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ヘタリア大帝国

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TURN111 二つの切り札その三

「イタリン軍の基準じゃなくてこの艦の基準でな」
「もうそうじゃないと駄目だよね」
「ああ、寒いにも程度があるんだよ」
「幸い防寒設備はあるから」
 第八世代の艦艇の長所だ、どの艦にも防寒と防塵の設備があるのだ。
「それじゃあね」
「もっと利かせろ、キューバみたいに暑くしろ」
「わかったブーーー」
「もうこれは耐えられないブーーー」 
 ポルコ族の面々も自分達の祖国達に応える、彼等は何とか寒さを凌ごうと悪戦苦闘していた。そして対する連合軍はというと。
 ソビエト軍の兵士が水筒の中のウォッカを飲みながら同僚に言っていた。
「船の暖房効かせてるよな」
「ああ、ちゃんとな」
「それでこれかよ」
「そうだよ、この寒さだよ」
 同僚もウォッカを飲みながら応える。
「冬将軍の寒さだよ」
「本当に凄いな、この寒さは」
「寒いだけじゃないだろ」
「ああ、モニターもな」
 見れば視界はかなり酷いものになっていた、銀河に吹雪が吹き荒れていた。
「これじゃあ敵もな」
「狙い撃ち出来ないな」
「その為にスノーさんに来てもらったけれどな」
「この吹雪で敵の攻撃を妨害して」
「それでこっちはニガヨモギとパイプオルガンでまとめて潰すからな」 
 そうした作戦だったからだった。
「あえて出撃してもらったから」
「ここはな」
 こう話すのだった、それぞれウォッカを飲みながら。
「じゃあここは頑張ってもらうか」
「そうだよな」
 こう話しながら枢軸軍を待ち受けていた、今彼等は干戈を交えようとしていた。
 その中でだ、東郷はハニーとのぞみに言っていた。
「あんた達は潜水艦艦隊と共にニガヨモギとコンドラチェンコ提督の方に向かってだ」
「そしてだホーーー」
「私達はコンドラチェンコ提督の艦隊を攻撃してですね」
「まずは彼を倒してくれ」
 そうしてくれというのだ。
「そしてそれからだ」
「ニガヨモギの攻撃を引きつけるホーーー」
「そうしますね」
「ああ、そうしてくれ」
 こう二人に言うのだった。
「まずはな」
「それでニガヨモギの攻撃が全軍に至るのを防ぎますね」
「あの攻撃が全軍に来たら終わりだ」
 その判断からのことだった。
「だからだ」
「わかったホーーー、挑発は任せるホーーー」
 ハニーはこう東郷に話した。
「そういうのは得意だホーーー」
「ハニーさん達の艦のバリアならニガヨモギの攻撃を受けても大丈夫だ」
 それだけ強力なバリアだというのだ。
「だからニガヨモギを引きつけることは君達に任せる」
「わかったホーーー」
「それでは」
「そしてだ、潜水艦艦隊でだ」
 続いて彼等でだというのだ。
「ニガヨモギを集中攻撃してくれ」
「ああ、わかったぜ」
 潜水艦を率いる田中が応える。
「そっちは任せろ」
「宜しくな、さて」
 ニガヨモギのことを決めてからだった、東郷は吹雪の中連合軍がいる場所を見た。 
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