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ヘタリア大帝国

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TURN106 ウラル星域会戦その九

「自然とそうした国になる」
「考えてみれば不自然な国家であるな」 
 宇垣はここまで話を聞いてこう評した。
「実に」
「はい、不自然な国家のシステムだからこそです」
「そうした国になるか」
「つまり国家元首である総統か国家主席がいなくなればです」
 それでだというのだ。
「それで終わる国家です」
「あれっ、じゃあうちもなの?」
 そのファリズムの本家にあたるイタリンのムッチリーニがここで言って来た。
「イタリンもなの」
「そうなる」
 実際にそうだとだ、東郷はそのムッチリーニにも答えた。
「ファンシズム国家はな」
「そうだったの」
「いや、そんなのはじめて気付いたよ」
「俺もだ」
 イタリアとロマーノは今驚きの顔でいる。
「ファンシズムってそういう国家システムだったんだ」
「一人で全部動かしてたのかよ」
「それでその一人がいなくなったら」
「駄目になるんだな」
「ううん、それは困るわね」
 ムッチリーニも今気付いた感じの言葉だった、そんなといった感じの表情にそれが出ている。
「私に何かあったらユーリちゃんがいるけれど」
「私は統領の後継者だったのですか?」
「あれっ、言ってなかった?」
「初耳です」
 ユーリはここで別の意味でも驚くことになった。
「まさか。そうだったとは」
「だってユーリちゃんが一番頼りになるから」
「ですが私は」
「御願いね、私に何かあったら」
「というよりはファンシズムでなくするべきですが」
 ユーリは能天気なムッチリーニに真面目に返した。
「それが先決ですが」
「そうなるの?」
「そうなります」 
 やはり真面目に言う。
「議会もありますが」
「ファンシズム議会ね」
「民主的なシステムに変えていくべきですね」
「民主的な?じゃあそうする?」
「はい、そうしましょう」
「ファンシズムって問題があったのね」
 ムッチリーニは本当に今気付いたという顔である。
「気付かなかったわ」
「その様ですね」
 それはユーリもだった、ファンシズムの本家と言えるイタリンでまず否定されたのだった。
 だがここでだ、田中ががこう言ったのだった。
「そういえばイタリンってファンシズムか」
「今更何を言ってますかこの特攻野郎」
 小澤はその田中に毒のある突っ込みを入れた。
「本家本元です」
「どうしてもドクツ見るからな」
「イタリンはただ能天気なだけです」
 小澤はイタリンにもまずはこう言う。
「明るくのどかな国なのです」
「いい国なんだな、イタリンって」
「ポルコ族も可愛いしパスタもあります」
「一回行ってみてえな」
「そうですね、本場のパスタを食べたいです」
「いや、日本のパスタも美味しいよ」
 イタリアがイタリンに憧れを見せる二人に話してきた。 
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