こんな私(俺)の物語
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第十二話 月光校庭のエクスカリバー
前書き
いいいいいいいいヤッフゥゥゥゥゥゥ!
祝!お気に入り登録370突破!総合評価四桁突破!!
これからも頑張ります!
籃しゃまのスペカ大崩壊な件。
エクスカリバー?鞘の方が使えるんじゃね?
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久しぶりに言うな、どうも、正夢をさまよってきた八雲紫です。刀握って寝てるけど。
俺が幻想郷に幻想入りしたのはどうやら夢ではなく、現実だった。この刀、雪夜が証拠?である。ついでに、スキマに入れていた小太刀があったり、食糧は減っていた。
それはそうと、俺の今の現実はこの世界、ハイスクールD×Dの世界で八雲紫という存在らしい。う~む。色々と考えさせられた夢だったな。とりあえず、スキマに雪夜を収納して、俺は寝間着のまま、朝食作りに向かう。
が、やる気が出ない。そりゃあんだけ作ったらいくら俺でもめんどくさくなる。俺の幽々子が亡霊じゃなくて良かった。
今更だが、俺の神器は定着型と言うらしい。簡単に言えば、形を成して表に出ない、五感型と似ている神器だ。だが、摘出等、宿主から切り離すことができない一世一代の神器でもある。
つまり、生まれつきの能力者だ。普通の神器は宿主が死んだら、別の宿主に宿るが、俺の神器は、俺が死んだら同時に消える。幽々子の墨染死桜扇も定着型だ。
まぁ、悩みの種はもうひとつある。
「性別『男性と女性の境界』」
俺は自身の性別の境界を操り、八雲幽璃になる。以前は、操れなかったが、俺は男性にもなれるようになった。名字に関してはノーコメントで頼む。そりゃ論理上できるとは思っていたが、なっちゃった。まあ、潜入とかには役に立つし、男湯に入れる。まあ、女性の方が強いんだが。妖怪の時はとくに。これも性別適性か?
「あなた、誰!?」
「えっ?」
男性の俺を幽々子が見た。そりゃ見知らぬ男が自分の家に居ればそんな反応になるわな。
「えっと、ちょっと待っ「誰!手を頭の後ろで組んで!」はい・・・」
有無も言わせねぇ。これでも俺は八雲紫ににてるんだがな。金髪だし、身長は結構違うが。
「あなたは誰?」
「正直に言うと、八雲幽璃。女性では八雲紫だ」
「紫?どういうこと?意味がわからないわ。説明しなさい」
「まずは、ほれ、スキマ」ガバァ
「へっ?」
「それと、『男性と女性の境界』」
俺の姿が女性のものになっていく。
「これでいい?幽々子」
「えっ、ええ、何がどうなってるの?」
「能力の応用よ。ごめんなさい、誤解させて」
若干蝶が出掛けていたぞ。皆さん、我が家に泥棒に入ると高確立で死にかけますよ。
後で籃にも説明しないとな。猫飼いたいって言ってたけど、猫又以外は却下です。名前は勿論「橙」の予定。頼むから、近所で叫ばないで貰いたい。
さて、料理を再開。危うく失敗しかけた。今日も修行するぞ?幽々子、籃。
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「はあ、男性にもなれるようになったんですか。まあ、いつかはできるようになると思っていましたけど」
修行用空間で籃に説明したら、そんな反応が返ってきた。
「えっと、そんなに以外じゃなかったの?」
「ええ。だって、妖怪を人間にしたり時間を操ったり核融合を起こしたり感情を操ったり物理法則をねじ曲げたり空間を操ったり料理上手だったり殺しても死ななかったり無限の力を手にいれたりする紫さんに、今更そんなことを言われて驚きますか?」
「驚かないわね~。それどころか、やりたい放題ね」
すみません。大変失礼しました。そりゃ驚かんな。それと、料理上手は関係無くね?
今度のオカルト研究部は兵藤家でやるらしい。それは置いとくか。
「やりましょう、幽々子、籃」
「そうね~」
「はい」
今日の修行は基礎強化が主題。というより、しばらくは基礎強化ばかりやる。土台ができていないと、自分にも与えられたスペックをフルに生かしきれない。高校生だし、鍛えるのにはちょうどいい時期だ。原作の妖怪は、長い年月をかけて強くなっていくが、俺は人間だ。急成長もありえる。
『倍加と半減の境界』
で、体重を重くする。二倍くらいは耐えられるだけの鍛え方はしている。
倍加と半減の境界は、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』と『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』からヒントを得て、反発しあう力ならいけるんじゃね?なんて安易な思考でやっちゃいました☆
因みに、『譲渡と簒奪の境界』まで操れた。まさにチート。
「うぅっ、重い・・・」
「頑張って、これから、修行は常にこの状態、慣れたらさらに倍加するから」
「鬼畜ですね」
誰がじゃぁ!籃!誰が鬼畜だと!?
