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ドリトル先生と日本のお料理

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第三幕 王子の洋館その一

                 第三幕  王子の洋館
 先生は一週間の間学園の中や街を見て回りました、そのうえでお家に帰っていつも動物達にお話をするのでした。
「見て回れば回る程ね」
「いい学校なんだね」
「いい街なんだ」
「味があるよ」
 先生はにこやかに笑って皆にこうお話します。
「ここに住めて通えてよかったかもね」
「けれどまだだよね」
 チーチーがここで先生に尋ねます。
「まだお仕事ははじまってないよね」
「あと少しだけれどね」
 それでもまだなのは確かだというのです。
「まだなんだ」
「そうだよね、それじゃあ」
「はっきりとは言えないっていうんだね」
「生徒さんが問題じゃないかな」
 先生が教授を務めることになっている八条大学医学部の学生さん達がだというのです。
「先生をどう見てくれるかだよ」
「そのことだね。いい子ばかりならいいけれど」
「悪い人だっているかもね」
「そうだね、大丈夫かな」
「知り合いがいてくれるのは有り難いけれどね」
 王子達のことです、王子は今も先生を学園や街のあらゆる場所を案内してくれて説明してくれているのです。その王子達の存在は確かに有り難いです。
「日本でもね」
「そうだね、そのことはね」
「それだけでもかなり心強いけれど」 
 チーチーはさらにお話します、スーパーで貰った柿を食べながら。
「生徒の人達がね」
「どんな人達かだね」
「学園の中にいる人達はどうなの?」
 チーチーはこのことも尋ねました。
「柄の悪い人達はいる?」
「中等部とか高等部で服装が乱れている子はいたね」
 先生は学校の中で見た子達を思い出しながら答えます。
「それでも極端におかしな子はいないよ」
「それはいいね」
「おかしな先生もいないよ」
 先生の方も大丈夫だというのです。
「聞いた話だけれど日本にはおかしな先生が多いっていうけれど」
「えっ、そうなの!?」
 ジップは先生に日本にはおかしな先生が多いと聞いてです。少し驚いてそれで先生に尋ねました。顔も思わず上げて。
「日本はそうなの」
「そうみたいだね、おかしなことをする先生がね」
「多いんだ」
「おかしなことを言ったりね」
「意外だね、日本はそうなんだ」
「完全にいい社会なんてないんだよ」
 先生はジップに優しいですが少し寂しげにこう言いました。
「イギリスにもよくないところはあったし」
「日本にもなんだ」
「日本の先生達は酷い先生が多いらしいんだよ」
「それって怖いよね」
「人を教える先生がおかしいと大変よ」
 ホワイティも言います。
「おかしなことを教えるから」
「そう、それが問題になっているらしいんだ」
 先生はそのホワイティにもお話します。
「何とかしないといけないってね」
「日本も悩みがあるのね」
「いいことばかりの社会はないからね」
 悪いこともある、悪いことに対する悩みも当然としてあるというのです。
「そうなるよ」
「そうなのね」
「そう、けれどあの学園はね」
 八条学園はです、どうかといいますと。
「そこまで悪い先生はいないみたいだよ」
「それは何よりね」
「うん、同僚もいいに越したことはないからね」
 それでだというのです。 
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