転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OG外伝
0497話
「……さすがにマオ・インダストリーの本社。警戒が並じゃないな」
マオ社の裏側、セレヴィス・シティの外。つまりは宇宙空間にある月面へと出た場所で俺はマオ社の様子を窺っていた。パイロットスーツの類を着ていない、一種の生身の状態で月面に出られているのは当然混沌精霊としての力故だ。さすがにマオ社とは言っても空気があるセレヴィス・シティ側とその外、宇宙空間では警戒の厳しさに差がある。当然人間が行動しやすいセレヴィス・シティの方が警戒に関しては厳しくなっているのだが……まさか宇宙空間側もここまで厳しい警戒をしているというのは思ってもみなかった。
いや、考えてみればマオ社はライが行ったヒュッケバインの起動実験の失敗とか、ある意味での実績がある為に街中ではなくセレヴィス・シティの外れ、半ば宇宙空間にはみ出るような形で本社を建てたのかもしれないが。
「あるいはオルレアン研究所やテスラ研が襲撃されたり侵入されたりした情報を知って、それに対応する為……と言う可能性もあるのか」
地上にあるマオ社の研究所では最重要に位置づけされているオルレアン研究所に、マオ社と提携を結んでいる地球でも最大規模のテスラ研。そんなマオ社と関係のある2つの研究所が相次いで襲撃されたり侵入されたりしたんだから……そう考えると、次はマオ社の本社が襲撃される可能性を考えて警戒を厳重にしてもおかしくはないか。
テスラ研の方はバルトール事件と関連づけられている可能性も高いが、あるいはカイル達バルトール部隊の襲撃とその混乱に乗じてヒュッケバインMk-Ⅲのデータを検索したのは別口だと判断されたか? あそこの研究所にいるのは変人が多いが、その代わりと言う訳じゃないがその分優秀な人材も多い。ある意味シャドウミラーの技術班と通じている所があるからな。その辺を見抜かれたとしても不思議じゃない。だが……
「残念ながら俺に普通の警戒は意味が無い」
顔を覆い隠すようにしてヘルメットに近いバイザーを装備して顔を隠し、同様に闇に同化するような黒いボディースーツ。まさに潜入工作員といった格好をした俺は月の表面に落ちている大きめの岩の影に身を潜めながら……そのまま影のゲートへと身を沈めていくのだった。
「さて、無事潜入には成功した訳だが」
マオ社の通路に影のゲートを繋げ、そこから姿を現して周囲を見回す。
当然の事ながらマオ社本社であるだけにオルレアン研究所並に厳しい……いや、より厳重にセキュリティシステムが充実しているらしく、天井にはかなりの数の防犯カメラが設置されていた。もちろん廊下の全てを漏らさずに防犯カメラに収めている訳では無いが、死角にしても俺が現在いる場所を含めて数ヶ所程しかない。そしてその死角にしても飛び石状にあるだけなので、誰にも見つからないように通路を通るのは無理だろう。……俺みたいな反則技を使わない限りは。
「さて、じゃあさっさと終わらせるか。スライム」
空間倉庫を展開し、そこからスライムの触手を出す。そのまま数mm程度の細さにしていつものように自動索敵を行う。幾ら殆ど死角が存在しないとは言っても防犯カメラ越しでは数mm程度の細さのスライムを捉えられる筈も無く、おまけにスライムは天井のダクトや通風口、あるいは保守整備点検用の通路のような非常に見つかりにくい場所を通ってその触手を伸ばしていく。どうしてもその類が無い場合は通路の隅を通って触手を伸ばしているので、見つかるような真似はせずにそのままマオ社の至る場所へと偵察用の触手は張り巡らされていく。そして……
「ここだな」
幾らマオ社やそこに含まれている研究所内が侵入者を警戒しているとは言っても、マオ社に勤める研究者や社員全てが同様の意識を持っている訳では無い。当然マオ社程の大企業ともなれば、不真面目だったり面倒くさがりだったりする者も必ずいる。人数が多い故の弱点だな。
もっとも、そんな弱点を狙う俺が文句を言えた義理ではないんだが。
スライムの触手を使い、コンピュータが起動したまま社員なり研究者なりがいない部屋を見つけ出す。同時にオルレアン研究所でやったように……いや、それよりも広範囲に数十、数百の単位で防犯カメラへとスライムを巻き付ける。そして……
「SPブースト!」
その言葉と共に、マオ社の一角にある全ての防犯カメラが切断、あるいは吸収、破壊されて今この時だけだが、マオ社は外部はともかく内部に向けられている目と耳が封じられた格好になる。
同時にスライムを空間倉庫へと収納し、影のゲートを展開。そのまま目標のコンピュータが置かれている部屋へと転移する。
「さて、ここからは時間との勝負だな」
コンピュータのある部屋に姿を現し、ムラタと共にホワイトスターに戻った時に魔法球の中で技術班に頼んでバージョンアップして貰ったハッキングプログラムの入ったデータディスクをコンピュータへと読み込ませる。
同時にスリープ状態だったコンピュータが復帰し、ディスクを読み込み……
ヴー、ヴー、ヴー。
マオ社全体に非常警報が鳴り響く。
