| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レインボークラウン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十一話

               第八十一話  七人になるのか
 華奈子は登校してから春奈のところに行った、そのうえで彼女にこう尋ねた。
「あたし達今六人よね」
「ええ、今まではね」
「けれどね、亜美ちゃんが来たから」
「七人になるわね」
「そうよね、七人よね」
 このことについて言うのだった、
「これからは」
「それがどうかしたの?」
「いや、ちょっとね」
 華奈子は微妙な顔で春奈に話す、今華奈子は春奈の席の前の席の椅子を借りて座り合って話をしている、その中での言葉だ。
「これまで六人だったじゃない」
「それで七人になることがなのね」
「楽しみだけれど」
 それでもだというのだ。
「ちょっとだけ、ほんのちょっとだけれど」
「何かあるの?」
「不安なのよね」
 こう言うのだった。
「微妙にね」
「そう言っても最初は華奈子ちゃんだけだったでしょ」
 ここでこう言う春奈だった。
「魔法をはじめたの」
「うん、お家で魔法の本を読んでね」
「それで塾に通ってだったわよね」
「最初は凄く楽しみだったわ」
 はじめて塾に通った頃のことだ。
「もうどんな凄い魔法使いになれるのかってね」
「そうでしょ、けれど今はなのね」
「ほんの少しにしても」 
 量としても僅かだがそれでもだというのだ。
「不安なのよね」
「ううん、楽しみでもなのね」
「何かね、どうしてかしらね」
 これまでの華奈子にはないことだった。
「そういう感情があるのよ」
「今までの華奈子ちゃんとは少し違うわね」
「どうしてかしらね」
 やはり事情がわからないという顔だった。
「それは」
「私も少し不安だけれど」
「春奈ちゃんもなの」
「亜美ちゃんはいい娘みたいだけれどね」
 このだけれど、が問題だった。
「本当にそうなのかしらってね」
「確信がないのよね」
「ううん、どうすればいいかしら」
 逆にだった、相談を受けた春奈も言うのだった。
「今は」
「わからないわよね」 
 こう言うのだった、二人で。
 このことは華奈子と春奈だけではなかった、クラウンの他のメンバーも亜美がどんな娘なのかまだ完全によくわからず不安を感じていたのだった。


第八十一話   完


                   2013・11・19 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