ドスッ
「いたぁ!?」
「誰が鬼畜よ、誰が」
手刀である。鉄で殴られなかっただけマシだ!にしても、狐語が出なくなってきたな。
「とりあえず、さっさと始めるわよ。時間はいくらあっても足りないから」
「じゃあ止めればいいじゃないですか」
なにそのパンが無ければお菓子を食べれば良いじゃない的なセリフ。貴様はマリー・アントワネットか。
時間停止は負担が大きいんだよ。PAD長みたいに軽々と止められないんだよ。俺は能力を直接試用しているが、あくまで応用なんだよ。その分、幅が広いが。
そもそも、この時間遅延修行は幽々子か俺が能力を上手く使えないとできない修行だ。何故幽々子?簡単に言えば、普通よりも時間をとるから、寿命延長、老化防止が必要だ。アンチエイジング絶対。
「籃・・・暫くいなり寿司無しよ」
「ええ!?」
八雲家の台所は、俺が握っている。油揚げも禁止だ。
暫くは人間で修行する。そのあと、妖怪モードでの感覚を掴む。下手したら一誠みたいに壁に突っ込みかねん。
人間状態と妖怪状態では、桁が違いすぎた。四重結界を一日に十発が限度だったのに、百発撃ってもだいじょ~ぶ。になりました。
さて、東方キャラの鍛え方は?実戦だ。他には研究か自主練習ぐらいか?
はっきり言うと、東方キャラが熱血スポコンみたいに練習する姿って思い浮かばないだろ?ましてや勢力最強ランクが、汗だくになって特訓なんて絵図見るくらいなら、弾幕ごっこでお互いに切磋琢磨した絵図見た方が、精神的にいい。接近戦もあるがな。
だけど、基礎を鍛えるとなると、暑苦しいトレーニングをしなければいけない。ではどうするか?
突然だが、東方に関わると絶対に関わるもうひとつの原作と言えば?
『キング・クリムゾン!』
正解はジョジョだよね!
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さて、都合の悪い部分だけぶっ飛んで基礎訓練終了という結果だけが残りました。
弾幕勝負に移行するのだが・・・
「ねえ、籃、式神にならないの?」
「正直、遠慮したいです」
『式神「八雲籃」』が作れない。原作(非想天則)で便利な籃しゃまが使えない。橙なんてそもそもいないから問題外。
まあ、俺が弱くなる訳じゃないけど。
「何故?」
「本能が告げています。式神になるとこきつかわれるぞ、と」
「あなたの私に対する印象どうなってるのよ!」
「いい家族ですね。何考えているか分かりにくいですけど。まあ、多少胡散臭いです」
泣きそう。身内にすら胡散臭いって。そんなにふけてんのか?別に腹黒ではないはずなんだけど。
「大丈夫です。老けてはいませんから(すっぴんでも若く見えるわ!妬ましい)」
好きですっぴんな訳じゃない。単純に、メイクができないだけである。籃、パルパルになるな。
「とりあえず、また組手しましょう。幽々子は飛行中ですし。(この妬みを!元凶に!)」
「えっ、ええ、いいのだけれど・・・(なんか恐い!)」
因みに、飛行している理由は長時間の空中戦闘のためである。基本地面に足つけてたし、これからは空中戦闘当たり前だろうし。
「行きます!」
無茶苦茶強化して来る籃。殺気が凄まじいことは勘違いだと信じたい。
『人類と人外の境界』種族、妖怪!
がっ!
「ちょっと籃!殺気籠ってるわよ!」
「え?殺る気を出しているだけですよ?」
字が違う!尻尾のキレが凄くいいな!地面に片手をついて逆立ちして、そのまま回転してきた!ちょ!妖力纏うな!危ないよ!まて!爪に妖力籠めるな!鋭利過ぎるだろ!
えっ?なんで尻尾の先に妖力溜めて放とうとしているんですか?
『式輝「狐狸妖怪レーザー」』
やっぱり撃ってきたぁぁぁ!遠慮とか躊躇とか情けとか全くない!
『結界「四重結界」』
途中から弾幕勝負になっているけど気にしない!お決まりの四重結界で九本のそこそこ太いレーザーを防ぐ。
結界系のスペルは、至近距離専用なんだ。那由多結界が異常な射程を誇るだけだ。
だから、ロングレンジのスペルが必要になる。
『深淵「断片達の終焉」』
自分の周りに六つの結晶を作り出し、後輪のように並べ、無数の槍型弾を撃った後に、レーザーを六本同時に放つスペル。
こらそこ、ネ○リム先生とか言わないっ。
とにかく!『境巣「幻想蟲ネスト」』よりも威力があるし、射程もある。(中二病。まあ、仕方ない)
籃は、最初こそ弾いていたが、徐々に物量に押されていき、最後のレーザーは逃げの一手だった。
「いざや散れ。常世咲き裂く怨天の花・・・!」
なんだろう。凄く不穏な詠唱?が聞こえてきた。しかも何処かで聞いたことがある。なんだったっけ?運命だっけ?
『幻毒「彼岸花殺生石」』
猛毒の弾幕が降り注ぐ。空中で花開くように弾け、その猛威は増した。
っち。思い出した。キャス狐さんのスキルじゃねえか。当たったら不味い。あれは呪毒だ。薬品とか自然にある毒とかではなく、任意的に作られた「都合の悪い毒」だ。どんな効果があるかもわからない。
『境符「魅力的な四重結界」』
先ほどの四重結界の上位スペルで自分に降りかかる毒弾を防ぐ。が、若干だが、結界が溶けていた。後で聞いたら、霊力、妖力など、纏めて源力と言うが、それを溶かす毒らしい。四重結界だったら溶けていた。
コノヤロー。Fate繋がりか。玉天崩は止めろよ?
にしても、いい搦め手だな。弾幕ごっこでは使えなさそうだ。俺も弾幕ごっこに使えないスペルがあるけどな!
