ヘタリア大帝国
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TURN107 母と娘その八
「何も考えずにな」
「共有主義も何も」
「私は共有主義なんて知らないぞ」
そうしたイデオロギー的なものとは全く無縁である、ただ戦ってそのうえで暴れることだけを楽しんでいるのだ。
それで共有主義についても興味がない、その彼女が言うにはだ。
「ただひたすら身体を動かすだけだ」
「そうですね、お姉様は体力もあります」
毎日のトレーニングも欠かしていない、身体能力もかなりのものなのだ。
「生半可なスポーツでは」
「マラソンでも駄目か?」
「マラソンの完走も平気でされます」
「それは凄いな」
「毎日のトレーニングの賜物ですね」
それ故になのだ、スカーレットの体力は。
「本当に完璧な方です」
「それでも人間だな」
「人間として最高のレベルにある方です」
「しかし人間なら誰でも限界があるぞ」
アルビルダはここでこう言った。
「私も暴れ続けたら疲れる、だから風呂に入って飯を食って寝るのだ」
「そうですよね、マラソンで駄目なら」
クーはマラソンの走る距離だけではない、さらにだった。
彼はここでだ、こう考えたのである。
「その他のものも」
「何か考えが出来たか?」
「我が国にはトライアスロンもあります」
「ドライアイスか?触ると痛いな」
「トライアスロンです」
そこは訂正する。
「そこは違いますので」
「そうか」
「とにかくトライアスロンはマラソンだけでなく水泳と自転車も入れます」
その三つを全てするのだ。
「それだけに尋常な体力では出来ません」
「私でもか」
「アルビルダさんでもぎりぎりですね」
こうアルビルダに告げる。
「大変な競技です」
「そうなのか」
「ですがあれなら」
クーは己の考えを頭の中でまとめながら言う。
「若しかしたら」
「何でもやってみることだな」
「そうですね、では」
それではというのだ。
「一度やってみます」
「それでそのドラえ何とかはどうするのだ?」
「あの、そのネタは危ないので」
止めて欲しいというのだ。
「以後NGです」
「そうか、では二度と言わないぞ」
「それだけは」
「とにかくだ、では明日にだな」
「長官にお話してみます」
トライアスロンの開催を提案するというのだ。
「でjは」
「よし、それではあいつのところに行って来い」
クーはアルビルダと話してその足で東郷のところに向かった。
東郷のところに行くと彼にまず彼女のことを尋ねたのだった。
「あのお姉様は」
「いつも真希に微笑んでいるけれどな」
「それでもですか」
「相変わらずだ」
共有主義者のままだというのだ。
「変わらないな」
「そうですか」
「予想していたが頑なだ」
それが今の彼女だというのだ。
「中々難しいな」
「それではです」
ここでだ、クーは彼の案を述べた。
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