鉄槌と清風
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39部分:38:空港火災
38:空港火災
あのクリスマスから2年、中学3年生になったある日、休暇をあわせ、はやてに会いに行こうとなのは、フェイトと約束してミッドチルダで待ち合わせしていた。
直前に出張任務があったため、良彦だけ隣海空港から向かうことになっていた、空港を出て向かうかと、思った所でドンッという爆音が響き、突然辺りに警報音が鳴り響く。
隣にいた赤い髪の相棒…ヴィータだが…と、何事だ、と思っていると、ゼピュロスとアイゼンに緊急通信、隣海空港で爆発事故発生、それが大規模火災に発展している模様。
「あの音か、初期救助もまだだろうし、行くぞヴィータ、煙は俺がなんとかするから、瓦礫とか任す」
「おう、おめえじゃ、壊そうとして火煽っちまうかんな」
「そういうことだ…ゼピュロスセットアップ、それから風の結界を呼吸ができれば、良いヴィータの方もな」
『了解、セットアップ…風の結界展開、人体に害のある要素を遮断します』
「アイゼン、こっちもセットアップだ」
『了解、セットアップ』
二人の姿が変わる、良彦は青のジャケットにズボン、手には鋼色の無骨な籠手に包まれ、ヴィータは赤のゴスロリ風ドレスに、赤い帽子、手にはグラーフアイゼン…鉄槌…が握られる。
二人が薄い青の膜につつまれ、その幕を境に煙は道をあけ、彼らに近づかない。
空港内、天井近くを飛ぶ二つの影、眼下には急ぎ逃げ出す人々、彼らは出口に近いから問題はないだろう、爆発音のした方向へ、急ぎ移動する。
「ゼピュロス、1321隊と地上本部へ緊急通信、これから緊急救助にあたる旨を伝えてくれ」
『了解』
「アイゼン、こっちは生体反応を探すぞ」
『了解』
飛行しつつ良彦は後で面倒にならないように、緊急時の飛行許可と現場での動きを事後申請ながら、部隊と地上本部に連絡。
ヴィータはアイゼンで爆発のあった付近の生体反応を探る。
「反応が3つだ、良彦」
「あいよ、いそいで向かうぞ」
ヴィータが先導して、反応のあった方へ、煙に巻かれ、最初の爆発で怪我をしたのか、3人の人が倒れている。
「管理局です、すぐ救助しますから、頑張ってください」
声をかけ、3人の回りにも風の結界を張り…
「ヴィータ、出るのに近い方のかべぶち抜け!」
「おう、アイゼンッ!…ラケーテンハンマー!」
『了解、ラケーテンハンマー』
ラケーテンフォーム…片側がピック状になり、反対には噴射口が現れる…盛大に噴射炎をあげ、その反動とともに、壁にアイゼンを打ち付ければ。
壁はぶちぬかれ、一瞬外へ煙が流れる、が…結界に包まれた良彦とヴィータ、要救助者3人は煙に巻かれる事はなかった。
「よし、ヴィータ1人頼む」
いって、自分は既に2人抱きかかえる
「あいよ、こういう時は、獲物がねーほうが多く助けれるな」
「ま、かもな…喋ってる間に行くぞ」
「おうよっ!」
壁に開いた穴から飛び出す青と赤の魔力光に包まれる影…一旦上空に上り、当たりを確認、指揮車や救急車が来ている事を視認し。
『こちら本局航空隊第1321部隊、八坂三等空尉とヴィータ三等空尉だ、要救助者を3名救助した、現場の指揮官に従う、どこに連れていけば良い』
『こちら、本局特別捜査官、八神はやて一等陸尉です…良彦君にヴィータ?…まぁええ、近くにいる救急車へ搬送してや…』
『了解、その後の支持もよろしく、八神一尉』
直ぐに3人を救助隊に引き渡す。
『八坂三尉は本局03、ヴィータ三尉は本局04でオペレーターからの支持を受けてな』
『本局03了解』
『04了解』
