『ポケスペの世界へ』
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第六話
『ヤマブキ~ヤマブキ~。お忘れ物が無いよう御注意下さい』
アナウンスの言葉と共に私はヤマブキのリニア駅に降りる。
「ふぅ………」
私はポケギアに付いたピカチュウのストラップを見た。
ショウさんに渡され、初めて男性からプレゼントされた物………。
「見返りは私の電話番号ですけどね」
ピカチュウのストラップを貰った時、私の電話番号が書いた紙をこっそりとショウさんのポケットに入れましたわ。
「フフ……。ビックリするでしょうね」
私は思わず笑ってしまう。
「さて、タマムシに帰りましょうか」
私はヤマブキシティ駅の改札口を出ました わ。
―――コガネジム―――
「うわあぁぁぁーーんッ!! 負けてもう たぁぁぁーーーッ!!!」
コガネジムに大音量の泣き声が響く。
「ゴメンね。アカネがああなるとしばらく泣き止まないの」
俺の近くにいたミニスカートのアスカが説明してくる。
さて、何故レギュラーバッジを手に入れたはずやのに俺はジム戦をしている理由はただ単にアカネがジム戦をしたいとの事や。
「ウチが負けたみたいやんかッ!!」
そう言ってきたので、ジム戦になったわけ や。
まぁ結果的に俺が勝ったんやけど、ミルタンクはマジヤバかった。
金銀クリスタルのミルタンクのメロメロ→ころがる→メロメロ→ころがるのパターンでトラウマ並やからな俺は。(てか、他の人もおるはずや)
てかコイツ、骨折してんのに上手く泣ける な。
「うわああぁぁぁーーんッ!!!」
相変わらず泣いてる………何かイラついてきたな。
「アスカさん。すみませんがこの泣き虫、少し借りるで?」
「え? いいわよ」
案外簡単に了承が来たな。まぁええや。
「ほらこいアカネ」
「な、何すんねんッ!!」
「じゃあかましいわッ!! 来いったら来い やッ!!」
俺は思わず怒鳴るがええや。
アカネの泣き顔は意外と可愛いと思うな。
「ほらよ」
俺はアカネにクレープを渡す。
「……ありがとな」
「お前が泣き止まんからこうなったんやろ が……」
「何やてッ!!」
「事実やろが………」
「グ………」
アカネは俺の言葉に言い返されなかったん か、クレープを食べだす。
「お、意外と美味いやんこのクレープ」
「クレープ屋に謝ってこい」
俺はアカネにツッコミを入れる。
「……あんた、意外とおもろいな」
「阿呆ぬかせや。俺は何時でもおもろいわ」
俺はピカチュウにアイスを渡す。
ピカチュウは嬉しそうにアイスを舐めてい る。
「……ゴメンな。ウチが泣いたせいで、あんたに迷惑かけてもうた……」
「んなもん気にすんな。悔しかったら泣くのは普通や」
「……ありがとな……」
………あれ?フラグやろか……。
「んじゃぁウチはジムに戻るわ」
「もうええんか?」
「クレープ奢って貰ったしな。あ、後一個買ってええか?」
「………太るで」
「アカネチョップッ!!」
ビシィッ!!
「アダッ!?」
アカネにチョップされてた。痛いな。
「女の子にそんなん言うなッ!!」
「女の子? 男やろ?」
「アカネチョップッ!!」
「やから痛いって言うてるやろッ!!」
「あんたがいらん事言うからやろッ!!」
煩いな。事実やろが……。
「はい、クレープ」
「……ありがと……」
俺は新しいクレープをアカネにあげた。
「今度こそジムに帰るわ」
「あぁ。またジム戦しよな」
「……次は負けへんからな………」
アカネはそう言ってコガネ百貨店を後にし た。
「……俺も行くか……」
俺もコガネ百貨店を出て、チャリに乗って35番道路に向かう。
「ポケギアで音楽聞きながら行くか」
俺はポケギアの音楽をつける。
「……そういや、エリカからいつの間にか電話番号貰ったな……」
ストラップのお返しやろか……。
「まぁええや。登録しとこ」
俺はエリカの番号を登録してラジオをつけ た。
『臨時ニュースをお送りします。繰り返します臨時ニュースをお送りします。本日正午、エンジュシティでマグニチュード8クラスの地震が発生しましたッ!! また、原因不明の大規模な地盤沈下が発生した模様です。現在、住民の避難が始まっています。くれぐれも被害区域へは近づかないようして下さい』
物語は急速に速まった。
後書き
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