今は使わない。殺害特化だから。
『航空「八雲エアライン」』
どでかいスキマを開き、そこから飛行機を召喚してぶち当てる、『廃線「ぶらり廃駅下車の旅」』の上位スペルだ。
『創造と破壊の境界』を操って作りました。副産物で、物の『目』を手のひらに移動させて握り潰せるようになりました。副産物の方が強いと思うのは気のせいか?まあ、創造も破壊もかなり消耗するから、飛行機は事前に創っておく。あらま、避けられちゃいました。
『神式「天狐神光麗」』
意味合いは、千年以上生きた善狐は天狐となり、神の力を身に宿し、その姿は光輝くほどに麗しいという意味らしい。
お前、玉藻前じゃなかったんだな。やっぱりどこかしこ原作と違う。お前悪い事してなかったんだな。
しかも神格化してたんだな。千里眼とかも使えるらしいな。
籃を中心に光の球体となって、その表面から細い針のようなものを伸ばして攻撃するスペル。因みに無敵。
こんなかくし球もあったか!ひとまず、俺は球体から伸びる針を避ける。輝き過ぎだろ。下手な位置とられたら見えなくなるな。まだ完成して間もないのか、避けるのは結構簡単だった。
『八雲「夢想封印」』
虹の七色と、太極図を模した八つの追尾弾を放つ。
『呪石「玉藻鎮石」』
ゆっくりだが、自身を守りながら進む球状の弾幕と、それに纏わりつく無数の小型弾の、磨耗射撃と高威力射撃と自身の防御も考えたスペル。しかし、
『八雲「夢想封印」』は、突然旋回し、玉藻鎮石を通り抜けて、籃に直撃した。
「釈然としない・・・!」
頑張れ、籃しゃま。
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今日のオカ研は兵藤家でやることになりました。だが、一誠のアルバムによって会議は完全に崩壊した。
「で、こっちが小学生の時のイッセーなのよー」
「あらあら、全裸で海に」
「ちょっと朱乃さん!って、母さんも見せんなよ!」
「・・・イッセー先輩の赤裸々な過去」
「子猫ちゃんも見ないでぇぇぇぇぇ!」
やっぱり人間にとって幼い頃って黒歴史だよね!←着々と黒歴史を積み重ねている最中。
「・・・小さいイッセー・・・幼い頃のイッセー幼い頃のイッセー幼い頃のイッセー幼い頃のイッセー幼い頃のイッセー幼いk(以下省略)」
ショタコン?ついでに病んでるんですか?
「私もなんとなく、部長さんの気持ちがわかります!」
「そう、あなたにもわかるのね。嬉しいわ」
イッセー同盟(仮)
「そうだわ、紫、あなたのアルバムも見せなさい!」
「・・・言うと思ったわ・・・」
「えっ!紫さんのアルバムですか!?見てぇ!すっごい見てぇ!」
「ハイ」
「「「「・・・・・・(集中して見ている)」」」」
アルバムと言っても、俺には基本的に恥ずかしい事などない。転生した俺は前世のお陰でとくにこれと言った写真はない。あるのは精々、幽々子と籃との写真だ。
あ、そのさきは・・・
「「「「(ブバッ)」」」」
なんの音でしょうか?正解は鼻血吹いた音だ。見た写真は、幽々子の満面の笑み。いい仕事するよな。ムッツ○ーニ(母)。
「き、危険だわ。この写真は危険だわ!」
よかった。その写真見て鼻血吹いたの俺だけじゃなくて。
「お、おい!木場!お前は見るな!俺のアルバムを!」
「HAHAHA、良いじゃないか。もう少しイッセー君のアルバムを楽しませてよ」
取り戻そうとする一誠とヒョイヒョイよける木場。しかし、とあるページをまじまじと見つめた。そこに写っていたのは、幼稚園時代の写真。その親御さんが持っている、西洋風の剣。それを木場は指差していた。
「これ、見覚えは?」
「うーん、いや、何分ガキの頃過ぎて覚えていないけどな・・・」
「こんなことがあるんだね。思いがけない場所で見かけるなんて・・・これは聖剣だよ」
エクスカリバーを巡る事件の始まりを告げた。
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駒王学園球技大会が近づいてきた。
なんでかリアスが燃えている。おかげで俺までやることになった。ゆかりんが出るべきじゃないだろ・・・。
カキーン
金属バットのボールを飛ばす音。現在の競技は野球。うーん、やっぱり東方キャラにあうスポーツってサッカーだろ。ちゃんと種族は人間だから、本気でやってもいいんだよね。
超次元サッカーもやってみたいし。
にしても、木場が終始ボーッとしている。エクスカリバーのせいか。確か生きる目的がエクスカリバーへの復讐だったな。別に復讐が悪いとは思わないが、それだけのために生きると言われるのはいい気がしないな。
リアスは以前にも増して負けず嫌いになった。俺がリアスと呼ぶ理由は、なんとなく、自分より弱い者に敬語使うのがめんどいと思ったからだ。籃みたいにナチュラル敬語じゃないんだ。
