この世界はヒーローが大勢いる!
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A bolt from the bule(青天から稲妻)
イワンに別れた俺達五人は地域ヒーローの説明を受けるためにヒーローアカデミーの学園長室に訪れた。学園長室につくとアーチャーが代表してドアをノックする。
「学園長、アーチャーです」
「エドワード・ケディです」
「キャスターです。呼ばれたのでやって来ました」
「セイバーだ」
竜蔵寺砕、きました。
「おお、よく来てくれたね。入りたまえ」
ドアの向こうから学園長が入る許可を出してくれたのでさっそく学園長室に入ると、「TIGER&BUNNY」に登場した学園長が笑顔を浮かべて俺達を迎え入れてくれた。
「いや、五人ともよく来てくれたね。まあ、立ち話もなんだからそこに座ってくれないか」
学園長に言われ、俺達は来客用のソファーに腰かける。へぇ、中々座り心地いいな、このソファー。
「それにしても我が校の卒業生がいきなり、それも五人も地域ヒーローに選ばれるなんて……。あと、ここにはいないが君達と仲が良いイワンもヘリペリデスファイナンスの契約ヒーローに選ばれるとは……君達は我が校の誇りだよ。我が校は今まで多くのヒーローを世に送り出してきたがそれでも……」
「が、学園長。そ、それよりも私達が派遣される地域について説明をしてもらえませんか?」
学園長の話を遮るアーチャー。
ナイスだ、アーチャー。学園長って話始めると長いんだよな。というか何で学校の先生って、全員話が長いのだろうか?
「ああ、そうだったね。すまなかった。君達の派遣先なんだけどね、君達は『S市』の『杜王町』という所で一年間地域ヒーローをしてもらうことになったから」
S市? シュテルンビルドも確かS市にあったよな? というかS市の中心である都会がシュテルンビルドだったはずだ。
なんだ、それだったらシュテルンビルドに行くイワンにも簡単に会えるな。これだったら別れの挨拶をする必要はなかったかな?
………………………………………って、ん? モリオウチョウ?
「(砕くん? どうしたんですか?)」
俺の異変に気づいたキャスターが小声で聞いてきたが、俺は小さく首を横にふって「何でもない」と答える。
気のせいだよね? 俺達の派遣先が「あの」杜王町だなんて、そんなはずがないよね?
「しかし学園長よ、一つ気になることがある。余は地域ヒーローは一つの地域に一人か二人くらいだと聞いているが、何故余達五人をその杜王町に送り出すのだ?」
学園長相手にも偉そうに言うセイバーの疑問は俺達全員が感じていたことだ。自惚れでもなんでもなく俺達はヒーローアカデミーの歴代の卒業生の中でも実力はある方だと思っている。だがそれでも、いきなり地域ヒーローに選ばれて五人とも同じ地域に送られる理由にはならないはずだ。
「その事なんだけど……君達は『シババワ』様のことは知っているよね?」
シババワ様。
当然知っている。シババワ様は「ワンパンマン」に登場する様々な事件や大災害を予言した大予言者で、この世界でもシババワ様は多くの事件や大災害を予言していた。
「ええ。シババワ様の事は当然知っていますけど……もしかして何か予言があったのですか? その杜王町で何かが起きると?」
エドワードの質問に学園長が頷く。
「そうなんだ。シババワ様の予言では杜王町にこれからいくつもの怪事件が起きて、ほうっておけば多くの人が死んでしまうらしい。そしてそれを防ぐためにシババワ様が直々に選んだのが君達というわけだ」
なるほど。それが俺達が地域ヒーローに選ばれた理由か。
シババワ様の予言は「ワンパンマン」の世界でも、この世界でも重要視されているからな。シババワ様が直々に選んだのであれば、卒業したばかりの学生である俺達がいきなり地域ヒーローになっても誰も不思議に思わないだろう。
「君達にはこれから一年間『B級』の地域ヒーローとなって杜王町で活動してもらうと同時に、ある一人のヒーローのアシスタントをしてもらう。……入ってください」
学園長が呼ぶとドアを開けて一人の男が部屋に入っ…………て、ええっ!? あ、あの御方は!?
「……S級十七位ヒーロー、空条丞太郎だ」
入ってきたのは間違いなく「ジョジョの奇妙な冒険」第三部の主人公、空条丞太郎!
ということは俺達の派遣先の杜王町って、「あの」杜王町で間違いないってこと?
………………………………やれやれ。こいつは、グレートな一年間になりそうだぜ……。
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