ヘタリア大帝国
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TURN107 母と娘その十一
「潜水艦なんて誰も思いつかないですし発見も出来ません」
「やっぱり天才なんだな」
「そう思います」
「こりゃ戦争の後が大変だな」
「戦後の欧州ですね」
「戦争以外でも天才だからな、あの人は」
政治の天才でもあるのだ、経済や内政においても。無論外交もだ。
「大変そうだな」
「そうですね、戦後の欧州は間違いなくドクツを軸として動きます」
シャルロットもその色気のない水着姿で出て来た、スタイルはいいがそれでも今の水着では今一つそうしたものを感じさせない。
「我が国はといいますと」
「何だろうな、日本の野球チームで言うと虎か」
このチームではないかというのだ。
「あのチームか?」
「何故あのチームなのですか?」
「弱いからだよ」
フランスは自嘲気味にシャルロットに答えた。
「だからだよ」
「ですが祖国さんはいつも最後に勝っていればいいと仰ってますね」
「今もか」
「はい、ですから」
「最後の最後に勝っていればいいか」
「戦後の欧州政治においても」
「それもそうだな、最後に勝つのはオフランスだ」
フランスはシャルロットに言われて気持ちを取り戻した。
「ドクツにもエイリスにも負けてたまるか」
「その意気かと」
「そういうことだな、トライアスロンでもな」
フランスは準備体操をはじめながらトライアスロンにも気持ちを向けた、そして東郷はというと。
秋山にだ、水着姿で囁いた。当然秋山も水着である。
「じゃあいいな」
「はい、トライアスロンの後で」
「洗脳を解くぞ」
スカーレットの方をちらりと見ながらの言葉だ。
「そうするからな」
「その時は」
「柴神様がおられる」
彼は競技に参加していない、競技副委員長として控え室にいるのだ。ちなみに委員長は帝が務めている。
「あの方が何とかしてくれる」
「では、ですね」
「ああ、俺達は彼女を競技において全力を出させる」
「そして心を切り替えさせることのですね」
「下準備をさせるからな」
こう話してそしてだった、彼等は競技に入った。これもまた彼等にとっては戦いだった。
TURN107 完
2013・5・8
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