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万華鏡

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第四十八話 文化祭の準備その一

                  第四十八話  文化祭の準備
 八条学園高等部の文化祭の準備は泊まりがけになる、これは自宅生であっても寮生であっても同じだ。 
 それでだ、宇野先輩と高見先輩は自室で琴乃達プラネッツの面々に言うのだ。丁度部室に来たところで制服からジャージに着替えつつ話すのだ。
「さて、もうすぐよ」
「もうすぐしたら学校で寝泊りの日々よ」
「これがまた凄いのよ」
「連日連夜のどんちゃん騒ぎで」
 そっちの方面で凄いというのだ。
「夜の十時まで働いてね」
「後はシャワー浴びてそれでよ」
 そこからだというのだ。
「もう飲んで食べてね」
「賑やかだから」
「ううん、何か本当にですよね」
「この学校って飲むの好きですよね」
 プラネッツの面々もジャージに着替えている、スカートの下からジャージのズボンを穿き制服の上にジャージのズボンを着てだった。
 その中で着替えてだ、こう言うのだった。
「夏の合宿の時もでしたし」
「文化祭もでしたか」
「そうよ、覚悟しなさいよ」
「今回も飲むから」
「それで朝起きて、ですよね」
「また働くんですね」
 そうした日々になることをだ、プラネッツの面々は確認した。しかしここでだ、彩夏が先輩達に尋ねたのだった。
「あの、ただ」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「お酒飲み過ぎたら二日酔いになりますよね」
 どんちゃん騒ぎまでして飲めば当然のことだ。
「その場合は」
「ああ、その場合はね」
「どうってことないから」
 先輩達は彩夏のその問いにあっさりと答える、何故二日酔いの心配はないかというと。
「その為のシャワーじゃない」
「朝も浴びていいのよ」
「だからね、全然平気だから」
「二日酔いについては心配無用よ」
「そうですか、ならいいです」
 彩夏はオレンジのジャージを着終えてから頷いた。
「それなら」
「ええ、それに朝から動くから」
「それで汗も流すからね」
「だからすぐにね」
「二日酔いなんて終わるから」
「わかりました」
 彩夏はまた頷いた、そしてだった。
 そうした話をしてだ、皆着替えて外に出てだ。
 まずはじめにだ、部長にこう言われたのだった。
「いい、いよいよよ」
「文化祭ですね」
「それですね」
「そうよ、いよいよよ」
 部長は皆の前で両手に腰を当てて話す。
「だから、いいわね」
「はい、本番に向けてですよね」
「気合を入れていくんですよね」
「まず怪我をしないこと」
 とにかく怪我を嫌う部長だった、ここでも最初に言う程だ。
「そして楽しむことよ」
「準備と本番をよね」
「それに夜も」
「軽音楽部には焼酎を置いておくから」
 この酒をだというのだ、同級生である二年生達の問いにわかっているという声で応えたものである。
「皆好きなだけ飲みなさい」
「あては自分で持ってきてよね」
「好きなのを」
「一応胡桃とピーナッツがあるわ」
 この二つはあるというのだ。
「けれどそれ以外はね」
「ええ、わかったわ」
「それじゃあね」
「準備に音楽にお店にね」
 そして飲めというのだ。 
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