鉄槌と清風
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4部分:4:魔法覚醒
デバイスの台詞などは、作者の語学能力の問題で、全て日本語にします。
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4:魔法覚醒
良彦とヴィータが出会ったその日の夜…途中修行で無茶した為、何時もより擦り傷などが多く、桃子さんなどには心配されたり、風呂が沁みたり…で、その風呂で。
風呂場の鏡を、じっと見る…其処に写るのは、年齢より少し幼く見える顔、目つきはそれほどきつくは無いものの意志の強さを感じさせる。
髪は光に透かすと判るのだが、濃い青で、瞳は良く見なければ判らないが、右は黒、左は濃い翠の色をしている…体型は、鍛えているのに、がっちりとした感じはなく、無駄な筋肉も無いすらっとした体。
父も祖父もあまり大きくなかったので、心配なのは身長が何処まで伸びるか、だったりする。
「せめて170ほしいな、爺ちゃんも父さんも165くらいだったし…」
そんな事を言いながら、お湯にゆっくりと浸かってその日の疲れを解きほぐして行く。
風呂をあがってから、いつもの用に寝る前に仏前に座り、その日の事を両親と祖父へ、報告をしていた。
「……って、感じで、今日も『凪』の修行してみたんだけど、まだまだだったよ、それに途中でヴィータとかって、変なガキが」
思い出しているのか、良彦の表情が、羞恥や怒り、喜び、感謝など、くるくると変わっていき。
「変なガキだけど、そいつの一言で少しだけ、『凪』が判った感じだったんだ、生意気だけど、一寸感謝してる…(それに、なんか…かわ…いや、ない)ないない」
途中から内心が一瞬もれるが聞いている人も居ないのでまぁ、問題ないのだろう。
「まぁ、今日も元気だったから、心配しないでくれな、爺ちゃん、父さん、母さん」
ぱんっと手を合わせ、立ち上がろうとした…その時。
『固有波動確認、キーワード認証、魔力反応確認…起動準備』
そんな声が室内に響く、それと共に、仏壇に置いてあった箱…祖先から伝わる物で何が入ってるかは判らないのだが、一族が代々受け継いできた品だ…が薄っすらと光っている、いままで何をしても開かなかった…気になって何度もあけようとしたのだ。
その箱が、開く…目に映るのは、箱の中にある、ミニチュアの籠手、それが薄っすらと青い光を放っている。
「………って、なんか箱開いてるーっ!」
慌てて、思わず籠手を手に取る良彦に構わず、声が続く。
『汝、清風の継承者よ、我を持ち告げよ…清風は常に友とあり、友を助くは清風の勤め、清風は我が腕にあり…と』
「…清風は…常に友とあり…友を助くは…清風の勤め…『清風は我が腕にあり!』」
『西風、起動』
声に導かれるように呟く、最後の一言は、謎の声と被るように、告げる…次の瞬間、部屋を青色の光が包み込んだ。
良彦が、籠手から溢れた光に包まれた頃、隣の高町家…なのはは、驚いていた、眠る前にレイジングハートに手伝ってもらって、イメージトレーニングをしていたら、突然近くで魔力反応が感じられたからだ。
『マスター、魔力反応を感知、直ぐ近くに突然出現しました』
「うん…でもなんだろう、この魔力しってるような?」
『距離は、10数m程です」
「そっか…えと」
ふと、窓の外を見る、暗い中見える隣の家…八坂家、その一室から青い光が漏れている…というか、あの家には今、良彦しか居ないはずだ。
「た、大変だよ、よしくんの家からだ、それっ」
『たしかに、あそこから強い魔力を感じます』
「そんなこと言ってる場合じゃないよ、いってみよ」
『了解、マスター』
家族に見つからないよう、こっそりと家を抜け出し、庭の片隅から八坂家へ…所謂子供だけが通れる抜け道のような穴が壁にあけてあったりする…光の元と思われる部屋を覗く。
其処には、空の青のような光を放ちながら立つ、良彦…両手に鋼色の籠手を付け、青い色の長袖のジャケット、ズボン、縁は白で彩られていて、飾り気はほとんど無い…身じろぎ一つせず、段々と光が収まり。
前触れも無く、崩れる用に倒れこむ。
「えぇー!、ちょ、大変だよレイジングハート、助けなきゃ!」