その事を話したら、模擬戦をすることになった。確かに、俺は合宿の時朱乃一人倒すだけでもしんどかったが、妖怪になれるようになった俺とは話にならなかった。具体的には、消滅の魔力を四重結界で防いだだけだ。
それも理由だが、焼き鳥に負けたのも拍車がかかっているのだろう。
とばっちりを受ける身にもなってくれ。まだまだバカ王だな。
はぁ、ため息が増えるぜ。
「部長はこの手のイベントが大好きですからね」
朱乃談。一応、当日は手加減前提にやるとか。俺は手を抜かんがな。はっちゃけはしない程度に。
「ほら、アーシア!行くわよ!」
「はぅ!あぅあぅあぅ・・・あっ!」
ボールはアーシアの股下を通って後方にいってしまった。
まあ、運動神経は下の方だし。
「次、祐斗!行くわよ!」
「・・・・・・」
ボールはボケッとしていた木場の頭に当たった。そこに一誠が活を入れる。
「木場!シャキッとしろよ!」
「・・・あ、すみません。ボーッとしてました」
「祐斗、どうしたの?最近、ボケッとしてて、あなたらしくないわよ?」
「すみません」
大丈夫か?全く。木場はボーッとして、リアスは恋愛マニュアルを読むし、一誠は着々とハーレム築いていくし、幽々子は相変わらず大食いだし、籃は猫又探し始めるし、ほんと、
「平和よねぇ」
思わず口に出してしまう。平和ほど尊いものはないとよく聞くし、縁側で茶でも飲んでまったりしていそうな感じだな。久しぶりにお菓子でも作ろうかな?たまには息抜きもいい。
「あらあら。ところでイッセー君、ご存じ?」
「なんでしょうか?」
「最近、部長ったら恋愛のマニュアル本を読んでいるんですよ」
「れ、恋愛のマニュアル本!?ま、まさか、そ、そんな・・・」
大丈夫だろう。その恋愛の矛先は一誠に向かっているし。
やっぱり端から見ると楽しいな。人の恋愛。しかも修羅場あり。ヤンデレいなくってよかったな。
しかも一誠って普段変態なのに何故かヘタレ+いざというとき鈍感だもんな。
「さーて、再開よ!」
全く。性に合わねえよ!
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次の日の昼休み。
エロ三人組がまた騒いでいる。だが、その話の中に俺を出すな!しかも声に出すな!腹立つな!オイ!
「はぁ・・・」
「何溜め息ついているのよ、紫」
・・・・・・。どうしても、あの体験のせいで霊夢が二人いるみたいで混乱しかける。
あの幻想入りで様々な体験をした。特に貴重だったのは、幻想郷の博麗霊夢、霧雨魔理沙、森近霖之助、魂魄妖夢、西行寺幽々子、そして何より、八雲紫に会った。俺みたいな東方好きなら泣いて喜ぶであろう体験だったが、はっきり言って怖かった。本当に、喜べる人の神経ってすごいな。いきなり死にそうな体験をして、今いる場所が幻想郷だと知ったら、急激に自分がこの世界にとっての異物という感覚が増えた。
幻想郷に、八雲紫は二人もいらない。
そう思うと、俺は幻想郷に居場所はないと思った。いくら全てを受け入れる幻想郷でも、俺を受け入れるのは不可能だと思う。ほかでもない、八雲紫が拒絶するだろう。だから俺が幽璃としていたのかもしれない。
「紫?聞いているの?」
「聞いているわ。あの騒いでいる三人の話題に私が出るのが気にくわないのよ」
「・・・なんか、ごめんなさい」
気にするな。バカは死ななきゃ治らないって言うけど、死んでも治らなかった。どうすればいいのかな?魂弄れば治るかな?
「それよりも紫」
「何よ、霊夢」
そう言われて差し出されたのは、様々な資格だった。こいつ・・・・・・まさか、本当に努力してくるとは!
なにがお前を動かした!メシか、メシなのか!?ついでにどや顔するな!
・・・・・・どこにいても霊夢は霊夢。幽々子は幽々子。なら、俺だってそうかもな。
全く。悩んでいるのがバカらしく思えてくる。
さて、昼休み、呼ばれているし、先に行くか。
「幽々子、籃、霊夢、私は用があるから失礼するわ」
一言言ってから、俺は席を立つ。幽々子と霊夢が弁当を我先にと食べ、籃が呆れながらも食べている。
なんか、いい光景だな。
「いってらっしゃ~い」
「いってらっしゃいませ」
「ハグモグバクモグ・・・」
霊夢、食べることしか目にはいってねえ。一誠はアーシアを呼びにいった。そこには、眼鏡女子、桐生藍華がいた。エロ眼鏡二号。クラスメイトからは匠とか呼ばれている。アーシアに余計な知識を植え付けた張本人。まあ、俺に降りかかる訳じゃないからいいが、俺に影響がきたら、言っておくか。
「おーい、アーシア。ご飯食べたかー?」
「アーシア、彼氏が呼んでるよ」
「かっ、かかかかかかかかかかか彼氏ぃぃっ!?」
「え?違うの?あんたらいつも二人でいるから、てっきり付き合っているのかと思っちゃった」
「そ、そそそそそそそ、そんなこと・・・あぅぅぅぅぁ・・・」
真っ赤になって狼狽えるアーシア。当然、視線は集まる。
