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ヘタリア大帝国

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TURN116 カテーリンの資質その四

「講和の時の書記長の言葉を聞いてだ」
「最初に皆のことを言ったからですね」
「あそこで自分のことを言っていたらな」
 その時はというのだ。
「私はソビエト軍に参加しなかった」
「そうですか」
「確かにまだ至らないところは多い」
 この辺りはまだ子供だからだ、何だかんだでカテーリンはまだ子供なのだ。
 だがそれでもだ、彼女はというのだ。
「しかしそれでもだ、まず人民を守ろうとするならだ」
「大丈夫ですね」
「しかも努力家だ、その書記長ならば」
「提督もソビエト軍に参加出来ますか」
「そうだ、では私も戦わせてもらおう」
「私もです。リトアニアちゃんみたいに独立しようかなっても思いましたけれど」
 微笑んでだ、ウクライナは亜空に話した。
「止めました、カテーリンさん達と一緒にいます」
「そうしてくれるか、貴女も」
「一緒に頑張りましょう」
 こう話してだった、そうしてだった。
 ソビエトは忽ちのうちにかつての勢いを取り戻した、だがここでだった。
 モスクワに戻ったカテーリンは複雑な顔でだ、こうミーリャに言った。
「実は日本側から申し出があったの」
「申し出?」
「申し出っていうと」
「うん、日本に来て欲しいっていうの」
「来日?」
「そう、ミーリャちゃん達と一緒にね」
 来て欲しいというのだ、日本にだ。
「それであちらの帝さんとお話して欲しいっていうのよ」
「そのことがなの」
「そう、どうかなって思って」
「招待を受けようか受けまいか考えてるのね」
「帝は君主よ。それに日本は資産主義だから」
 それでだというのだ。
「確かにもう敵じゃないけれど」
「行きたくないの?」
「そこまでは思っていないけれど」
 だがそれでもだとだ、カテーリンはミーリャに難しい顔で述べるのだった。
「どうしようかしら」
「折角招待してもらったし行ってみたら?」
 ミーリャはこうカテーリンに進言した。
「悪いことはないと思うわ」
「そうなの、それじゃあ」
「ええ、それとだけれど」
「それと?」
「うん、皆戦争前よりカテーリンちゃんを応援してくれてるよ」
 ミーリャはカテーリンに彼女の人民の間での評判のことを話した。
「カテーリンちゃん講和会議の時にまず皆には手を出すなって言ったわよね」
「当たり前のことじゃないの?」
 このことについてだ、カテーリンはミーリャに何を今更といった顔で返した。
「だって、私のお仕事は皆を守ることだから」
「けれどあそこでそう言えるってことは常にそう考えてるからだよね」
 ミーリャはカテーリンににこりとして話した。
「カテーリンちゃん自身のことよりも」
「そのことが皆に認めてもらったの」
「ええ、そうよ」
 その通りだというのだ。
「だから皆前よりもカテーリンちゃんを応援してるのよ」
「厳し過ぎないとか言ってないの?」
 今はカテーリンも自覚出来た、自分のあまりもの厳しさと融通の効かなさをだ。
 だから好かれていないと思っていたのだ、しかしそれがなのだ。
「そうは」
「ううん、まだそうした意見は多いみたいだけれどね」
「それでもなの」
「そう、皆カテーリンちゃんが自分のことよりも皆のことを考えてるから」
 だからだというのだ。
「応援するんだよ」
「じゃあこれまで以上に皆の為に」
「うん、頑張ろう。いつも皆のことを考えてね」
 ミーリャは微笑んでカテーリンに話した、そうしてだった。
 カテーリンは来日を決意した、太平洋経済圏には入らないがそれでもこのことを確かに決めたのであった。 
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