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久遠の神話

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第六十三話 明かされる秘密その七

「本当に」
「そうですか、そしてこの戦いをですね」
「終わらせなければなりません」
 必ずだというのだ。
「何があっても」
「具体的にはどうして終わらせるべきでしょうか」
「それはこれからです」
「これから?」
「これから考えることです」
 こう上城に話す。
「全ての剣士が揃ったところですし」
「これからですか」
「はい、これからです」
 また上城に話す。
「全ては」
「そうですね、これから考えていきましょう」
 大石が答えた。
「そうしましょう」
「これからですか」
「はい、そうです」
「何か行き当たりばったりの様な」
「人は知る範囲でしか出来ません」 
 マガバーンは一つの真理を出した。
「私達もそれは同じです」
「じゃあ行き当たりばったりじゃなくて」
「私達の出来る最善を尽くしているだけです」
 それに尽きるというのだ。
「それを今からするのです」
「そうなんですね、それじゃあ」
 上城は意を決した顔になって頷いた、そして。
 大石もだ。確かな顔になってこう言った。
「必ず戦いを止めましょう」
「私にも考えがありますし」
「考え?」
「考えっていいますと」
 二人はここでこう言ったマガバーンに問うた。
「それは何ですか?」
「考えっていいますと」
「それぞれの剣士に願いがありますね」
 言うのはこのことだった。
「それを手に入れる為に戦っていますね」
「はい、そうです」
 上城はマガバーンに対してその通りだと答える。
「そのことは」
「ならばその願いが適えば」
「戦う理由はなくなる」
「そういうことですか」
「私達の出来る限りでそれをすれば」
 それでだというのだ。
「戦いを選んだ剣士の方々は戦うことを止められるでしょう」
「それではそれぞれの剣士の戦う目的を知ることも重要ですね」
 大石は願いを知ることから言った。
「まずは」
「はい、それがはっきりしない剣士の方もおられますね」
「そうですね、確かに」
 そしてその彼とは。
「中田君もそうですね」
「中田さん本当は戦いたくないですよね」
 樹里もこのことはよくわかった、それも痛いまでに。
「そうした剣道はお嫌いですし」
「そうだよね、中田さん剣道は活人剣って言っておられるから」
 上城は樹里のその言葉に応えた、中田は確かに活人剣を言っている。彼の剣道は暴力ではないことは紛れもないことだ。
「剣で人を倒すことは」
「ないって言っておられるから」
「矛盾しているね、前から思っていたけれど」
「ええ、けれどそうしても戦わないといけない理由は」
 それは何故なのか、樹里も考えていく。 
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