「ふーん。そうなんだ。でもさ、傍から見たら、あんたたち毎晩合体しているカップルにしか見えないよ?いっつも二人でいるし、仲睦まじいじゃん?一応親公認で同居してんでしょ?若い男女がひとつ屋根の下で夜にすることと言ったら、そりゃねぇ。むふふふ。因みに、『裸の付き合い』を教えたのも私さ!どう?堪能した?」
「やっぱり、あれはお前か!」
以前、一誠の家で風呂に入っているときにアーシアが来たそうだ。まあ、そこでひと悶着あった原因が、この匠こと桐生藍華だ。
そろそろ、俺は旧校舎に向かうとしようかな。
俺は息抜きのお菓子を考えながら旧校舎に足を進めた。
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「せ、生徒会長・・・・・・?」
部室に全員が揃ってはじめての台詞は、一誠だった。
駒王学園生徒会長、三年生、支取蒼那。またの名を、ソーナ・シトリー。
厳格な雰囲気をもつ一応先輩。男子より女子に人気がある。
もう一人、生徒会関係者を付き添っている。
「なんだ、リアス先輩、もしかして俺たちの事を兵藤たちに話していなかったんですか?同じ悪魔なのに気づかない方もおかしいけどさ」
いや、俺はわかってたけどな。お前ら以上に非日常に踏み込んでるんだよ。家に九尾がいるんだからな?つい最近悪魔になったお前とは違う。
「サジ、基本的に私達は『表』の生活以外ではお互いに干渉しないことになっているのだから仕方ないのよ。それに彼らは悪魔になって日が浅いわ。兵藤君は当然の反応をしているだけ。紫さんが異常なのよ」
えっ、俺って異常なの?あ、一般人だと思っていたからか。約二歳頃に境界を弄り始めたからなぁ。俺。
驚愕している一誠に朱乃が説明をする。
「この学園の生徒会長、支取蒼那様の真実のお名前はソーナ・シトリー。上級悪魔シトリー家の次期当主様ですわ」
「シトリー家もグレモリーやフェニックス同様、大昔の戦争で生き残った七十二柱のひとつ。この学校は実質グレモリー家が実権を握っていますが、『表』の生活では生徒会ーーつまり、シトリー家に支配を一任しております。昼と夜で学園での分担を分けたのです」
「会長と俺たちシトリー眷属の悪魔が日中動き回っているからこそ、平和な学園生活を送れているんだ。それだけは覚えておいてくれても罰は当たらないぜ?因みに、俺の名前は匙元士郎。二年生で会長の『兵士』だ」
「おおっ、同学年で同じ『兵士』か!」
「ハァ、俺としては、変態三人組の一人であるお前と同じなんて酷くプライドが傷つくんだけどな・・・・・・・」
「なっ、なんだと!」
「おっ?やるか?こう見えても俺は駒四つ消費の『兵士』だぜ?最近悪魔になったばかりだが、兵藤なんぞに負けるかよ」
俺は一つなんだよな。まあ、変異の駒だろうけど。そうじゃなきゃ話が噛み合わない。
「サジ、お止めなさい」
「し、しかし、会長!」
「今日ここに来たのは、この学園を根城にする上級悪魔同士、最近下僕にした悪魔を紹介しあうためです。つまり、あなたとリアスのところの兵藤君とアルジェントさん、それに紫さんを会わせるための会合です。私の眷属なら、私に恥をかかせないこと。それに、サジ、今のあなたでは兵藤君に勝てません。フェニックス家の三男を瀕死寸前まで追い込んだのは彼です。ーー『兵士』の駒を七つ消費したのは伊達ではないということです」
「駒七つ!?俺より三つも多い!?いや、待てよ。瀕死寸前?つまり兵藤はフェニックスを倒せなかったんだな!そりゃそうだよな。木場か姫島先輩がリアス先輩を助けたんだよな・・・」
「いいえ。フェニックスを倒したのは、彼女よ」
そう言って俺を指差すソーナ。まあ、確かに潰したのは俺だけど。あんな焼き鳥より絶対もこたんの方が死になれてるから強い。
「紫さんが!?本当ですか会長!あれ?でも『兵士』なんですよね?駒は一個なんだよな・・・・・・兵藤、お前、一個の紫さんにも負けるんだな!」
「・・・・・お前はあれを見ていないから言えるんだ」
あの・・・なんでこっち見て身を縮めるの?一誠。そんなに俺恐い?
「サジ、紫さんは変異の駒で転生したのよ。他の下僕悪魔より強いのは当たり前よ。それに、兵藤君との戦いで精神が疲弊していたのでしょう。だから倒せたのですよ」
ああ、そういえば、フェニックスの涙でスタミナは回復したけど、精神までは回復しなかったか。だから手応えが予想以上になかったのかな?
ソーナがすぐに謝罪した。
「ごめんなさい、兵藤一誠君、アーシア・アルジェントさん、八雲紫さん。うちの眷属はあなたよりも実績がないので、失礼な部分が多いのです。よろしければ同じ新人の悪魔同士、仲良くしてあげてください。サジ」
仲良くするのはいいが、幽々子と籃に手を出したら潰す。
殺気を納めようか、紫さん。
「え、は、はい!・・・・・・よろしく」
「はい、よろしくお願いします」
「よろしくね」
「アーシアさんと紫さんなら大歓迎だよ!(あれ、なんで震えてるんだ?)」
ねえ、なんで俺の手を握っている手が震えてるの?
