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気まぐれな吹雪

作者:パッセロ
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第一章 平凡な日常
  40、南国旅行?めんどいからパス

さてと、もうすぐ梅雨の時季がやって来るな。

まぁ、だからなんだと言われればどうってことはないんだがな。

つーかそれより

『かーなめちゃーん。あーそーぼー』

“トモダチ”な喋り方のあいつをどうにかしてくれ。



†‡†‡†‡†‡†‡



時は遡り前日。

そして沢田家。

「ツっ君、やったわ!」

沢田綱吉の母、奈々は喜んでいた。

「なに、母さんどうしたの?」

「お茶の懸賞に出したら、旅行チケットが当たったのよ! 南国の島だって!」

「ええーーーーっ!!?」

しかも大人数で行けるようになっていて、奈々を含め10人まで誘えることになったのだ。

そこでリボーンが選んだのが、奈々・ツナ・自分(リボーン)・山本・獄寺・京子・ハル・やちる・千鶴・要の10人である。

ファミリーから抜粋したつもりだったが、問題児が約一名。

と、言うことで。

「かーなめちゃーん。あーそーぼー」

千鶴が呼んでいるのだが、一向に返事はない。

そこには既にもう、要以外の全員が揃っているのだが……。

留守ではないことは確かだ。

なぜなら、時折カーテンの隙間から要が外を見ている様子が伺えるからだ。

「かーなーめー」

もう何度目かわからない呼び掛けをしたときだった。

ガコッ ヅーヅーヅー

インターホンを取ったのか、ノイズが聞こえた。

チャンスと思い、千鶴がもう一度声を出そうと息を吸った。

が、

「うるせぇぞてめぇら!!!」

インターホンから、と言うよりは家の中から要の怒号が聞こえてきた。

ツナは驚き(と言うより恐怖)、リボーンと千鶴は反応があったことに喜び、獄寺とやちるは舌打ちをし、山本は苦笑。

その他三人は、単純にビックリ(特に京子はクラスメイトなので「あ、いつも通りだ」とか思ってる)。

「ヤッホー要。準備はどや」

『準備? はっ、誰がするがボケッ! オレは
旅行なんざ行かねぇと答えだはずだ。つか、てめぇは20○紀少年のトモダチか!』

「それはさすがに古いで」

『るせぇ!』

ガスッという音が聞こえてくる。

大方、近くの壁を殴り付けでもしたのだろう。

『武ぃ、そこにいんだろ。その関西アホをどうにかしろ』

「一緒に行こうぜ要」

『ドゴッ』

今度は明らかになにかが崩れる音がした。

壁が崩れたんだろうなぁ、とか思った一同である。

「おい霜月! せっかくリボーンさんが誘ってくださってんのにどういうつもりだ!?」

『そのチビ介がいるから行かねぇんだ。わかったかアホ寺』

「んだと!?」

「ご、獄寺君……」

そもそもこの二人の相性が最悪であることを忘れていたツナだった。

「ねぇ霜月さん、行こうよ。みんなで行けば楽しいと思うよ」

『笹川か。関わったことのない赤の他人のために、よくそんなこと言えるな』

「関わったことのない赤の他人だなんて、そんなことないよ。だって私たち、ずっとクラスメイトでしょ?」

『……はぁ、あんまお前に悪いこと言えねぇんだけどな。けど、オレは本気で行く気はない』

「そっか」

要の気持ちが伝わったのか、それ以上とやかくと言おうとはしなかった。

残るはハルとやちるなのだが、ハルはカルタの際に対峙したくらいで話したことはなく、やちるとは獄寺以上に相性最悪(と言うか要が一方的に嫌っている)。

これ以上の説得が無理であることは明らかだった。

「仕方ねーな。時間もやべーし行くぞ」

「あ、ちょっリボーン!」

「せやな。まぁええわ、ウチが写メ送ったる」

『いらねぇっての』

リボーンが歩き始めたことにより、他のメンバーも各々荷物をもって動き出した。

よくよく考えれば、9人も道端に立ってて、しかもインターホン越しの会話(片方は怒号)をしていれば、どっからどう見てもただの近所迷惑だった。

因みに、要の穴はフゥ太によって埋められました。

ビアンキとランボとイーピンはお留守番よろしくです。  
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