万華鏡
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第四十九話 準備期間の朝その四
「わかったわね」
「はい、じゃあ部活の方もクラスの方も」
「頑張ります」
部員達も応える、こうしてだった。
彼女達は部活の方の準備をしてそしてクラスの方も頑張った、それぞれ部長達に告げて自分達のクラスに向かう。
琴乃もだ、とりあえずプラネッツの受け持ちが一段落してから四人に言った。
「これで一段落終わったし」
「それでよね」
「今からなのね」
「うん、クラスに戻ってね」
そしてだというのだ。
「自分のクラスの準備してくるから」
「行ってきなよ、あたしもそろそろ行こうと思ってたんだよ」
美優が琴乃に微笑みを向けてそれで背中を押した。
「一段落したしさ」
「そうよね、それじゃあね」
「ああ、じゃあクラウン一旦な」
「私はちょっとね」
里香は少し微笑んでそのうえでこう言うのだった。
「休んでいくわ」
「疲れたの?」
「喉が渇いて」
それでだとだ、里香は琴乃にその微笑みで話した。
「ちょっとお茶飲んでからね」
「ここお茶はないわよ」
景子がその里香にこう言って来た、
「残念だけれどね」
「あれっ、麦茶なかったかしら」
「全部飲んだわよ」
それでないというのだ。
「今朝ね」
「そうなの」
「ポカリスエットならまだあるわよ」
「じゃあそっちをね」
貰うとだ、里香はこう景子に応えてだった。
そうしてだ、四人にあらためて言った。
「ちょっとポカリスエット飲んでからね」
「自分のクラスに戻るのね」
「そうするのね」
「そうするから」
こうして里香は一杯飲んでからクラスに戻ることにした、四人は部長に一言言ってそのうえで自分達のクラスに戻った、当然琴乃もだ。
廊下もカオスだった、皆それぞれ鋸だのハンマーだのを手に作業をしている。絵の具でかなり汚れている者もいる。
廊下にも絵の具が零れている、その彼等の言葉は。
「急がないとな」
「ああ、全然進んでないからな」
「文化祭までもうすぐだぜ」
「急がないとな」
「間に合わないぜ」
こう話しているクラスもいた、そうした話を聞いていると琴乃は自分のクラスが不安になった。間に合いそうかどうか。
そうした不安を感じながらクラスの前まで来た、するとここでもだった。
皆廊下まで出て作業をしている、男も女もそれぞれ大工道具を持っている。そうしてトカトントンとやっている。
女子の一人が廊下で鋸を挽いているのを見てだ。琴乃は彼女に声をかけた。
「大丈夫?」
「ああ、おかえり」
その娘は自然の顔で琴乃に顔を向けて応えてきた。
「部活から戻ったのね」
「うん、今ね」
「そうなのね、それじゃあね」
「あんた鋸使ってるけれど」
ここではだ、琴乃は彼女自信にこのことを言った。
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