ちっ、さすがにオルレアン研究所と同じ手法だけにマオ社の方でも対応が早い。となると迂闊に他のデータを引き出している余裕はないな。ヒュッケバインやビルトビルガー辺りのデータは欲しかったんだが……カウンタープログラムの類を考えると、必要最低限のデータのみで我慢するしかないか。
データを素早く検索し、ブラックホールエンジンに関してのデータを軒並み引き出す。同時にディスクをハッキングプログラムの入っているものから空のディスクへと交換してブラックホールエンジンの設計図や運用データの類を保存する。その間にコンピュータでブラックホールエンジンが保存されている場所を検索し……なるほど、地下10階か。さすがにオルレアン研究所とは規模が違うな。タイミング良くデータの吸い出しが終わり、そのディスクを引き抜いた次の瞬間……ブツンッと音を立ててたった今まで俺が使っていたコンピュータの電源が強制的に落とされる。
ちっ、ハッキングプログラムは技術部から最新のものを貰って来たってのに……対応が予想以上に早い。
チラリとステータスを表示すると、現在SPは200弱。まぁ、ブラックホールエンジンの設計データの類も丸ごと入手出来たし現物のある場所も判明した。最低限の利益は出ているからこの辺が退き時だろう。余計な欲を出せばカウンタープログラムの類で保存したデータごと破壊される可能性もあるしな。
そしてこの部屋へと向かって集まって来る気配。10……いや、20はいるな。マオ社には分からない、どんな手段で入って来たのかというのを突き止めようというのだろう。まぁ、マオ社としては当然の考えだが。
そんな風に考えつつ、いつまでもここにいるのもなんなので早速影のゲートを展開。その影へと沈み込んでいくのだった。
「……ここか」
影のゲートから出て、小さく呟く。
俺が現在いるのは、マオ社の地下10階にある一種の保管庫だ。もちろん保管庫とは言ってもただの保管庫ではない。今までマオ社が試行錯誤して作りあげてきた部品や機械の数々が収容されている場所だ。その筋の者、例えばイスルギ重工の技術者だったりしたら全てを投げうってでも入りたいと切望するのは間違い無しの場所だ。当然マオ社の重要機密が眠っているここには最大級に厳重なセキュリティが掛かっており、普通はそうそう入れるような場所ではないのだが……影のゲートを使って入ればそんなのは関係がない。
「ブラックホールエンジンは……SSS-04だな」
周囲を見回し、コンピュータから引き出した情報を頼りに素早く保管されている部品のケースに張られているナンバーを調べていく。本来なら一つ一つ吟味して有用そうな品を空間倉庫で貰っていきたいところなんだが、今の状況ではそんな事をしている余裕は無いから目標の物だけを頂いていこう。
「ここにあるのはD、あっちはC。となるとこの先に進めばよりランクの高い品がある訳だな」
呟き、床を蹴って目標のSSSの棚まで急ぐ。
ちなみに、この保管庫の中にある防犯カメラの類も俺が先程SPブーストを使った一撃で既に破壊されていたりする。スライムに視覚の類があればここに関してはコンピュータで調べるまでもなかったんだが……まぁ、無理を言ってもしょうがない。
「B、A、S、SS……よし、これか」
SSの場所を抜けて先、そこにあるのはまさにマオ社の最重要機密と言ってもいい区画だった。特に008Lに使われているブラックホールエンジンの予備的な扱いをされているものや、それを改良して作られた試作品といったものが並んでいる。
その中で俺が探しているのは最新式のブラックホールエンジンだ。俺の新型機に使うベースとなる以上は小型、高性能化されたものが望ましいからな。
そして、目的のSSS-04の場所へと到着する。
「……これか。スライムッ!」
目的のブラックホールエンジンを囲っていた強化ガラスか何かの類をスライムで斬り裂き、その中へと入る。さすがに最新式だけあって、プラズマジェネレーターよりも大分小型化されているな。
そのままブラックホールエンジンへと触れ……
「収納」
その言葉と共に、俺の目の前にあった存在は綺麗に消え去っていた。
「よし、後は脱出するだけだな」
そう呟いた時、部屋の外が俄に騒がしくなる。部屋の奥にいる状態なので、普通の人間であったのなら聞こえなかっただろう。それが聞こえたのは混沌精霊になる前から持っていた俺自身の人外染みた五感によるものだな。
「ここだ。コンピュータのデータを分析した所、侵入者はここのデータを引き出している。間違い無くここへと向かっているか……あるいは、既に中に侵入している筈だ」
この台詞から考えるに、部屋の前にいるのはマオ社の警備員達だろう。ハッキングプログラムを使ったコンピュータを分析するなりなんなりして履歴を探り、この場所が狙いだと突き止めた訳か。……優秀だな。
「カメラが破壊されている為、中の様子が不明です。この場所の重要性を考える以上は迂闊な真似も出来ませんし」
「……申し訳ないが、捕縛術に秀でている者を中心に選抜してくれ。この中にあるのはマオ社の最重要機密であり、財産でもある。迂闊な真似をして傷つける訳にはいかないんだ」
……いや、待て。この言葉が出るということは警備員じゃないな。となるともっと上の方の人物か?