はやての指示に了解の旨を返す、すぐに連絡。
『本局03、04…』
指示に従い、瓦礫の奥に取り残されていた要救助者達を二人で救助していく。
ヴィータが瓦礫を吹き飛ばし、良彦は救助者を風の結界で守る。
数十分後、本局航空魔導師隊が到着、一息付き…はやての元へ集まる。
疲れた様子のはやて、ツヴァイに、なのはとフェイトもそこにいた。
「お疲れ…二人も居たのか?」
「そりゃいるよ、待ち合わせは近くだったし、この状況じゃ救助にでないなんて考えられないし」
「そうだね、幸い民間人には死傷者はいなかったみたいだし」
「そやな、皆と陸士部隊、救助隊のおかげやな」
「つか、航空魔導師隊が、展開遅くねーか」
良彦に応える、なのは、フェイト、はやて…ヴィータは初動遅れを指摘する。
「空と陸で面倒な諍いがあるしなぁ、どうにかできんやろかと思うんやけど」
真剣な顔で考え込むはやて。
「とりあえず、まだすることあるし、そっちを片付けてくるか」
「あぁ、せやね…なのはちゃん、フェイトちゃん、ヴィータ、ツヴァイ、もう一寸よろしくな」
それに頷く一同…その後深夜まで後始末などが続いた。
とりあえず、女性陣5人と別れ、近くのホテルで一泊したあと、皆に合流。
少し眠そうながら、何かを決めたか、覚悟の表情をしている。
「おはようさん、眠れたか?」
「微妙にねみぃ…ふぁ」
「ヴィータは、いつもだろそれ」
「うっせ、おめえのせいで朝起きる時間が固定されてんだよ、あたしは朝よえーのに」
「はいはい、てか、なに笑ってんだそっちは?」
ヴィータと軽いやり取り、はやて、なのは、フェイト、ツヴァイがくすくす笑っていて。
「なにって、なぁ」
「だよねぇ」
「うん」
「ですぅ」
「いや、判らんから…まぁいいや」
何かこう良く判らないながら、話を切る。
「な、良彦君」
「どうした、はやて?」
「ちょ、聞いてもらって良いかな?」
「俺は構わねーけど…そっちは皆納得してる話しっぽいな?」
「せやね、今朝皆には聞いたんや…私な自分の部隊を作りたいんや、それでな」
「いいぞ」
「良かったら良彦君も…って、はやっ」
「なんだかんだで、長い付き合いだからな、大体はわかるっての」
「そしたら、そん時は頼むで良彦君」
はやての言葉にお互いぱんっと手を打ち合わせる。
ほかの皆も微笑み、頷く。
その後仕事があるため直ぐに皆と別れる。
「しっかし、俺らが全部集まる部隊か…他の面子とかどうなるんだろうな」
「おめえは、強い相手がいねーか、とか考えてんだろ」
「いたほうが、楽しいだろうとは思ってるけどな」
「はぁ、修行バカが…まぁいい仕事行くぞ」
「昨日の休み潰れたからなぁ、次の休暇は早めに取るか」
「だな、そうだ、良彦…買い物してこーぜ」
「いいけど、何をだ…午前中で休み終わりだぞ」
「ミッドのアイスクリームメーカーと、材料だな」
「…いいけどな、ったく、腹壊すなよ?」
「はっ、壊すかよ」
「何回か夏に食いすぎて…」
「うっせ、だったらおめえが止めろよ!」
「とまらねーだろうが、全く…まぁ、いい行くか」
ぽんっとヴィータのあたまを叩く…その振動で揺れる髪に鉄槌と籠手のクロスした髪留めが鈍く光っていた。
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メインキャラには絡まず、一般人のみ救護…攻撃に使う技は風で火を煽りそうなので、結界のみです。
次回は、ガジェットとの戦闘あたりを…時間軸は一年後位になるかと思います。
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