智恵理には、仲間殺しと言う異名を付けさせるわけにはいかなかったと心の中で呟いた。
「(本当に優しい娘だから・・・守りたくなる。)」
「やれやれ、本当に不器用な人ですね。彼は・・・」
そんな和也を見送るテンプルであった。
後書き
智恵理は、本当に可愛く優しい娘だと思います。
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