トライアングラー+α
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六話
「はぁ…はぁ…」
歌うというのは、見た目以上に、体力を使うのだ。シェリルは、一回一回のライブに、命を捧げるかのように、歌う。
「グレイス!ギャラクシーは?」
「押されてるみたいね…」
フンと鼻を鳴らし、ドリンクを飲み干すと、さっさと次の衣装に着替える。
「アイツなら…大丈夫よ!」
「さて…アイツとはどっちのことかしら?」
グレイスかて、シェリルのマネージャーだ。アルトと、バリーのことぐらい把握している。
言われてシェリルも、顔を赤くしてごまかす。
「アイツら!SMSなら大丈夫よ!!なんたってアタシが雇ってんだから!さぁ次行ってくるわ!」
「スカルリーダーより各機!フロンティアに入ったバジュラは、ルカ以外のスカル小隊で駆逐することになった!存分に暴れてもいいが、反応弾の使用及び、むやみな発砲はするな!わかったな!」
「ラジャー!」
スーパーパックをパージして、穴からフロンティアに進入した。
みると、バジュラはすでに市街地へと進行していた。
「アルト!旦那!そっちを頼んだ!俺はあっちの緑のをやる!」
そうすると、カマキリを連想させるバジュラに突っ込んでいった。
「まったく…化け物だよ!アンタは!」
「無駄口を叩いてる暇があったら警戒をしろ!くるぞ!」
交戦開始だ。
「オラオラオラ!!」
バジュラの堅い殻をものともせず、ナックルを打ち込むと、表皮みたいなものが見えた。
そこに白鞘を刺す。
「一体撃破!次!」
(なんとかシェリルのライブ会場に行く前にくい止めないと!)
そんな思いとは裏腹に、バジュラはさらに数を増やし、突撃してくる。
「やばい!シェリルのところへ!あそこには…ランカも!バリーさん!」
「わーってるよ!」
すぐさまファイターになり、シェリルがライブを行っているステージへと向かった。
『みんな!最高よ!』
「やっぱりシェリルさん…カッコいいなぁ…うっ!」
ズクンとランカの腹部が光り出す。
「痛い…これって…」
ふとランカが顔を上げると、真上では、バジュラが飛んでいた。
「バジュラ!?アルト君!お兄ちゃん!」
観客がバジュラに気づくのも時間の問題だった。すぐさま非常事態宣言が出され、パニックになった客が我先にと避難していた。
「くっ…アルト君…」
ランカは腹部の痛みで動けずにいた。
『ランカ!』
そこに、アルトのバルキリーが、ガウォークで、現れた。
「アルト君!」
「そこでじっとしてろ!今なんとかするから!」
ガトリングで乱射するが、一向にあたらない。
「シェリル!」
「バリー!!どうなってんのよこれ!」
「どう見たってバジュラだろうが!ここは危ないから避難しろ!」
「嫌よ!まだ私のライブは終わってない!」
「バカヤロウ!命とライブどっちが重要なんだよ!クソっ!」
会話の途中で、バジュラが突っ込んできた。バリーのバルキリーと、取っ組み合いになるような形になった。
そのバジュラの腹にゼロ距離でガトリングを打ち込むが、中々倒れてくれない。
「うぉぉぉ!!」
最後にとどめのナックルで沈めた。
「…シェリルは!あのバカ…!」
当のシェリルはというと、ステージの後方に走っていくところだった。
「どうなっても知らんぞ!」
シェリルを守る為には…この戦いを早く終わらせなければならない。
「シェリルさん!?」
「アイツ!バリーさんにピックアップされたんじゃ…」
ステージを疾風の如く走るシェリルに、アルトのバルキリーに乗ったランカが、気づいた。
「ハァ…ハァ届けるのよ!歌を!」
「シェリルさん…もしかして…歌おうとしてるのかも…アルト君!降ろして!」
「バカ言え!そんなことしたら…」
「いいから!」
ランカには珍しく、強い口調で放った。
「…仕方ないな…シェリルの所に降ろすぞ!」
そうすると、バルキリーをステージ後方、シェリルが歌う場所へと向かわせた。
「アルト…バリー…この宙域にいる皆…」
スッとマイクを構える。
「アタシの歌を聴け!!!!!」
シェリルノーム、特別ライブの開催だ。
♪~♪~♪~♪~♪~♪
「やっぱり!シェリルさん歌ってる!シェリルさん!!」
「ランカちゃん!さぁ…乗ってくわよ!」
♪~♪~♪
「歌だと?」
「それにコノ声…ランカちゃん!」
「旦那!何でかしらねーが、ランカちゃんの歌でバジュラが弱ってる!ここらで幕引きと行こうや!」
「そのようだな…アルト!バリー!お前らに任せるぞ!最後の仕事だ!」
『おう!!』
ランカリーと、シェリルノーム。二人の歌姫の活躍で、沈静化したバジュラを、SMSスカル小隊が駆逐した。
しかし…フロンティアの被害は甚大で、復興を余儀なくされた。
後書き
さすがに、歌は載せたらだめなので、記号で済ませてしまいました…
臨場感が伝わらないかもしれませんが、どうかご容赦ください…
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