『曹徳の奮闘記』改訂版
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第十話
「……ん………」
朝日の光に俺は目を覚ます。まだ6時くらいだな。
ベッドにはロッタとクロエが寝ていた。
言っとくけど俺は床で寝たけどな。ほんまだからな。(最初は椅子二つを付けて寝ていたが、寝返りをした時に落ちたので床で寝てた)
「……………」
俺は二人を起こさないように部屋を出た。
「……はぁ……はぁ……」
俺は鍛練所で腕立て伏せや背筋などの筋トレをしていた。
俺はチートじゃないから戦場で死ぬ可能性はあるからな。
いつもは焔耶達とやっているけど、今日は休みだ。
「さぁて、朝メシでも食うか」
筋トレが終わった俺は食堂に向かった。
―――食堂―――
「お、美羽、七乃。お早う」
「お早うなのじゃ長門」
「お早うございます長門さん」
食堂に行くと美羽と七乃が朝メシを食べていた。
「あ、美羽。新しく紹介したい奴がいるんだけど……」
「その紹介は昨日、長門が助けた二人かや?」
………情報はえぇなおい。
「まぁな、助けた二人は俺の親友でな。元々は西方の商人の娘なんだけど、西方で起きた戦争から一家がこっちに逃げてきたんだけど途中で盗賊に捕まったらしいんだ。それで奴隷に売られて舒邵の倉におったというわけ」
「成る程のぅ……よし、構わないのじゃ。長門の部下として上手く入れといてやるのじゃ」
「いいんですかお嬢様? そんな簡単に……」
「心配するな七乃。何かあれば長門の責任になるから大丈夫なのじゃ」
「……………(意外と腹黒いな美羽……)」
七乃の影響だろうか……。
「まぁ朝メシ食ったら会わせるから」
「分かったのじゃ」
俺は急いで朝メシを終わらして二人分の朝 メシを貰って部屋に向かった。
「朝メシだぞ~」
「遅いじゃないのッ!! お腹ペコペコよッ!!」
「文句言うなロッタ」
「済まないな」
部屋に入ると二人は椅子に座って俺の帰りを待っていた。
「一応、ここの領主には言ったら簡単に了承してくれたから朝メシ食ったら挨拶しに行くからな」
「あぁ」
「えぇ」
二人は頷いて朝メシを食べはじめた。
―――玉座―――
「お主らが長門が言っていた二人かや?」
「あぁ。右から王平と関興だ」
「「よろしくお願いします」」
二人が美羽に頭を下げた。
「うむ、妾は袁術で真名は美羽じゃ」
「私は大将軍の張勲で真名は七乃です」
「儂は紀霊で真名は零じゃ」
「私は魏延で真名は焔耶だ」
皆が二人と挨拶をする。
「私は王平で真名はクロエだ」
「私は関興で真名はロッタよ」
「ふむ。ロッタとクロエは珍しい真名じゃのぅ」
零が言う。
「まぁ二人は西方の人間だからな。俺らとは違う真名なんだろう。それに服も少し違うだ ろ?」
「成る程のぅ」
零が頷く。
「そういえば二人は武官かの?」
「うぅ~ん、クロエは武官やろなと思うけど な。ロッタも一応は戦えるけど多分、人は 斬った事無いと思うからな」
確かクロエはマイソロ3では戦争の最前線におったらしいからな。
「成る程のぅ。後でクロエと鍛練でもするかの」
「……………」
バトルマニアやろか?
「そういえば零さん。何か報告があるんじゃなかったんですか?」
七乃が思い出したかのように言う。
「おぉそうじゃ。最近物忘れがあるからすっかり忘れておったわ」
「………ボケか?」
「……長門、何か言ったかの?」
いつの間にか首下に零の薙刀がそえられた。いやマジで恐いです。
「………何も言ってません……」
「長門さん。それを言っちゃぁ……」
七乃が冷や汗をかいている。
「全く……実は先日、反乱を鎮圧したんじゃがその時の賊が頭にこのような黄色の布を巻いておった」
零が皆に黄色の布を見せた。
「ふむ。賊にしては珍しいのぅ」
「クロエさん達のところではこんなのありました?」
「い、いや。私は色んな反乱兵を見てきたが、布を巻いた反乱兵は見なかった」
「えぇ。私もそのような反乱兵は見てないわよ」
いきなり七乃から声をかけられたクロエが一瞬、言葉をつまりながら答えてロッタも首を横に振る。
………これって黄巾の乱だよな?
「まぁとりあえずは何時でも動ける部隊を作って警戒するしかないだろうな」
俺の言葉に美羽達は頷いた。
漢王朝の終わりが近づいていた。
後書き
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