ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―
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月光校庭のエクスカリバー
第39話
前書き
書き終えてみると長くなったので二話に分割しました。
まずは教会組を探すところまでです。
是非見ていってください。
次の休日。俺は町にある喫茶店に小猫と共に向かっている。
デートならばイッセー辺りに妬まれるだろうが、そういうわけではない。
話があると俺はイッセーに呼び出され、そして小猫は俺についてきた。
内容は十中八九祐斗に関することだろう。
あの模擬戦の後、治療を受けた祐斗は部長の制止を振り切り何処かへ行ってしまった。
家には戻っている様子はあるのだが、俺たちのいない時間を狙ってか会っていない。
このまま放置していてははぐれか、最悪死なれる可能性すらある。
そうしないために俺たちで行動を起こす。そのための話し合いだ。
「朔夜!こっちだ・・・って小猫ちゃん!?」
喫茶店にはすでにイッセーがおり、同じ席にはもう一人知った顔が居た。
「イッセー、匙も呼んだのか」
生徒会書記の匙だ。知った顔で協力を頼めるのは限られるし、内容なだけに戦力は欲しいからちょうどいい。
「ああ、一人でも多い方がいいからな。それでどうして小猫ちゃんが?」
「・・・昨日のイッセー先輩の動きが怪しかったので、朔夜先輩についてきました。何かする時、イッセー先輩が真っ先に声をかけるのは朔夜先輩ですから」
「そんなに怪しかった?」
「珍しく悩んでいる感じだったな。祐斗の事だろ?」
「正解。協力してくれるか?」
「とりあえず内容を話せ。約一名置いて行かれてるしな」
こっちで話が進んでいるせいで内容がわかっていない匙がおいて行かれている。
「ああ、悪い匙。今日呼び出した内容だが
―――聖剣エクスカリバーの破壊許可をイリナとゼノヴィアからもらうんだ」
ほう。イッセーにしては妥当な案だ。
こいつなら『俺たちで探し出して破壊しよう』と言うと思ったんだが、昨日悩んでいただけのことはある。
「アイツら、破壊してでもって言ってただろ?木場は破壊して復讐を果たしたい。アイツらは破壊してでも回収したい。目的は違うけど結果は同じ。だからこっちから願い出るんだ」
問題はこの提案をあっちが受け入れてくれるかか。
「・・・部長たちには?」
「当然内緒だ。反対されると思うし。後アーシアにも内緒だ。嘘とか下手そうだしな」
「と言うことは許可をもらえた時に動くのはこのメンバーと祐斗か。匙、生徒会から協力してくれそうな奴とかいないか?」
イッセーの提案に目を見開いて固まっていた匙に聞く。
俺の問いに匙は意識を取り戻して、一気に取り乱した。
「いるわけないだろう!そもそも俺だって嫌だ!聖剣を破壊しようだなんて!会長に殺される!」
そっちなのか。聖剣に消されるじゃなく主に殺されると。
「頼む匙!この通り!」
「嫌だ!お前の所のリアス先輩は厳しいながらに優しいだろう。だが会長は厳しくて厳しいんだ!だから俺は帰る!」
「・・・行かせません」
そういって席を立つ匙だが小猫に捕まり再度座らされた。
こっちとしても戦力が一人でも欲しく、そしてこの話を会長に知らされたら部長にも話が行くのは必然。逃がすわけにはいかない。
「そうか。会長は厳しいのか。そう会長に伝えておこう」
「だぁぁぁ!やめてくれ!マジでしごかれる!!拷問される!!」
思っていた以上に効果があった。そこまで怖いんだろうか・・・。
だが容赦はしない。
「なら手伝ってくれ。ばれなければ大丈夫だ」
「うぅぅぅ・・・」
渋々ながらもわかってくれたようだ。
「・・・完全に脅しだな」
「・・・詐欺師みたいです」
二人がこそこそと話している。
この程度で詐欺師よばれるなら世の中もっと詐欺であふれているだろう。
そもそも騙してすらいない。脅しの自覚があるが
「メンバーも決まったところで、あいつらを探すとしようか」
「・・・そう簡単に見つかるでしょうか?」
「極秘任務みたいだし、根気よく探すしかないか」
「まぁ、この町に滞在している以上どこかの宿泊施設を使ってるはずだ。その辺りから探すぞ」
教会側が保有する拠点があるのならそっちを使うだろうが、拠点になりそうな場所は町はずれの半壊している教会くらい。さすがにあそこを拠点にはできないだろう。
ここは地方都市だし、宿泊施設も限られる。その辺りを捜索しながら次の策を練るとしよう。
◇◆◇
そう考えていたんだがその必要はなくなった。
すぐに見つかったからだ。それも
「迷える子羊にお恵みをー」
「どうか天の父に代わって哀れな私たちにお慈悲をー」
物乞いをしている。
白いローブを着た二人組が人通りの多い場所で物乞いをしている。
ものすごい目立っている。本当に極秘任務をしているのかと疑うくらいに目立っていた。
「なんてことだ。これが先進国であり経済大国の実体か。これだから信仰の匂いのしない国は嫌いなんだ」
「毒づかないでよ、ゼノヴィア。路銀の尽きた私たちは異教徒共の慈悲なしでは食事もとれないのよ?」
なんで金が無いんだ。幾らなんでも任務のために旅費くらいは出てるはずだろう。そんなに教会は財政難なのか?
