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万華鏡

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第五十話 遂に開催その六

「やる時は絶対にやるから」
「もう帰って来たの?」
「うん、終わったよ」
 木村が来ていた、その後ろには何人かのクラスメイト達がいる。どうやら一緒に掃除に出ていた面々らしい。
 その彼等と共にだ、彼は花澄に言う。
「チェックしてきてもいいよ」
「早いわね、やるとなったら」
「しかも確実だっていうんだね」
「ええ」
 花澄はこのことは素直に頷いて答えた。
「それ自体はね」
「ううん、つまりあれだね」
「そう、いつも言ってるけれど」
「自分から進んでやれっていうんだね」
「怠けないでね」
 まさにそうしろというのだ。
「絶対に」
「やれやれ、委員長は厳しいなあ」
「だから、いつもしろとは言ってないの」
 花澄は怒った声で木村に話した、顔もそうなっている。
「まず一気にやってね」
「チェックをしてだね」
「そう、休めばいいでしょ」
「だから僕はね」
「最後まで休んでっていうのね」
「そう、時間が来たら」
 まさにその時にだというのだ。
「一気にやるんだよ」
「それでチェックもしてなのね」
「そう、そうする主義だから」
「夏休みの宿題もそうするの?」
「うん、そうだよ」
 学生の夏休みを彩るこの要素についてもだというのだ。
「最後の最後まで放置してね」
「それでその最後の最後になの」
「引き絞った弓をぎりぎりまで置いて」
 そしてだというのだ。
「一気に放ってね」
「終わらせるのね」
「それが僕のやり方だから」
「私最初にやるから」
 花澄はこちらだった、夏休みの宿題にしても。
「一気にね」
「何か二人共な」
「そうよね」
 ここでクラスメイト達は気付いた、二人の話から。
「正反対な様でね」
「結構似てるわよね」
「仕事をするのが最初か最後かってだけで」
「一気にやって他の時間は休むっていうのは」
「同じだよな」
「そうよね」
 こう話すのだった、実は二人は似ているというのだ。
 しかし花澄は木村にまだ言う、今度言うことは。
「じゃあ今日でね」
「このクラスをお化け屋敷にするんだね」
「そう、やるわよ」
 目標、それを定めた言葉だった。
「いうぃあね」
「うん、じゃあね」
 木村は今の花澄の言葉には反対しなかった、それで言うのだった。
「やろうか」
「それじゃあね、今日のうちにね」
「やろうね、迷路みたいにして」
「もう区割り決めてるわよね」
「こんなのでどうかな」
 言いながらだ、木村はお化け屋敷のマッピングを出してきた。そのうえで花澄に対して真剣な声で言うのだった。
「ちょっと見て」
「ええ」
 花澄も応えて見る、そして言うことは。
「いいと思うわ」
「これでいくんだね」
「ええ、よく出来てるわ」
 その迷路の様にした区割りと出て来る妖怪や幽霊の配置もだというのだ。 
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