「HAHAHA!匙君!俺のこともよろしくね!つーか、アーシアに手を出したらマジ殺すからね、匙君!」
ギュウウ
「うんうん!よろしくね、兵藤君!金髪美少女を独り占めなんて、本当にエロエロな鬼畜君なんだね!やー、天罰でも起きないものかな!下校途中、落雷でも当たって死んでしまえ!」
ギュウウ
お互いに手を思いっきり握り締める。血管見えるぞ、おい。
「大変ね」
「そちらも」
お互いに苦労しているってか?俺も苦労してるよ。一誠。匙はアーシアには手を出さんさ。
「ちっ。俺んところの生徒会メンバーはお前のところよりも強いんだからな」
あえて突っ込まん。実際、悪魔だと弱いしな、俺。
「私はこの学園を愛しています。生徒会の仕事もやりがいのあるものだと思っています。ですから、学園の平和を乱す者は人間であろうと悪魔であろうと許しません。それはあなたでもこの場にいる者達でも、リアスでも同様のことです」
は?お前程度じゃ俺はおろか、籃ですらあっさり制圧されるぞ。まあ、そんなことする気はないがな。一応、幽々子と籃と俺の平穏をある程度守ってくれている訳だし。
まあ、生徒会長としてはギリギリ及第点かな?偉そうなこと言えるほど生きているわけではないが。
あ、リアスとソーナの年っていくつかな?
「お互いの新人紹介はこれで十分でしょうね。では、私達はこれで失礼します。お昼休みに片付けたい書類がありますから」
「会長ーーいえ、ソーナ・シトリーさん・・・様。これからもよろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします!」
「よろしくお願いするわ」
「ええ、よろしくお願いします。ーーリアス、球技大会が楽しみね」
「えぇ、本当に」
生徒会長は部室を後にした。
「イッセー、アーシア、紫。匙君と仲良くね。他の生徒会メンバーともいずれ改めて悪魔として出会うでしょうけど、同じ学舎で過ごす者同士、ケンカはダメよ?」
俺がケンカするわけがないだろ。さて、俺も教室に戻る。
戻って、幽々子と籃に聞く。
「で、探知はできたかしら?」
二人には、人外、もしくは神器の探知を行ってもらっていた。
「以外と簡単でしたね」
「ちょっと・・・ぼんやりとしかわからなかったわ」
籃は以前からやっていたらしいから、精度が上がったようだ。幽々子は、まあ、一定範囲以内にいることはわかるようにはなっているらしい。
「いいのよ。少しずつで」
どれだけやっても、損にはならないんだから。
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パーン! パーン!
球技大会の開始を告げる花火が空に響く。今日の天気予報は夕方から雨らしい。傘は常備しているから大丈夫だけど。
校庭に設置されたテントのスピーカーからは、忙しなくアナウンスが流れ続ける。
俺と幽々子と籃は一応体操服に着替えて、日陰にいる。部活対抗戦は最後の方だから、一言断って幽々子達の方に来ている。ただ・・・
「幽々子、いくら目立たない場所にいるからって、御菓子食べ過ぎよ。それで何個目よ」
「27個目~」
おい!と、思わずいいかけてしまった。相変わらず食べるやつだ。その栄養はどこにいってるんだよ。胸か?
「あの、紫さん。私にも一つ・・・」
「わかったわ、籃。ただ、涎出かけてるわよ」
ハッとして急いで口許を拭う籃。やっぱり、幽々子が美味しそうに食べると誘われるよな。
スキマから一口ぐらいにカットされたちょっと甘めの蒸しパンを取り出して籃に渡す。ついでに、飲料水を二人分取り出して二人に渡しておく。脱水症状は危険だからな。
「ありがとうございます」
「ありがと~」
いえいえ、どういたしまして。二人が蒸しパンを食べている間に、軽いストレッチで体をほぐす。
さて、精々目立たないように頑張りますか。
忘れずに種族を人間にして、俺は球技大会に参加した。
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「部長ぉぉぉぉぉ!頑張れぇぇぇ!」
俺じゃないぞ。初っぱなの台詞は俺じゃないぞ。無論、一誠だ。もっとも、視線はミニスカートから覗く太股に釘付けだが。
現在の種目はテニス。対戦者は、リアスVSソーナ
「会長様ぁぁぁぁぁぁぁ!キャー!」
一度打てば黄色い声援が飛び交う。
「うふふ、上級悪魔同士の戦いがこんなところで見られるなんて、素敵ですわね」
朱乃も楽しそうに見ている。
「ねえ、紫。あの二人、イメージと違いすぎない?」
「そうかしら?私から見ると二人とも行動的な性格だったわよ」
「まあ、普段は見れない一面ですよね」
俺らはともかく、あいつらはスポコンやっても大丈夫なんだよな。イメージ的に。
「いくわよ、ソーナ!」
「ええっ、よくってよ、リアス!」
「会長ぉぉぉぉぉ!勝ってくださぁぁぁぁい!」
自作の旗を振って応援する匙。・・・・・・みんななんでそこまで出来るの?
「おくらいなさい!支取流スピンボール!」
「甘いわ!グレモリー流カウンターをくらいなさい!」
白熱しすぎだろ!なんだよあの回転!いきなり急落下する魔球って!
現在のスコアは15―30でソーナリード。
「やるわね、ソーナ。さすが私のライバルだわ」
「うふふ、リアス。負けた方が小西屋のトッピング全部つけたうどん奢る約束、忘れてないわよね?」
「ええ、私ですらまだ試していないそれをあなたに先を越されるなんて屈辱だわ。絶対に私が勝たせてもらう!私の魔動球は百八式まであるのよ?」
「受けてたつわ。支取ゾーンに入ったものは全て打ち返します」
庶民的ですね!?ただひとつ言うとすれば、幽々子は毎回トッピング全乗せですよ?
