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dark of exorcist ~穢れた聖職者~

作者:マチェテ
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第3話「優しい悪魔狩り」

ーーー【汚水処理区画】


汚水処理区画の奥からその姿を現した、3体のゴブリン。
ゴブリン達はアイリスとクリスを見つけ、笑うように牙を剥き出した。

「右に2体、左に1体………アイさん、左を頼みます」

「うん」


その言葉を合図に、ゴブリン達は2人に襲いかかってきた。

「ギャハハハハハハハハハハ!!」

汚い笑い声を上げながら、1体のゴブリンがアイリスを噛み殺そうと走ってきた。






ガンッ!



鳴り響いた鋭い銃声。空薬莢が虚しく地面に落ちた。

「ギガガッ………ゲゲッ…………」


左脳を撃ち抜かれたゴブリンは、あまりにも呆気なく絶命した。

「ギガガァァァァァァ!!」

仲間が殺されたことに腹を立てたのか、残る2体がアイリスに襲いかかる。


「そうはさせませんよ」

クリスがアイリスの前に立ち塞がり、2体のゴブリンの頭に回し蹴りを見舞った。

「ゴガッ!?」

「グギッ!?」

2体は揃って壁に叩きつけられた。
クリスは2体のゴブリンに立ち上がる間を与えず、追い討ちの踵落としを食らわせた。

グシャッ


鈍い音を立て、ゴブリンの頭が潰れた。
残る1体は紙一重で回避し、アイリスの元に走っていった。

「グガァァァァ!!」

「アイさん!1体そっちに!」


アイリスは無言でゴブリンを眺めている。




「おいで。君の償いを手伝ってあげる」



アイリスは銀色のベレッタM9を両手に2挺ずつ持ち、ゴブリンに2つの銃口を向ける。


ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!


ゴブリンの両腕、両脚、胴体、頭を撃ちまくる。

ゴブリンは反撃も苦悶の声をあげることも出来ず、そのまま原形を留めない状態で絶命した………




















ーーー【民家・庭の前】


「今日も結果は上々でしたね」

「………うん」

アイリスは悲しげな表情を浮かべている。クリスはそんなアイリスの様子に気付き、心配する。

「………大丈夫ですか?アイさん」

「うん………ねぇ、クリス君」

「はい」




「悪魔って………なんだか悲しい生き物、だよね……」









他の悪魔狩りがこの言葉を聞けば、アイリスを間違いなく変わり者だと言うだろう。
悪魔は人間にとって、最も忌むべき存在として扱われている。
それは、"悪魔の末裔"と呼ばれるフォールマンも例外ではない。
クリスも、アイリスと悪魔を狩る"仕事"をするまでは、他の人間から嫌われていた。

だからこそ、アイリスのようにフォールマンを相棒にする悪魔狩りは、世界でもかなり珍しい。

















「悲しい生き物、ですか………アイさんは珍しいことを言う人ですよね」

「でも……クリス君のこともあるし…………」

「仕方ないことだと思いますよ。"人間は悪魔を忌むもの"ですから」

「………でも……」


忌むべき存在を倒した後に暗い表情を浮かべる悪魔狩りがいるだろうか。

「アイさんは優しい人ですから……アイさんのような人はなかなか珍しいと思いますよ?」


「さぁ、行きましょう。美味しいものでも食べて一旦"僕達の家"に帰りましょう」



「……うん、そうだね」


再び明るい表情になったアイリスは、先を歩くクリスの後ろへ駆け寄っていった。 
 

 
後書き
どうも上手くいかないなぁ……
う~ん……… 
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