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MS Operative Theory

作者:ユリス
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V計画③

——各部のユニット化と増加装備——

 Vタイプのハードポイントが単なるマウント・ラッチではなく「手」の一種であることは前述したが、そこに専用の増加装備を付けることで異なる仕様の機体として運用可能であった。

 更に、部品交換と機体性能の拡張を容易にするため、機体各部のユニット化が進められていたことで、Vタイプは二重の拡張性が確保されたのである。この機体設計の結果、Vタイプは腕部や脚部など機体の一部を失った場合の生存性と、その時の戦況に合わせた増加装備の選択という柔軟な運用が可能となったのである。



——強化パーツのオプション化——

 Vタイプはベスパ製MSの性能向上を見越して強化パーツの増設を前提に開発されていた。中でもVダッシュ用のサポート・デバイス(バックパック)は、火力のみならず機動性も向上させる多機能装備であり、実戦においてその有効性を証明している。

 他にも、U.C.0152,11に開発が始まったミノフスキー・ドライブのV1用オプション化が進められたが、V1の性能限界により装備不可能であることが判明。これを受けてミノフスキー・ドライブを標準装備するV2ガンダムが開発されたエピソードは有名である。

 このように、専用強化パーツの導入で容易に性能向上と運用領域の拡大が行えることが、Vタイプの特徴の一つと言えるだろう。



——V2用強化パーツ——

 V1にVダッシュ用パーツが存在するように、後継機であるV2にも性能向上を目的とする強化パーツが開発された(もちろん、V2開発の時点で、強化パーツの装着は盛り込まれている)。

 V2は、理論上では亜光速まで飛行可能なミノフスキー・ドライブを装備していることもあり、機動面の強化は行われず、火力と防御力の向上が図られている。なお、これらのパーツを装備しても、機体や推進機構には干渉しないようになっている。



——地上におけるVタイプ運用チーム、カミオン隊——

 いかにゲリラ的運用を前提に開発されたVタイプとはいえ、艦艇の様なサポート・システムがなければ、その行動半径は他のMSと同じである。

 しかし、初期のリガ・ミリティアは地球上で使用できるMS用艦艇を装備していなかったため(飛行能力を持つMS運用艦は隠匿性が低く、ゲリラ戦には向いていないことも理由であろう)、それとは別の形でV1を運用できる「移動基地」が開発された。それがV1の各パーツを搭載・整備可能な大型地上車輌、カミオン(乗員12名)である。

 カミオンは数台でキャラバンを組み、移動しながらゲリラ戦を行う前線基地として編成された。これは一般にカミオン隊と呼ばれ、U.C.0153,04頃に欧州で活動していた。カミオン隊には、オイ・ニュング伯爵をはじめとするリガ・ミリティアのMS開発関係者やパイロットが参加したほか、戦災孤児たちも同乗していた。



——カミオンの主な役割——

■Vタイプ用の移動式前線基地

 Vタイプの各パーツの搭載機能と整備能力を持つことから、移動基地として機能した。パーツ射出用のカタパルトも装備していた。


■キャンプ・宿泊施設

 移動基地として使用するため、宿泊施設としての機能も持つ。キャビンにはシンクや、簡易ベッドなどが設置されている。


■防衛・支援用攻撃

 前線に進出することも多かったため、ミサイルや機関銃などで武装していた。防衛戦やVタイプの支援を行うこともあった。



——カミオン隊を支えた人々——

 カミオン隊は、ザンスカール戦争初期の欧州で活躍したリガ・ミリティアの一部隊である。特にV1開発に携わった老技術者やメカニックマンたちは、V1の運用・支援に欠かせない存在だった。

 というのも、数台のカミオンをもってしても運用できるV1ユニットは少数であり、部隊に所属するメンバーの大半(老人たちも)がバックアップとして何とか運用していたのが実情であった。





補足事項

——「V計画」とAE、サナリィの関係——

 U.C.0150年代において、AEトサナリィは歴史の表舞台からその姿を消したと思われているが、ある一面においてはザンスカール戦争に深く関係している。

 サナリィ関係者がベスパのMS開発に携わっていることは語ったが、その一方でガンイージやVシリーズの開発にも技術供与を行っていた。同様に月面に開発拠点を持つAEの協力もあったようだ。

 リガ・ミリティアの攻勢が顕在化してからは両社の技術協力も積極的になり、V2の技術問題解決に貢献している。



——リガ・ミリティアの秘密拠点——

 リガ・ミリティアは、限定された兵力しか持たないレジスタンス(ザンスカール帝国からみればゲリラ)であり、正規軍ベスパとの戦力差は明らかであった。このため部隊の存在や移動ルートは徹底的に秘匿され、それは貴重な戦力供給源であるMS工場や拠点も同じであった。

 基本的には都市や町郊外の古い自動車工場など、機械設備がある施設が拠点として利用された。欧州にはこのような工場や拠点が無数に設置されていた。


▼地球

 ゲリラ的な戦法を採った都合上、特定の拠点は多用せずカミオンを移動基地とした。MS工場はコリーンが知られる。


▼月・宇宙

 宇宙での拠点となったのは、近郊にMS工場を持つ月面都市セント・ジョセフ。ドック艦ラビアンローズⅣも使用した。

 
 

 
後書き
次回 タイヤ系MS 
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