転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OG外伝
番外編026話 転移先が火星?
「……ここはどこだ?」
確かレモン達がギリアムとの繋がりを使って俺を元の世界、スパロボOGsの世界に転移した筈なんだが……
周囲を見回しても一面の荒野だ。植物と言えばその辺に大量繁殖している苔くらいで、とてもスパロボの世界だとは思えない。
「と言うか、地球……か?」
見渡す限り一面の荒野であり、どこにも人造物らしき物は存在していない。
ちょっと地球には思えない。そんな風に周囲を見回していると……
「あぁ、人がいるな」
微かに見える人影。ここがどんな世界なのかは知らないが、人がいる以上はやっぱりどこかの地球なんだろう。そう判断してその人影へと近付いていく。
「おーい! そこの人、ちょっといい……か……?」
声が途中で途切れたのは、その人影がどのような存在かが目に入ってきたからだ。
異様に発達した筋肉。ギョロギョロと動いている目。そして額の辺りから生えているような触覚。剥き出しの筋肉を見れば分かるように、服の類は着ておらず身体は黒一色だ。全裸の代わりにと言う訳でもないだろうが、その腕には石を削って作られたかのような棍棒を手にしている。
「じょうじ?」
その、とても人間には見えない存在が俺を発見したのだろう。小首を傾げながら視線を向けてくる。
……普通、そういう仕草をすれば可愛いと表現出来るのが普通なんだろうが、とてもそういう風には見えなかった。むしろ不気味としか言いようがない。
それでも一応声を発しているし、武器を扱っている以上はある程度知性が発達しているのだろう。
そんな風に思って会話を試みようとした俺だったが……
「じょうじょうじょうじ」
「うおっ!」
そんな声と共に瞬時に俺との距離を詰め、顔面へと手を伸ばしてくる黒い奴。
「ちっ、問答無用かよ!」
顔面へと向けられたその手を、顔を少しだけ動かして回避。同時に攻撃を外したその腕を掴み、力尽くで強引に一本背負いの形に持っていく。
「じょうじ!」
ドガァッ! という音を立てて地面へと叩き付けられる黒い奴。
『紫炎の捕らえ手』
同時に混沌精霊としての力を使い、魔法を発動。黒い奴を円柱状の炎の中へと閉じ込める。
「さて、話は通じるか?」
「じょうじ?」
起き上がり、炎から出ようとする黒い奴だが当然『紫炎の捕らえ手』は力尽くで脱出出来るような物では無い。
「じょ、じょ、じょ……じょうじ……」
そしてサウナと同様、いや俺の魔力を使ってそれ以上の熱気を放つ円柱の中では、さすがにこの黒い奴も苦しくなってきたのだろう。徐々にその動きを緩めていく。
にしても、こいつらは一体何なんだ? まともな人間じゃないのは確かだが……スパロボでこう言う敵が出て来た覚えはないし。というか、ネギま世界で混沌精霊と化した俺には及ばない物の、それでもこれ程の戦闘力を誇る相手だ。OG系のスパロボには出てこないだろう。
となるとここはスパロボの世界じゃない?
「……」
苔と岩と砂。そんな状況の周囲を見回す。
いや、うん。確かにどう見てもスパロボの世界じゃないのは一目瞭然か。
「となると、恐らくリュケイオスで転移する時にトラブったか……いや、一番可能性が高いのはレモン達がOGs世界の座標入力をミスった可能性か? とにかく一端ホワイトスターに戻るべきだな」
幸い、空間倉庫の中にはアギュイエウスが内蔵されているトリニティゲインがある。これがあればここにゲートを設置して向こうに帰還するという手段を取らなくても済む。
まぁ、基本的に原始時代の文化しかないだろうこの黒い奴等にゲートの使い方を理解出来るとは思わないけど、念には念を入れておくとしよう。
そう判断して、脳裏に空間倉庫のリストを表示しようとしたその時……ふと目に付く物があった。
それは、まるで俺を囲むようにして存在している黒い影、影、影。
いや、これは囲むようにじゃなくて実際に囲んでいるんだな。目的は……
チラリと炎の円柱に捕らえられている黒い奴へと視線を向ける。既に人間では耐えられない程に高温になっている円柱の中だが、それでも地面に倒れ込んで苦しそうに痙攣してはいるがまだ生きている。
「仲間の救出……か?」
原始人レベルの文明だと思われるこいつらが仲間の救出とか考えるとは思えないが、それでも実際に集まっているとなるとそういうことなんだろう。
「面倒臭いな」
一箇所に固まって攻めてくるのなら『燃える天空』辺りで一掃出来るのだが、こうも広範囲に広がられているとな。それにこの世界だとかなりSP消費も激しい。そうなると……
脳裏に空間倉庫のリストを展開し、グロウセイヴァーを選択。トリニティゲインでもいいかと思ったんだが、折角今までと違う世界に来たと言うのに何の土産も無しに帰るのはちょっと癪だしな。
そのまま俺の隣に姿を現したグロウセイヴァーへと混沌精霊の力を使って空を飛んで乗り移り、機体を起動させる。
「さて、手始めにこれでも食らえ、ファイア・ダガー、発射!」
胸の胸部装甲を展開。多段頭ミサイルを発射する。
「じょう! じょじょじょう!」
何やら指示を出すかのように叫ぶ黒い奴。いや、実際それは指示だったのだろう。俺を中心に囲んでいた集団のうち、ファイア・ダガーの飛んで行った方の奴等だけが散開し、逆にそれ以外の者達はこちらへと向かって走ってくる。
その速度は瞬動よりは遅いものの、普通に走っているだけだと考えると明らかに人間以上の速度だった。
いや、ネギま世界は例外としてだが。
「けど、そもそもグロウセイヴァーに生身で立ち向かうってのが無謀なんだよ!」
クロノスからビームガトリング砲の砲身を展開。トリガーを引いてビーム弾を絶えることなく撃ち出していく。
ビームに貫通され、砕け、消滅していく黒い奴。それでも諦めることなくグロウセイヴァーへと近付いてくる。
「しつこいっ!」
ランツェ・カノーネの砲身2門を展開。連続してビームを発射する。次の瞬間には殆ど全ての黒い奴等は完全に消滅していた。
こうして、第一波の攻撃を退けた俺はまずはこの場所を探索する事にする。
それから数日後にこの地へと降りてくる宇宙船らしき物を発見。コンタクトを取り、ここが火星である事実が判明する。
取りあえずブルーマーズ計画では苔やゴキブリを使ったテラフォーミングはしないように決意をする俺だった。
後書き
テラフォーマーズの世界の火星に転移したアクセルでした。
あくまで番外編のif物なので続き等は今の所考えてません。
漫画そのものも完結してませんしね。
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