それに恵んでもらおうとしている人間の態度じゃないな。
「もとはと言えばお前がそんな詐欺まがいな絵を買うからだろう」
そういうゼノヴィアの後ろには二人の荷物と布に包まれた聖剣、そして謎の絵があった。
俺は芸術の才があるわけでもないが、その絵は陳腐な感じがする絵だった。
「何を言うの!?ここには聖なるお方が描かれているのよ!展示会の関係者の人も言ってたし」
「ならだれが描かれているんだ?私には誰一人思い浮かばないが」
「たぶん・・・ペトロ様・・・?」
わからないまま買ったのか。完全に騙されてる。
「こんなのが聖ペトロなわけないだろう!」
「いいえ!私にはわかるわ!」
「こんなのがどうして私のパートナーなんだ・・・。これも主の試練ですか」
ゼノヴィアに同情する。確かにそんなだと落ち込みたくなるよな。
「ちょっと!そんなに落ち込まないでよ!あなたって沈む時はとことん沈むわよね」
「うるさい!これだからプロテスタントは異教徒だと言うんだ!我々カトリックとは価値観が違う。もっと聖人を敬え!」
「なによ!古臭いしきたりにとらわれてるカトリックの方が異教徒よ!」
とうとう喧嘩に発展した。大声で言いあっているから余計に他の目を引いている。
それにしても
「イッセー。この前も思ったんだがお前の幼馴染はすごく残念だな。はぁ」
「バカな俺でもそう思うわ・・・ってなんで朔夜が沈んでるんだ?」
「いや、お前の幼馴染ポジの前任があんな残念な奴だったと思うとな。なんか悲しくなった」
全く関係ないんだが、そう思うと悲しくなった。
「いやいやいや。お前とイリナは全く違うだろう」
そうだな。あんなのと一緒にされるなんて堪ったもんじゃない。
二人の言い争いも空腹により力なくうなだれた。
「・・・まずはこの空腹をどうにかしよう。この状態ではエクスカリバー奪還もできやしない」
「・・・そうね。それじゃ、異教徒から脅し取る?主も異教徒からなら許してくれると思うわ」
教会の神は許しても日本のお上は許してくれないだろう。立派な犯罪だ。
「寺を襲うか?それとも賽銭箱とやらを奪うか?止めておけ。それよりも剣を使って大道芸をしよう。国境を超えるエンターティナーだ」
「名案ね!エクスカリバーでリンゴでもきればウケるはず」
こいつらを送り出した教会の人間もエクスカリバーを大道芸に使われるとは思っていなかっただろう。なんて無駄な使い方だ。
まぁ、それも日本では銃刀法違反になるわけだが。
「早く声を掛けるぞ。このままじゃあいつらが警察の世話になりかねない」
呆れながらイッセーたちに言い、二人に声をかけるのだった。
後書き
ゼノヴィア達の格好って日本じゃ職務質問されてもおかしくないと思います。
次話は一応書きあがっているのですぐに上げれると思います。
感想お待ちしております。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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