久遠の神話
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第五十九話 三人の戦いその十三
「この大阪においても」
「では何処かに案内して頂けるでしょうか」
「そしてそこで、ですね」
「はい」
ここでまた微笑んで聡美に答える。
「召し上がりたいと思います」
「それでは」
聡美も応じた、それでだった。
「今から案内させてもらいます」
「そして貴女もですね」
「日本には美味しいものが多くあります」
「日本に入られてからお知りになったことですね」
「はい」
その通りだというのだ。
「それで」
「そうですね、それでは」
男は聡美の言葉に頷いた、そうしてこう言った。
「では日本のカレーを」
「お国のものもありますが」
「ここは日本です」
男は微笑んで聡美にまた言った。
「それなら日本のカレーを頂きたいです」
「だからですね」
「それに日本のカレーといいますと」
それは何かというと。
「和食ですね」
「いえ、それは」
「私の考えではです」
「そうなるのですか」
「私の国ではこの国のカレーは和食です」
彼だけのことではなかった、彼のいる国全体でのことだった。
「面白い和食があると言われていまして」
「それがカレーでしたか」
「はい」
そうなるというのだ。
「ですから是非共」
「ではカツカレーなどは」
聡美はここでこのカレーの名前を出した。
「そうしたものは」
「カツカレーとは」
「豚肉であることが多いので宗教的にも大丈夫ですし」
「はい、私は豚肉は大丈夫です」
実際にそうだと、男は微笑んで聡美に答える。
「ご安心下さい」
「こうしたカレーもご存知なかったですか」
「初耳です。面白そうですね」
「ではそのカレーを紹介させてもらいますので」
「それでは」
男は聡美の言葉に応えた、そうしてだった。
二人で関西新空港、関西の玄関口を後にした。そのうえで日本の、彼等の向かう場所に入っていくのだった。
第五十九話 完
2013・2・17
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