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ヘタリア大帝国

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TURN109 モスクワ攻防戦その二

「では私も」
「出撃するのね」
「はい、そうさせてもらいます」
 こうカテーリンに言うのだった。
「今回も」
「御願いね、先生も頑張ってね」
 カテーリンはゲーペを頼りにする目で見ていた。
「ここで負ける訳にはいかないから」
「何としても枢軸軍を倒し」
「そう、世界の皆に共有主義を広めないといけないから」
「では」
 ゲーペも敬礼で応える。
「私も出撃します」
「御願いね」
 こう言ってそしてだった、ゲーペも港に向かった。後に残ったミーりゃがカテーリンに微笑んで声をかけた。
「じゃあ私達は皆を見守ろう」
「私も出撃したかったけれどね」
「仕方ないよ、先生が止めた方がいいっていうから」
「だからなのね」
「そう、今は皆を見守ろう」
 ミーりゃはどうしても出撃したいカテーリンを止めて宥める。
「そうしようね」
「うん、それじゃあ」
 カテーリンはまだ不満そうだったがそれでも頷いてだった、立体テレビで戦いを見守ることにした。今モスクワにはソビエトの大艦隊が集結していた。
 そこにはドクツ軍もいる、ドイツ妹は自身の艦隊とソビエト軍の大艦隊を見比べてそのうえでプロイセン妹に問うた。
「どうかしらね」
「この戦いだよな」
「ええ、これまで枢軸軍は数で攻めてもね」
「退けて来たよな」
「常にね」
 ドイツ妹が今言うのはこのことだった。
「そうしてきたわ」
「そうだね、だから今もね」
「ソビエトは勝てるかしら」
「どうだろうね、やっぱり戦争は数だからね」
 このことは揺るがない、やはり戦争は数が多い方が勝つのだ。
「今回はこれまで以上に集めているし」
「今回こそはね」
「勝てるかも知れないけれど」
「指揮官はジューコフさんだしな」
 言わずと知れた名将だ、今の連合軍ではエイリスのロレンス、モンゴメリーにも匹敵する人物だ。
「艦艇の質もいいよ」
「勝てる条件は揃っているわね」
「これまで以上にな。ただな」
「ただ、なのね」
「枢軸はまた人材が入っただろ」
 プロイセン妹はモニターの向こうの彼女の相棒に告げた。
「レッドファランクスを壊滅させてな」
「東郷長官の奥さんね」
「スカーレットさんだったよな、あの人も凄いんだろ」
「だから今の総統も枢軸軍に向かわせたのよ」
 そして戦わせたというのだ。
「強いだけにね」
「そうだね、あの総統さん人を見る目もあるからね」
 やはり伊達にレーティアの後にドクツの総統になった訳ではない、彼にもそれなり以上の資質はあるのだ。
「枢軸軍にあの人をぶつけたんだよ」
「それだけの人が枢軸軍に加わったのね」
「強いよ、絶対にね」
 味方として頼りになるのなら敵に回すと、だというのだ。
「だからこの戦いもね」
「楽観は出来ないのね」
「そういうことだよ、それで若しここで負けたら」
「その時はどうなるか」
「ソビエト軍は一気に劣勢になるよ」
 そうなってしまうというのだ。 
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