そして、激しい試合の結末は、お互いのラケットが折れたことにより引き分けで幕を閉じた。
次はドッジボールか。どうしよう。男子としての血が騒ぐ。
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部活対抗戦の時間となり、俺はオカルト研究部のところに向かっていた。長袖の方がいいんだがな。
ただ、ここでも匠の影響が出ていた。原作を知っている人ならおわかりだと思うが、
アーシアがブルマなんだよ。いや、別にロリコンじゃねえから、特にどうということではないのだが。
「・・・・・・あ、あの、桐生さんから聞いたんです。ドッジボールの正装はブルマだって・・・。そ、それにこの姿になればイッセーさんが喜ぶって・・・・・・ダメですか?」
ちょっと待て。上目遣いは反則ですよ。
「ううん、最高だよ、アーシア。ありがとうございます。ありがとうございます!」
「?」
よくわかってないアーシア。
「気合いをいれなさい、あなた達」
「オッス!アーシアのブルマでやる気がみなぎりました!やる以上は負けないッス!」
「いい返事よ、イッセー!頑張ったらご褒美あげるわ!」
「っ!うおおおおおおおおおおっ!おっぱいぃぃぃぃぃ!」
五月蝿いな!吠えるな!
ふんず!
「ぎゃああ!」
アーシアに足を踏まれた一誠。
「イッセーさん、例のもの配ったらどうですか?」
「ああ、そうだった。皆!これを巻いてチーム一丸になろうぜ!」
そう言って取り出したのは、『オカルト研究部』と刺繍してある鉢巻き。結構出来映えいいな。
俺も裁縫やるからな。
「あら、準備がいいのね。ーーうん、イッセーって意外に器用ね。うまくできているわ」
「へへへ、実はこっそり練習してました」
「・・・・・・予想外の出来映え」
「あらあら、確かに他の部活動ではチーム一丸になるためにアイテムを着用していますわね。帽子だったり、ユニフォームだったり」
「そうです、朱乃さん!そんなわけで俺も作ってみました!」
うーん。どこに巻こうかな?いっそのこと、髪の毛をポニーテールにしてみるかな?で、根元にこの鉢巻き使おうかな?本来の用途と違うが、まあ、いいだろう。思えば、長い髪にも馴れたものだ。
髪の毛を纏める。うん、動きやすいな。
いまだにボーッとしている木場。まあ、怪我をしなけりゃいい。
『オカルト研究部の皆さんと野球部の皆さんはグラウンドへお集まりください』
よし、いきますか。
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「狙え!兵藤を狙うんだ!」
「うおおおおおっ!てめぇら、ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁ!」
開始早々集中攻撃される一誠。心なしか、殺意が段々エスカレートしている。その証拠に、胴体や足ではあきたらず、顔面に集中し始めた。まあ、一誠以外イケメンと美女とロリだもんな。
「(ピキッ)」
あれ?なんか寒気が・・・・・・しかも子猫から殺気が出てきたし。
「イッセーを殺せぇぇぇぇぇぇ!」
「アーシアちゃぁぁぁぁぁぁぁん!ブルマ最高ぉぉぉぉぉ!イッセー、死ねぇぇぇ!」
「お願い!兵藤を倒して!リアスお姉様のために!朱乃お姉様のために!そして何より紫お姉様のために!」
「アーシアさんを正常な世界へ取り戻すんだ!」
「「殺せぇぇぇ!死ねぇぇぇ!ロリコン(熟女好き)は俺だけでいいんだぁぁぁ!」」
「てめぇのせいで紫さんのZUN帽姿が見れねえじゃねえかぁぁぁぁ!」
なんか増えてる!しかも俺って老けてるのか!?(大人っぽいの間違い)
それにしてもノリのいい生徒達だな!
「イッセーにボールが集中しているわ!戦術的には『犠牲』ってことかしらね!イッセー、これはチャンスよ!」
「部長ぉぉぉぉ!頑張りますぅぅぅぅ!クソ!遊びでやってんじゃないんだからよ!」
一誠に集中する殺意。それを子猫が受け止めロリ怪力の名にそこそこ恥じない威力で投げる。そりゃ萃香には敵わないよな。手加減もしてるし。
「クソォ!恨まれてもいい!イケメンめぇぇぇぇ!」
あ、いまだにボーッとしている木場に殺意がいった。
「何ボーッとしてやがるんだ!」
「・・・・・・あ、イッセー君?」
一誠が前に出て、木場を庇う。しかし、その殺意はいきなりフォークボールのように軌道を急降下させ、無情にも下腹部に命中したーー。
「ーーっ!!」
ああ、あれは痛い。男性としての記憶がある分その痛みがわかる。顔青くなってないか?
