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創世記ヴァディウスヴィリオン

作者:機械猫
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人を超える力
世界が終った日
  第一話 世界が終った日 Vol.1

 
前書き
僕らの居た世界はファントムによって壊滅した。ファントムとは国際的テロ組織である。イグニアの少年ラヴィルは両親の敵であるファントムを壊滅させるべく動き出した。 

 
ある日世界は終わった。そうテロ組織――――ファントムがこの世界を終わらせたからだ。
俺ラヴィルは父さんと母さんを奴らに殺された。
だからこそ俺は―――――――
「この世界のすべてのファントムを殺す。」

――――リファル学院――――
昨年度から始まった矯正教育を第一に取り入れた学校である。教師もやつらに脅されていて何の役にも立たない。
そんなことを考えているうちに廊下で先生とすれ違った。
「ラヴィル。お前この間のテストも全教科満点だったな。この学校の誇りだよ。」
「ありがとうございます。先生。」
「この調子で頑張れよ。」
こんな他愛のない話をしているときはこの世界が終ったことが信じられない。事実ファントムはあれ以来何もしてこない。なぜ・・・・
(キーンコーンカーンコーン・・・・)
学校のチャイムが鳴った。
「そろそろ次の授業が始まるな。教室に戻るか。」
俺は教室のドアに手をかけようとした。中から怒鳴り声が聞こえる。
『この中にラミール320に潜入した不届き者がいる。名乗り出ろさもなくば皆牢獄行だ。』
ラミールとはファントムの基地である。しかしこの仮にこの中にラミールに侵入したものがいようがいまいが、必ず誰かは連れて行かれる。
窓越しに教室の中をのぞくと何人かのファントムが教卓のほうにいた。生徒のほうを見ると一人の少女が手を挙げていた。
『私です。私が一人で進入しました。』
あいつはルビアおれの幼馴染だ。あいつはそんなことをするやつじゃない。おそらく皆を助けるため嘘を――――
『いい度胸だな。連れて行け。』
何人かのファントムがルビアの周りに集まった。その後彼女に手錠をつけ、こちらに向かってきた。
(とりあえず隠れよう)
俺は隠れてやりすごそうとした。
(何をやってるんだやつらは俺の両親の仇じゃないか――――ルビアを助けよう。)
俺は銃を取り出し、奴らの一人を撃った。
直撃した。が傷は浅かった。
「クソッ。まだ全然うまく当てられない。」
やつらの一人が俺を指差した。
「あそこに銃を撃ったやつがいる捕まえろ。」
その合図とともにやつらは俺のほうに向かって走ってきた。
「クソッ。どうなっているんだ。」
弾は当たった。だが、傷すらつかなかった。
そんなことを考えている間にやつらはすぐに追いついてきて、取り押さえられてしまった。
「小僧・・・いい度胸だな。こいつも連れて行くぞ。」
ルビアのそばに連れて行かれた。
「ラヴィル・・・どうして。」
ルビアはそういって俺のことを心配してくれた。
「・・・・」
俺は何も答えなかった。それから無言のままやつらの基地の連れていかれ、牢屋に入れられた。

牢屋に入れられてから何時間っただろうか。ルビアと別の牢屋へ入れられてたから彼女のことも心配だ。牢屋はとても頑丈にできているし、鍵も簡単に開きそうにないものでできていたため簡単に脱走できそうにはないか。なぜか見張りはいないけど・・・・
遠くで扉の開く音がした。次第に足音が近づいてきた。そして牢屋の前でその足音は止まり、ファントムが目の前に立っていた。
「小僧。喜べこの牢屋から出られるぞ・・・・ただし出た先はあの世だがな。」
銃が撃たれた。俺のほうに弾が向かってくる。
(俺は――――死ぬのか!?まだ仇を取ってない、ルビアを助けていない。)
「死にたくないのか?」
(え!?)
一瞬時間が止まったような感覚を感じた。知らない女の声が聞こえる。
「誰なんだ?」
女の声はおれの言葉を無視して続いた。
「死にたくないなら思い出せ。本当のお前を――――」
時間が動き出した。弾は俺の心臓を貫いた。俺の体はそのまま地面に倒れた。
「死んだか。とりあえず死体を移動させておくか。」
「――――――――」
「こいつ・・・今動かなかったか?いや出血量から考えれば確実に死んでいるはずだ。」
(生きている・・・俺は生きているみたいだ。)
そのまま俺は立ちあがった。
「こいつ生きてやがる。なぜだこんなに出血してるのに――――」
ファントムは俺に向かって何発も銃を撃ってきたが、俺は死ななかった。次にファントムはナイフを使って俺に切りかかってきた。俺はそのまま。腕をつかんだ。のに・・・・
「ぐぁああ!!腕がぁあ!!腕が・・・」
腕が折れた。こんなに力があるはずが――――
「化けものだ・・・た、助けてくれ。」
(俺はファントムが憎いだから・・・うっ)
頭が痛い――――――――
気づいたら俺の手は真赤・・・これは血?しかもあそこに倒れているのはさっきのファントム。
「俺がやったのか?」
いや俺しかいないということは俺がやったのだろう。ついにファントムを・・・・人を殺してしまった。
(もう戻れない――――おれも同じ殺人者だ)
「やるなら徹底的にやってやる。俺はファントムを殺す。」
 
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