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STANDING ON THE RAINBOW

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第二章


第二章

 リーダーは最後にだ。俺に顔を向けて問うてきた。
「それでいいな」
「ああ、いい」
 俺はこくりと頷いた。それだけだった。
「七人で伝説になろうぜ」
「メインヴォーカルとして頼むぜ」
「俺だけでやっていってる訳じゃないしな」
 俺はこのことはよくわかっていた。俺だけでここまで来た訳じゃない。七人全員いたからこそだ。ここまで来れたってことはわかっていた。
「七人でな。絶対にだ」
「伝説になるからな」
「ああ」
「それじゃあ」
 七人で頷き合った。この時から俺達は俺達の歌ではじめた。そうしてだ。
 毎日コンサートにツアーにテレビに自分達の音楽を作ってだ。忙しい日々だった。けれど俺達はいつも一緒だったし楽しくやっていた。
 それでだ。いつもだった。
 マスコミやファンに囲まれてだ。フラッシュの嵐だった。
「うわっ、いきなりかよ」
「眩しいな、おい」
 今日もフラッシュを浴びてだ。思わず言ってしまった。
「流石にいきなりなのはな」
「ああ、困るな」
「全くだよ」
 思わず苦笑いになる。目にフラッシュが入った。
 けれど悪い気はしない。俺はこう仲間達に言った。
「やっぱりな」
「いいものだよな」
「スターになった証っていうかな」
「そうだよな」
 こうそれぞれで言い合う。
「ただな、やっぱりな」
「これで終わりじゃないからな」
「ああ、そうだ」
 ここでまたリーダーが言ってきた。何かあると手綱を締めてくる頼りになる存在だ。
「俺達自身の歌も認められた」
「けれどそれでもまだ」
「まだあるのか」
「そうだ、まだまだ先はあるんだ」
 リーダーの言葉は真面目だ。そのものの言葉だった。
「わかったな」
「ああ、それなら」
「今は」
 こんな話をしてだった。俺もここで言った。
「言ったよな。伝説になるってな」
「伝説か」
「それか」
「ああ、そうだ。伝説になるんだ」
 こう話す。本気だった。
「わかったな」
「ああ、それなら」
「こんなことで得意になったらいけないな」
 七人で言い合う。そうしてだった。
 俺はファンの娘にサインをしながらだ。六人に言った。
「皆も書いてくれ」
「あっ、俺達もか」
「サインか」
「ああ、頼む」
 こう六人に言った。
「だから。いつも一緒だろ」
「一緒か」
「それでか」
「ああ、だからだよ」
 俺はこう言ってだ。まずはそのファンの娘に笑って断った。
「俺だけじゃなくてさ、全員でいいかな」
「あっ、はい」
 女の子は俺の言葉を受けてだ。笑顔で話す。
「御願いできますか?」
「うん、いいよ」
 俺は笑顔で応えた。女の子もそれでいいというのだった。
 
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