「分かりました。ではそのように。……ですがユアン常務、中にいる者がどのような人物か確認できません。手口から、恐らくオルレアン研究所と同一犯だとは思われますが……」
ユアン常務? ユアン……ユアン・メイロンか!? α主人公組の1人でもあるリオ・メイロンの父親の。確かに部屋の前にいるのは上の人物だとは予想したが、予想外に上の立場の者が来たな。
まぁ、それだけこの部屋に重要機密が揃ってるって事なんだろうが。
「分かりました。では突入準備を……常務、扉を」
「うむ、いいかね?」
っと、このままここにいたら見つかってしまうな。
バイザーで顔を隠している以上は見つかってもそれ程支障はないんだが、かと言ってわざわざ騒ぎを巻き起こすのも御免だ。とにかくこのマオ社で必要な物は全て手に入れたんだから、これ以上ここにいる必要は無い。
ステータスを見ると、SPも既に350近くまで回復しているから影のゲートでの脱出にも問題無いしな。
外と繋がっている扉がピッという音を立てているのを聞きながら、扉が開く寸前に影のゲートへとその身を沈めてマオ社から脱出するのだった。
「……ふぅ」
影のゲートから姿を現し、周囲を見回す。
今俺がいるのはセレヴィス・シティにある公園の木の後ろだ。拠点として取ってあるホテルのすぐ近くにある公園であり、バルトール事件の影響や時間的に夜という事もあって俺以外には誰もいない。
「無事脱出成功、と。ベストではないがベターの結果は残せたな」
ブラックホールエンジンの実物と、その設計図に各種データ。最低限必要な物は全て入手に成功した。後はこれをホワイトスターに持っていくだけだが……
「その前にヘルゲートだな」
ラミアの件をきちんとクリアしておかないといけないだろう。戦力的にはムラタの無明にスレイのカリオン、そして俺のミロンガ。
……ミロンガか。ミロンガはどうしても性能不足なんだよな。運動性能はそれなりに高いが、それ以外の能力、特に防御力と火力の不足は圧倒的だ。……グロウセイヴァーを出すべき、か? だがそうすると俺の正体は間違い無くハガネやヒリュウ改には知られる事になる。それはなるべく避けたいんだが……いや、どのみちハガネがいる時点でアヤ、リョウト、ブリットが揃っているんだからその辺は考えても無駄か。それに戦力を出し惜しみしてラミアが原作通りの展開になったら正体云々なんて話じゃないしな。ここは思い切って使うべきだろう。ペレグリン級もいるが、あの艦はあくまでもイスルギ重工の借り物である以上は迂闊に傷を付けるわけにもいかないし。……もし下手に傷を付けたりした場合はミツコから何を要求されるやら。鵬法璽で契約したのはあくまでも意図的にシャドウミラーが不利になるような行動をしないというものである以上は、賠償金なり修理費の名目でこっちから魔法関係の情報なりマジックアイテムなりを引き出すのは可能だったりする。まぁ、契約の関係上ぼったくるような真似は出来ないが。
グロウセイヴァーを含めた3機と、ハガネ、ヒリュウ改。これだけの戦力があれば取りあえず何とかなるだろう。
久しぶりにグロウセイヴァーを使う決心をしつつ、俺はホテルへと戻るのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:195
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:426
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