転生者が歩む新たな人生
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第45話 修学旅行-3日目-その5
前書き
今週は定時上がりで仕事が終えれるんで良い感じです
さて、学園長と電話で話して2時間も経っただろうか。
あれから少ししてかかってきた忍義姉さんと電話で延々と話している。木乃香と千雨も一緒だ。
忍義姉さんは今回の件で中部魔術協会の本部に呼び出され、ずっと手伝いをさせられてるそうだ。
ついでに言うと詠春さんがネギの親書を受け取ったところも幹部連と一緒に見ていたらしい。別に見ていたいわけではなかっただろうけど。
でまぁ、聞くところによるとあのシーン---あえてシーンと呼ぶが---を見たと同時に幹部連は動き出し、関西呪術協会の傘下組織としての脱会届けと他の組織へのその旨の通知---既に準備してあったらしい---を直ぐ出したらしい。
それと前後するように、あのシーンを見ていた他の組織から同様の通知が届き、関西呪術協会の重鎮とも言うべき一族---先日来お世話になっている崇宰家や神鳴流の青山家など---からも同様の通知が続々と届いていたらしい。
事前に連絡してあった組織・一族は結局すべて関西呪術協会を抜けたらしい。
今後は、事前に上の方で協議し終わっている通りに「いとやんごとなきところ」から、裏の主権を関西呪術協会から新組織である「日本異能協会」へと禅譲していただくらしい。表の歴史で言うと明治時代に政権を江戸幕府から明治政府へと移したのと同様のことらしい。
結果的にはやんちゃをした強硬派が体良く利用された感じだが、最終的には関東魔法協会も日本異能協会へと組み込む予定なので、強硬派も満足するだろうとのこと。
もっともその場所は草葉の陰かも知れないが。
で、今は京都を中心に、暫定「日本異能協会」に組み込まれていない人や一族を所属している人々が説得しているんだそうだ。きっと口や拳だけじゃないんだろうけど。
つまりこの辺りが瀬流彦先生が言われた「協会内のごたごた」なんだろう。
なんでこんな話しを2人でしているかというと、要はフェイトや小太郎達のやんちゃ組が何かしでかそうとした場合、フリー---今現在任されてる仕事がないという意味で---のオレ達が対処することに決められているからだ。
面倒な、という思いは無くもないけど、新組織内での元中部魔術協会の立ち位置や関西呪術協会の長の娘である木乃香の立ち位置もあるので仕方がない。
もっともエヴァが手伝ってくれない状態でフェイトと一戦交えんといかん場合は、仕方がないでは済ませれんかったが、今回はフェイトの相手をしないで済むので大船に乗った気持ちだ。
旅館から遠くの西の方で凄まじいばかりの魔力がほとばしっている。
どうやらスクナが復活したようだ。
スクナについては原作知識があったが、ぶっちゃけ、京の地にはスクナと同等以上の荒御魂がたくさん封印されてるので、本当にスクナを狙うのかわからなかったのだ。
実際、復活したのがスクナなのかは自信がない。
別の荒御魂だという可能性もあるんだ。
言わば推定スクナというところか。
なんにせよ、オレ達がやるのはネギの魔力を利用したやんちゃを止めることだ。
ここに至っては強硬派の襲撃の可能性も低いので、旅館の守りは魔法先生方に任せて良いだろう。
瀬流彦先生に事情---中部魔術協会から推定スクナの鎮圧指令が来たことにした---を話し、オレ・長瀬・龍宮・古を先遣隊に、後詰め---フェイトと接敵後転移---にエヴァと茶々丸、魔法先生に秘密裏に転移するカタチで木乃香と千雨、の8人で鎮圧に向かう。
神楽坂?
うるさそうなので放置しましたが?
桜咲?
