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ヘタリア大帝国

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TURN115 オリジナル対クローンその八

「戦うのです!絶対に!」
「ですが最早」
「これ以上は」
「そんな・・・・・・皆どうしたの?」
「カテーリンちゃん、石が」
 モニターにミーリャが出て来た、強張った顔でカテーリンに言って来た。
「粉々になって」
「えっ!?」
「もうなくなっちゃってるよ」
「そんな、さっき壁にぶつけた時に」
「どうしよう、石がないから皆話を聞いてくれなくなったのよ」
「ここで退いたら」
 どうなるか、カテーリンは真っ赤になっていた顔を真っ青にさせて言った。
「共有主義が、皆が平等に暮らせる社会が」
「なくなっちゃうわよね」
「どうすればいいの!?皆が言うことを聞いてくれなくなったら」
「枢軸軍が降伏を打診してきています!」
 ここで報告が入った。
「そうすれば早速身の安全を保障すると!」
「だから駄目よ!」
 カテーリンは今もすぐに叫んだ。
「それだけは、絶対に!」
「ですが同志書記長!もう限界です!」
「ですから!」
 こう叫んでだ、彼等はだった。
 次次に、まさに雪崩を打つかの様に枢軸軍の方に流れていった、降伏を受諾するというサインを出したうえで。
「皆待って、待ちなさい!」
「同志書記長、申し訳ありません!」
「投降させて頂きます!」
 彼等はカテーリンに謝罪しながら動きを止めていく、そして忽ちのうちに。
 ソビエト軍で残っているのはカテーリンとミーリャ、そしてロシア兄妹のそれぞれの直属艦隊だけとなった、しかもその彼等もだった。
 かなりの数がダメージを受けていた。その将兵達も浮き足立っているのは明らかだった。
 その彼等も見てだ、ロシアはカテーリンに言った。
「もうここはね」
「祖国君もそう言うの!?」
「残念だけれどね」
 ロシアは顔を俯けさせて実際にそうした顔になった、そのうえでの言葉だった。
「惑星まで退こう、そこでね」
「枢軸軍とお話するの?」
「そうしよう」
 こうカテーリンに話すのだ。
「もう戦闘は意味がないよ」
「けれどここで負けたら」
「後は外交だよ」
 それの話になるというのだ、だからだった。
「僕達もいるから」
「ですからここは」
 ロシア妹も言う、そしてミーリャも。
「ここは祖国君達と一緒に行こう」
「ミーリャちゃんもそう言うの?」
「うん、政治もカテーリンちゃんのお仕事だし」
 むしろそちらが彼女の主な仕事だ、それにだというのだ。
「それにあたろう」
「負けたけれど皆絶対に守るから」
 カテーリンは石のことを完全に忘れて言っていた。
「そうするからね」
「うん、じゃあ今はね」
「全軍惑星エカテリンブルグまで撤退です」
 遂にカテーリンは生涯で最初の撤退の命令を出した。
「そして外交交渉の用意を」
「了解」
 こうしてだった、ソビエト軍は敗北を認め遂に宇宙から姿を消した、そしてだった。
 多くの投降兵達も迎え入れた枢軸軍はまずは勝利を実感していた、その中でだ。 
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