流石に痛みにこらえきれなかった一誠。その場に倒れこむ。
「ぶ、部長・・・・・・。た、玉が、俺の・・・・・・」
「ボールならあるわ!よくやってくれたわね、イッセー!さて、私のかわいいイッセーをやった輩を退治しましょうか!」
「全く、アーシア、一緒に来てちょうだい。一誠、しばらく我慢しなさい」
そう言って、俺は肩に一誠を担ぐ。所謂山賊抱っことか言うやつだ。なんか、俺を見て若干殺気を出すリアスがいるんだが。
「あらあら、部長。イッセー君のボールが大変なことになっているようですわよ?」
「ーーっ!そういうこと!?」
「ほら、アーシア。一誠が怪我をしたみたいだから、物陰で回復させて」
「えっと、どこを怪我したんですか?」
それは言えねえよ。男性の大事な部分だ。
「とりあえず、あっちにいくわよ」
俺は幽々子と籃のいる目立たない場所に移動する。アーシアもついてくる。
「紫さん・・・ありがとうございます・・・。ぶ、部長、お、お役に立てなくて・・・」
「いいのよ、イッセー。あなたはよくやってくれたわ。あとは私達に任せなさい。さあ、イッセーの弔い合戦よ!」
一誠退場のお知らせ。まあ、部員全員悪魔だし、負けないだろ。
とりあえず、俺達は体育館裏のスペースまでいくのだった。
「紫さん・・・力持ちですね」
しまった。片手で持ち上げちゃった。
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一誠を物陰におろして、俺は周囲を見張る。
神器を一般人に見られちゃいけないからな。
「イッセーさん、治療を行います。怪我した部分を見せてください」
天然怖い。しかも善意だからなおさら。
「い、いや、無理だ・・・」
「何を言っているんです!患部を見せてもらえないとちゃんとした治療もできません!」
アーシア、それ以上進むな。ゴールデンボールはアーシアには早い。
「アーシア、腰の辺りに『聖母の微笑』をかければ治ると思うから、それ以上一誠を苦しめちゃダメよ?」
「でも!私はイッセーさんのために!」
悲しそうな顔しないでよ。俺は一誠にアイコンタクトを送る。こういう時こそお前が説得しろ。
「アーシア、泣かないでくれ・・・。紫さんの言うとうり、腰の辺りに『聖母の微笑』をかけてくれればいいから・・・・・・」
「わかりました・・・。イッセーさんが言うなら、私は従います」
そう言って、アーシアは神器を使用する。暖かい光がアーシアの手から発せらる。多分、回復しているんだろう。
「・・・・・・これは・・・なんとも言えない場面ですね・・・」
「ふえっ!?」
「・・・籃、いきなり現れないで」
籃が来た。その後ろには幽々子もいる。
そして、突然アーシアが慌て始めた。ああ、そういえば、アーシアは幽々子と籃がオカルト研究部の裏を知っているとは知らなかったんだったっけ?
因みに、一誠はアーシアの膝枕を満喫している。
「あ、ああ、えっと、どうすれば・・・」
「どうしたのよ、アーシア」
「だって、普通の人に神器使ってるところ見られてしまって・・・・・・」
「幽々子と籃は知っているから大丈夫よ。幽々子だって神器持っているし、籃は妖怪よ?」
「「そ、そうなんですか!?」」
「ああ、改めて自己紹介しよう。八雲籃、妖怪だ」
「私は西行寺幽々子よ~。よろしくね~」
「あ、はい、よろしくお願いします」
「ヨロジグおねがいびばぶ」
泣きながら言うな!いくら膝枕に感動したからって泣きながら言うな!
『オカルト研究部の勝利です!』
あ、結局勝ったのね。
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パン!
「どう?少しは目が覚めたかしら」
しばらく、木場は上の空だった。大会は優勝で終わった。そして、外は雨が降っている。
その大会の中で、終始上の空だった木場にリアスがビンタをした。
「もういいですか?球技大会も終わりました。球技の練習もしなくていいでしょうし、夜の時間まで休ませてもらってもいいですよね?少し疲れましたので普段の部活は休ませてください。昼間は申し訳ございませんでした。どうにも調子が悪かった見たいです」
「木場、お前マジで最近変だぞ?」
「君には関係無いよ」
「俺だって心配しちまうよ」
「心配?誰が誰をだい?基本、悪魔は利己的な生き方だと思うけど?まあ、主が従わなかった僕が今回悪かったと思っているよ」
酷く無感情に返す。まるで、この話すら邪魔だといわんばかりに。
「チーム一丸で纏まっていこうとしていた矢先でこんな調子じゃ困る。この間の一戦でどんだけ痛い目に遭ったか、俺ら感じ取ったことだろう?お互い足りない部分を補うようにしなきゃこれからダメなんじゃねぇかな?仲間なんだからさ」
「仲間か」
「そう、仲間だ」
「君は熱いね。・・・イッセー君、僕はね、ここのところ、基本的なことを思い出していたんだよ」
「基本的なこと?」
「ああ、そうさ。僕がなんのために戦っているか、を」
「部長のためじゃないのか?」
「違うよ。僕は復讐のために生きている。聖剣エクスカリバー。それを破壊するのが僕の戦う意味だ」
ぶっちゃけ、鞘の方が使えるんじゃね?
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雨の中を帰るのが面倒だと言う幽々子の要望により、スキマで家まで帰ってくる。
全く。幽々子のやつめ。上目遣いはやめろ。思わず鼻血吹きそうになっちゃったじゃないか。あどけなさが凄い。
そして俺は、休む間も無く料理をする。さて、エクスカリバーの事件がスタート。俺の現在の力を確かめる機会でもある。コカビエルすら倒せなかったら、俺はまだまだ弱い。
っと、こんなシリアスは柄じゃないんだけどな。さて、
「幽々子、つまみ食いはやめなさい、籃、いつの間に油揚げ買って来たのかしら?」
「「(ギクゥ!)」」
まあ、こんな日常
後書き
PAD長はあくまで普通乳。
『深淵「断片達の終焉」』は、俺の中では美脚その3。
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