八条学園怪異譚
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第四十八話 薔薇園その十七
「ウエストが六十でね」
「スタイル、かなりいいですね」
「それですと」
二人は胸のサイズとウエストを聞いて言った。
「グラビアアイドル並ですね」
「凄いですね」
「ヒップ八十八よ」
最後のサイズはこれだけだというのだ。
「凄いでしょ」
「はい、本当にグラビアアイドル並ですね」
「凄いですね」
「で、カップはGよ」
そのサイズの話もされる。
「もうね、顔もいいから凄いことになってるわ」
「というかそんな人だともてそうですね」
「男の人達から」
そのスタイルで顔もいいと聞いてだ、二人はすぐにこう思った。
しかしだ、茉莉也はにやりと笑ってこう二人に返したのだった。
「甘いわね」
「えっ、それでもですか」
「もてないんですか」
「じゃあ性格が、ですか」
「問題があるんですか」
「性格自体はいいのよ」
その娘の性格についてもだ、茉莉也は話した。。
「愛嬌があって明るくてね。可愛い性格してるのよ」
「じゃあ普通にもてますよね」
「それでもですか」
「百合趣味があってちょっと変態なのよ」
何故もてないのか、茉莉也は話した。
「これがね」
「って先輩と一緒ですか」
「同じタイプなんですか」
二人は茉莉也の話を聞いてこう言った。
「それで、ですか」
「そういうことだったんですね」
「というか私が変態って何よ」
「それよく言えるわね」
ここでだ、精霊が二人にクレームをつける茉莉也に言ってきた。
「ある意味感心するわ」
「感心って?」
「今あんたの左手はどうしてるの?」
「どうって。見ての通りよ」
ワイングラスを持っている、グラスの中には薔薇色の色を見ただけで実に美味そうなワインがなみなみと入っている。
そのワインを見てだ、茉莉也は答える。
「飲んでるわよ」
「じゃあ右手は?」
「右手?」
「そう、右手よ」
その右手はどうかというと。
精霊の胸を前から掴んでいた、堂々と鷲掴みにして揉みしだいている。精霊は揉まれながら茉莉也に問うたのである。
「全く、手が空いていればこうしてくるんだから」
「これ位普通のスキンシップでしょ」
「何処がよ」
百合だというのだ。
「それでよくその娘のことを変態とか言えるわね」
「駄目かしら」
「駄目じゃないけれどよく言えるわね」
精霊は咎める顔でまた茉莉也に言った。
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