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ヘタリア大帝国

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TURN116 カテーリンの資質その二

「私としては頼りになるけれど」
「ミーリャちゃんはそうなのね」
「うん、だからね」
 それでだというのだ。
「戻ってもらう?」
「先生がいてくれたら」
 カテーリンはソビエト側の代表達を見た、いつも自分の傍にいてくれている面々だ。しかし今はどうにも寂しい感じだ。
 そこまで見てだ、カテーリンは暖かさを欲しくなって決めた。
「わかったわ」
「先生に戻ってもらうのね」
「うん、先生がいてくれたら嬉しいから」
 傍にいる、それだけでだというのだ。
「私もね」
「それじゃあね」
「捕虜の方々の返還は講和条約で申し上げています」
 ここで宇垣がカテーリンにこのことを告げた。
「長官はお客人ですのでそれ以前です」
「だからいいの?」
「はい、ソビエト側さえ宜しければ」
 こうカテーリンに話す、そしてだった。
 ゲーペはすぐに会談の場に呼ばれそのうえでカテーリンの前に出た、そのうえでカテーリンに対して敬礼をして言うのだった。
「書記長、申し訳ありませんでした」
「先生に謝るのは私だから」
 カテーリンは俯いていた、彼女にしては珍しく。
 そのうえで唇を噛んでだ、こう答えたのである。
「戻ってくれて有り難う」
「書記長・・・・・・」
「戻ってくれてすぐで悪いけれど」
 カテーリンはゲーペにあらためて言った、ここでは顔を上げて。
「今講和会議だから」
「はい、それではですね」
「先生も入って、この会議に」
「書記長さえ宜しければ」
 ゲーペに異論はなかった、こうしてゲーペはソビエトに戻り早速だった。
 交渉の場についた、まずは宇垣がソビエト側に言った。
「こちらの条件ですか」
「人民の皆には指一本触れたら駄目よ」
 カテーリンが宇垣に返した最初の言葉はこれだった。
「いい?絶対によ」
「我々はソビエト領内で略奪暴行の類を行ったことはありません」
 宇垣はそのカテーリンに真面目に返した。
「このことを以て信じて頂けるでしょうか」
「これからもなのね」
「はい、御願い出来るでしょうか」
 こう言うのだった。
「それを根拠に」
「わかったわ、それじゃあ」
 カテーリンも宇垣の言葉を受けた、その言葉を信じることにした。そのうえで今度はカテーリンから言ったのだった。
「中立条約を破ったことは」
「そのことですか」
「謝罪と」
 そしてだとだ、ソビエト側の五人で少し話してから日本側に答えた。
「賠償金を払うということで」
「いえ、そのことは構いません」
 宇垣はそれはいいとした。
「我がl国はその件について謝罪も賠償も求めません」
「えっ、そうなの!?」
「はい、そして領土と捕虜の返還も無条件です」
 ソビエト側さえ認めればだというのだ。
「貴国さえ宜しければ」
「そしてです」
 今度は東郷が言う、今は外交の場なので口調も物腰も礼儀正しい。
「戦犯やそうしたこともです」
「求めないのですか」
「はい、そうです」
 こうゲーペに答える。 
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