『魔力の放出のせいで、一時的に魔力が尽きたものと思われます』
「いやいや、原因じゃなくて、あー、っもう、いくよっ」
勝手知ったるなんとやら、お互いの家の出入りも多い、関係上、なのはも八坂家の鍵の隠し場所をしっていたので、玄関をあけ、中に飛び込んで、良彦の下へ。
「おじゃましまーす、って、やっぱりよしくんだ…えっと、クロノ君に伝えた方が良いのかな?」
『自然に起きるとは思いますが、魔法関連なら、そのほうがよろしいかと』
「だよね…えっと」
なのはの近くにウィンドウが表示され、数秒の後に、少年の顔が映し出される。
「どうしたんだなのは、こんな時間に突然?」
「ごめんね、クロノ君、一寸問題が…」
暫く後、八坂の家から今度は白い光が一瞬漏れ、静寂が訪れる。
光に包まれている間、良彦は夢を見ていた。
古い西洋風の城…辺りには数は少ないが皆てだれの——達、近くには————達もいる。
皆が見ている空の上、見られているのは自分だ…自分の、これは試験なのだろうか、相対している人物と、戦っているのか。
「はっ、腕を上げたな——、これをしのげれば合格って事にしてやる、いくぞっ!」
赤い髪の少女が、腕を振り、現れるのは4つの鉄球…2度目で、それが8つに増える。
「来いよ、———、今日こそ止めてやる!」
「いくぞ、————…———ルベ・フリー——ッ!」
鉄球を持っていたハンマーで殴りつける、同時に赤い魔力光につつまれ、四方八方から殺到する、魔法弾。
「この程度ならっ…みせてやるよ、修めた業をっ」
言葉とは裏腹に、心は静かになっていく、自分の周りに小さな領域を設定…腕が届く範囲での風の結界、その中は完全な無風状態…して、飛び込んでくる魔法弾がその領域に飛び込んだ瞬間。
風が一瞬動きを封じ、繰り出される纏絲勁…腕をねじり、力の流れを変える業…と、小さくし強度を上げたシールド、両方の力で魔法弾を打ち砕いていく。
打ち砕くのが間に合わない物は、一瞬できる風での遅延を利用し交わし、再び戻った所を打ち落としていく。
「どうだ、———、これが———だっ!」
全ての魔法弾を打ち砕き、吼えるように宣言する。
「はんっ、この間よりはましになったんじゃねーの、この間は後頭部にくらったもんな」
「てめ、あんときは、一寸制御に失敗したんだっつの、これがほぼ、完成形だっ」
「ほぼかよ、じゃぁ早く完成させろよっ」
「修練じゃ多分無理なんだよ、この先は…—のやり取り、実戦じゃないと」
「んだよ、それ、ならちゃんと完成させて…死ぬんじゃねーぞ?」
「当たり前だ、そんなきもねーよ」
いつの間にか空の上で、二人は近づき、赤い髪の少女の頭をぽんぽんと叩いていた。
「あと、ぽんぽん叩くな、縮むだろっ!」
少女の言葉と共に、脛に衝撃。
「ってー、それ以上ちぢまねーよっ!」
「んだと、てめぇ、もう一回やんのか?」
「上等だよ、かかってこいよ、ち…」
「そこまでだ、——、———、試験は終了だ、——は次の戦から戦場に出ることを認められた」
近づいてきたのは、がっしりした褐色の青年…青い獣の耳と尻尾…守護獣の、————だ。
「おっしゃー!」
「ちっ、しゃーねー、足ひっぱんなよな」
「——には、清風の騎士の名が与えられる、名に恥じぬようにな」
「おう、あんがとな、————、いやー、———とは大違いの大人の対応だな」
「はんっ、ガキが何言ってんだ、あたしだって大人相手なら相応に対応しますよーっての」
「んじゃ、おれは、ガキだって言いたいのか…ん?」
「「………やんのか、こr」」
「やめないか、ふたりとも」
くっつきそうなほど顔を近づけた二人に、台詞と共に落とされるのは、拳骨。
「「ってーっ」」
「まったく、戦場ではいがみ合っていては生き残れないぞ、覚えておけ」
拳骨の痛みと、青年の苦笑、皆の笑い声…少女の痛そうながら、楽しそうな顔、それが、印象的だった。
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魔法覚醒、記憶継承の一部です、名前や魔法なんかは、”一応”伏せています、ばればれですが。
次回は、アースラでの魔法に関する説明などになりそうです。
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