道に迷っているのか未だに旅館に到着していないので放置ですよ。
☆ ★ ☆
方角的にはフェイトと2戦目をした方向だったので、そこまで3人を連れて転移。その場で木乃香の転移魔法で来た木乃香と千雨と合流。
木乃香と千雨という荒事に向いてなさそうな2人が来たことに3人がぶうぶう言うが適当に説明して、オレが長瀬を、木乃香が龍宮を、千雨が古を抱えて飛行魔法で一気に飛んで行く。
認識阻害をかけながらかなり上空を飛んで行き、途中下に小太郎や月詠が見えたがスルーして推定スクナに向かう。
現場に到着すると上空を監視していたフェイトの使い魔らしき悪魔に見つかる。
木乃香の魔法で一掃しつつ、現場というか魔法の儀式場に着陸。
と同時にエヴァに合図を送り、エヴァと茶々丸が影から登場。
そう言えば初日に木乃香を誘拐した人もいたなぁ。
蕩々と話す誘拐した人こと、天ヶ崎千草さん。
曰く、リョウメンスクナノカミ。
曰く、飛騨の大鬼神。
曰く、魔法世界で殺された両親の敵の魔法使いの粛正。 曰く、曰く、曰く、………。
思いはわかるし、ある意味貴女のおかげでクーデターは成功しましたよ~、なのでもう矛を収めましょうと話しても聞いてくれない。
いや、確かに強大な荒御魂には違わないが、長年の封印のおかげか、開封の儀式が中途半端なのか、巨大なだけで中はスカスカな感じだ。
このスクナで魔法使いを粛正とかあり得ないレベルだ。
そういや、原作だと生贄の魔力は木乃香の強大な魔力だったなぁ、とホロリ。
ちなみに視界の隅では、ハイスピードでやり合っているフェイトとエヴァンジェリン。巨大なスクナに呆けてる長瀬と龍宮と古と木乃香と千雨、自然体で待っている茶々丸がいる。
「(木乃香、被害が大きくならないうちになるべく大きな封時結界を)」
「(わ、わかったぇ)」
魔力が一番大きな木乃香に封時結界を張ってもらう。
「(あっ)」
「「(あ?)」」
結界を張ると同時に不吉な言葉を放つ木乃香。思わず問い返すオレと千雨。
「(すごい勢いで2人、向かって来よる)」
「「(2人?)」」
誰だろう? 桜咲と神楽坂か?
小太郎と月詠でした。
「やーっと追いついたで、暁兄ちゃん」
「あらーっ。センパイはいらはりませんのえ」
せっかくスルーした2人が参戦して来た。
「長瀬はそっちのゴスロリの剣士を、古は向こうの坊主の相手を頼む。龍宮は2人のフォローを! 長瀬、剣士の方は桜咲の同門で桜咲より強いぞ! 古、ぶっちゃけ坊主の方はお前よりも強いから相手してもらえ!」
「承知!」
「楽しみアル」
「了解」
よし、任せた。
「(で、あっちはどうするんだ?)」
「(とりあえず、茶々丸の結界弾で足止め。空からそれぞれ最大攻撃。その後散らばっている魔力を集めて集束攻撃。それでもダメなら、………、どうしよう?)」
「(あぁ、もういい。とりあえず最大攻撃から集束攻撃な)」
「(わかったぇ)」
空へと飛び立つ木乃香と千雨。
次いでオレも飛び立ち茶々丸に指示を出す。
なお、エヴァとフェイトは離れたところで巨大な魔法の打ち合いから接近戦まで、魔法も近接戦闘もできる魔法戦士型の戦いの手本となるような戦闘を繰り返し、余剰魔力もたくさん出ている。
「茶々丸、結界弾で足止めを頼む」
「了解しました」
ドドドと空に飛び立ち、結界弾の入った銃を準備する。
「この質量相手では10秒程度しか拘束できません。お急ぎを」
なお、BGMは「BRAVE PHOENIX」でお送りします。
茶々丸の宣言を受けて、千雨がスクナに砲撃魔法を放つ。
「くらえっ! エクセリオン・バスター!」
千雨は小器用なので結構なんでもこなし、集束技術なんかも高い。変換資質もないのでミッド式では主になのはやユーノの魔法を使う。魔力色はレモンイエロー。
閃く黄色の砲撃に続き、次はオレの攻撃だ。
「死ねぇ! ギガブレイク」
オレは放出系統の技術が苦手なため、オーラを魔力に変換し、膨大な魔力を刀型デバイススサノオに纏わらせ巨大な刃とし、神鳴流決戦奥義 真・雷光剣を打ち込む、某マンガで竜の騎士が使った技をリスペクトして放つ。
グォォォオオッ!
2人の技にすくんだスクナに極東最大の魔力を持つ木乃香が最大出力の魔法を放つ。
「ごめんな、スクナはん。安らかに眠ってや………。アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。フォトンランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイアー!」
38のフォトンスフィアから、毎秒7発以上の斉射を4秒間継続することで、合計1064発のフォトンランサーを目標に叩きつける木乃香最大の攻撃魔法である。
ついでに残ったスフィアを巨大な雷槍にまとめ上げ、スクナに投げつける。
「スパーク・エンド!!」
さすまじい魔法の爆音が途切れるとそこにスクナの影も形もなかった。
そう、トドメの集束攻撃など必要なくスクナは木っ端微塵となったのだ………。
「やりすぎちゃった?」
かわいく小首を傾げて木乃香が聞いてくるが、千雨と2人ブルンブルンと首を振る。
他にどうすることができようか………。
後書き
原作と違いすぐに追っ手が来なかったので余分な鬼は召喚されていません。
スクナ戦は「なのはAsの闇の書の闇」のトリプルブレイカーでトドメと思いましたが、書いてる内にネギの魔力のせいで、明らかに原作よりも弱いスクナだよな、と思い直し、トリプルブレイカーの前に木乃香の魔法でオチをつけました。
次回は後始末編です。たぶん。
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