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MS Operative Theory

作者:ユリス
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MS運搬システム①

——短距離のMS運搬を目的とする、MS用トランスポーター——

 「機動兵器」呼ばれるMSも、行動半径の拡大や乗員の疲労回復、推進剤や弾薬などの補給、そして機体整備などのバックアップの必要性から、MS空母としての側面を持つ艦艇で運用されることが多い。

 このような艦艇は無補給での長期運用が可能であると共に、ラグランジュ・ポイント間に匹敵する長距離移動能力も有している。MS運用母艦や補給艦などの艦艇は、多数のMSを搭載できるが、輸送距離が短い場合や少数のMSしか運搬しない場合などは、コストパフォーマンスが低下する。

 また、こうした艦艇の中には大気圏内外の往還には対応していないだけでなく、飛行能力にも欠けるものがある。そのため、大気圏内においてMSが運搬できないなどの問題もあり、汎用性に欠けていると言わざるを得ない。

 そこでMS運搬能力を限定し、少数のMSを輸送する小型MS輸送システムが開発された。代表的なものとして、ジオン公国軍のMS運搬用大型トレーラーである「サムソン」や大気圏内外を往還できる「HLV」、地球連邦軍のMS用輸送機「ガンベリー」などが知られている。

 通常、短距離の移動や輸送はMSそのものが行うと思われることが多い。確かに工場で整備などを終えたMSにそのままパイロットが搭乗し、配備先へと移動するケースもある。

 しかし、工場にパイロットがいるとは限らず、さらにMSへの負担を避ける意味でも輸送システムが使用されることが多い。地球上ではMS単独の移動能力が制限されることも、輸送システムの使用が奨励される要因と考えられる。

 また、小隊規模のMS部隊に運用母艦を配備するにはコストがかかりすぎるため、簡易的な運用拠点として輸送システムを用いるというケースも見られる。

 これは、サムソンを一時的にMS運用拠点としていたしていたランバ・ラル隊の例からも理解できよう。もちろん基本的には輸送システムに過ぎないので、単独では数日程度の短期的な運用にしか過ぎない。

 U.C.0100年代に入ると、基地やコロニー周辺などの哨戒や防衛に用いるMS搭載型小型艇が出現し始めた。これは小型MS輸送システムと艦艇の中間的な存在で、クロスボーン・バンガードのザムス・ナーダ級駆逐艦やベスパのシノーべ級哨戒艦などが知られている。

 MSを露天状態で搭載するために整備能力は限定的なものに過ぎず、コンパクトなボディゆえに航続距離も短い。

 だが、大型鑑定では費用対効果に問題のある後方地域や非戦闘宙域のパトロールや、大型艦への随伴や搭載に適しており、MSの小型化と相まって重要な存在となっている。

 また、限定的な整備環境下でも運用が可能なV系MSの出現により、大型トレーラーや小型艦艇でも中・長期的なMS運用が可能となった。このように、MS運用艦艇と輸送システムの差が小さくなりつつある。





補足事項

——様々な物資を運ぶ汎用輸送艦——

 輸送艦が輸送機、輸送船は搭載スペースの容量が大きいため、構造上スペースが狭くなる輸送機を除き、ほとんどの物がMSを運搬可能である。

このため、パプア級やコロンブス級、アナハイム・エレクトロニクス社の輸送艦プレチュードなどの汎用輸送艦もMSの輸送に広く使用されている。


■軍用輸送船

 地球侵攻後のジオン公国軍を見るまでもなく、補給が途絶えた軍隊は弱体化する運命にある。そのため、各軍は輸送⁄補給艦や輸送機の開発にも力を入れている。

 ジオン公国軍のパプア級やパゾク級、地球連邦軍のコロンブス級などの宇宙補給⁄輸送艦以外にも、ファットアンクルやミデアなどの汎用輸送航空機が知られる。


■民間輸送船

 スペースコロニーや地球、月を繋ぐ輸送や交通は、宇宙移民政策が行われたこともあって生活に密着したものと言える。このため、民間航空会社やアナハイム・エレクトロニクスなどの巨大企業は独自に輸送船や輸送機を所有しているほか、宇宙引越公社に代表されるNGOもシャトルを持つ。

 
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