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久遠の神話

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第六十八話 集う女神達その十

「三人寄れば」
「文殊の知恵でしたね」
「仏教の仏だったわね」
「はい、知恵を司る」
 仏教においては知恵を司る仏は多い、文殊菩薩はその中でもとりわけ素晴らしい知恵を備えているというのだ。
「その仏です」
「そうだったわね、だから私達もね」
「三人いればですね」
「必ず」
「知恵だけではないから」
 その言葉では出るのは知恵だけだ、だが今の彼女達はというと。
「その他の力もあるわ」
「だから必ずですね」
「お姉様を止められますね」
「戦いもね」
 それもだというのだ。
「十三人の剣士達も」
「十三人の剣士の方のうち五人が戦いと止められようとしています」
 聡美はアテナにこのことも話した。
「それだけの方がです」
「では戦うことを選んでいるのは八人ね」
「はい」
 そうだというのだ。
「それだけです」
「八人ね、彼等のそれぞれの事情はもうわかっているわね」
「そのことをですね」
「話してくれるかしら」 
 アテナは聡美のその顔を見ながら願った。
「そのことを」
「わかりました、それでは」
 聡美はアテナの言葉に応えて彼女とペルセポネーに十三人の剣士達のそれぞれの事情と考え、力と性格も話した、かなり細かいところまで。
 それからだ、話を聴き終えたアテナは聡美にこう答えた。
「一人ずついくべきね」
「一人ずつですか」
「ええ、一人ずつ戦いを止めていくわ」
「まずはどなたからでしょうか」
「光かしら」
 この剣士からだというのだ。
「そうすべきかしら」
「あの方からですか」
「ええ、重はね」
 アテナは彼のことも話す。
「アメリカの政治次第ね」
「あのことからですか」
「アテネの頃からね、そうしたことは」
「政治はそうですね」
「私達で出来ることもあるけれど外から来る事情もあるわ」
 戦いを終わらせるにあたってはというのだ。
「それを使うことも大事よ」
「全て私達でするのではなく」
「神の力も無限ではないわ」
 三人いてもそれでもだというのだ。
「外からのこともあるしそれを使うこともね」
「大事なのですか」
「貴女はどうしても自分だけでしようとするから」
 そこまで考えが及ばなかったというのだ、聡美の生真面目で一本気な性格では陥りやすいことであるというのである。
「けれどね」
「そうしたこともですね」
「使うべきよ」
 戦いを終わらせる為にだというのだ。
「ならいいわね」
「私達の力以外の事柄も使うのですか」
「ええ、そうよ」
 まさにそうしてだというのだ。
「やっていくべきなのよ」
「そうなのですか」
「任せて、その辺りは」
 どの剣士にどうするかを考えていくことはというのだ。 
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