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戦場のメリー=クリスマス

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第四章

 ジョーンズの言葉通りだった、クリスマスもだった。
 三人は軍曹に呼ばれてだ、こう命じられたのだった。
「今回は三人一緒だ」
「輸送任務ですね」
「それですね」
「ああ、前線までな」
 届けてくれというのだ。
「いいな」
「わかりました、三人で、ですね」
「今から」
「俺も行く、四人だ」
 軍曹もだというのだ。
「俺もトラックを運転する、四台のトラックでな」
「前線まで、ですか」
「行くんですね」
「そうなる、じゃあいいな」
「わかりました」
 三人は軍曹の言葉に敬礼で応えた、そして。 
 オズバーンはだ、やれやれという笑顔でこう軍曹に言うのだった。
「やっぱり仕事でしたね」
「ああ、戦争だからな」
 軍曹もこうオズバーンに返す。
「仕方ない」
「ですね、女の子も」
「基地の外にはイタリアの可愛い娘達がいるんだがな」
「いやあ、イタリア女は強いですから」
 オズバーンはイタリア女、基地の外にいる彼女達については苦笑いで述べた。どういったものかということを。
「ちょっとからかったら肘鉄ですから」
「アメリカ女も怖いがな」
「はい、イタリア女はちょっと」
「御前の趣味には合わないか」
「やっぱりアメリカ女がいいですよ」
 オズバーンは苦笑いのままで軍曹に言う。
「まあ娼館は行きますがね」
「そっちはな。まあとにかくな」
「はい、四台のトラックで」
「それぞれが一台ずつ運転する」
 四人で四台だ、そうなるのは当然だった。
「いいな、それで」
「わかりました、じゃあ」
「今から」
「もうものはトラックに積んであるからな」
 用意のいいことにだ、それは済んでいるというのだ。
「すぐに乗り込むぞ」
「了解」
 三人は敬礼で軍曹に応えた、軍曹も敬礼で返した。そうしてだった。
 四人はすぐに前線に向かった、道中はでこぼこしている道で揺れたがそれでもだった。
 敵もおらず平和に進めた、しかし。
 休憩の時にだ、四人は車から降りて携帯食である缶詰を食べていた。その缶詰のスパムを食べつぶやくオズバーンだった。
「クリスマスもこれかよ」
「ああ、スパムな」
「これな」
 ジョーンズとリックも食べている、そのうえでの言葉だった。
「本当に飽きるな」
「いつもいつもだからな」
「これだけは絶対にあるよな」
「それも毎日な」
「何でこんなにあるんだよ」
 オズバーンはうんざりとした顔で言う。
「スパムはな」
「それはもう諦めろ」
 軍曹もだった、面白くないといった顔でスパムを食べつつ言うのだった。
「スパムはな」
「我慢して食えっていうんですね」
「イギリス軍を見ろ」
 軍曹もまた彼等のことを言うのだった。 
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