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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0457話

「……教師?」
「ああ、ネギ君が色々と忙しくてね。その代理として3-Aの教員をやらせて貰ってるんだ」

 目の前に立つフェイトが、いつもの如く無表情でそう呟く。
 3-Aの皆にきちんと別れの挨拶を言っておいた方がいいと円や美砂に言われ、その辺の相談をするべく学園長室にやって来て近右衛門に相談したのだが……それで呼ばれたのがフェイトだった。

「いや、そもそもお前は魔法世界側との交渉を任せる為に……」
「だからさ。この麻帆良はMMの下部組織という意味でも、ヘラスへ伝手もあるし、アリアドネーに対しても所属していた人物がいる」

 ヘラスは春日の契約相手でもあるココネとかいう子供で、アリアドネーは綾瀬か。

「まあ、お前自身が納得してるんならそれでもいいんだが……」
「もちろんさ。結構新鮮な事が多くて、これでも結構楽しんでネギ君の代わりをさせて貰ってるよ。……そう言えば、君の従者達。釘宮円と柿崎美砂が急激に成績を上げてきてるんだけど、何か理由知ってるかな?」
「あー……何となく理由は分かるが、プライベートな事情だから取りあえず黙秘で」
「フォフォフォ。若いのぅ」

 大体の予想が付いたのだろう。近右衛門が片目を開け、髭を撫でながら笑っている。

「どうじゃね、アクセル君。この際木乃香とお見合いでも……」
「する訳ないだろ。これ以上揉め事の種を増やしてどうするんだ。あぁ、そうそう。エザリアから聞いてるか?」
「む? 何かね?」
「ホワイトスターと繋がっている他の世界の国家が、麻帆良との交易を希望しているって話なんだが」

 オーブ辺りからエザリアを通して麻帆良にその辺の要請が行っている筈だ。

「うーむ、それは聞いておるのだが……何しろ先程フェイト君も言ったように、ここはあくまでもMMの下部組織だからのう。あまり勝手な真似は出来ないんじゃよ。そもそも学園都市という名目もあるし」
「とは言っても、MMは魔法世界だろう? 麻帆良との交易を望んでいるオーブという国は基本的に魔法なんて要素は一切無い、純粋に科学力の高い国だ」

 いや、SEEDとか一種の魔法っぽいのがあるのは確かだが。

「そうじゃのう……アクセル君が太鼓判を押すというのなら考えてみてもいいのじゃが」

 チラリ、と俺の方へと視線を向ける近右衛門。
 ……何か揉め事が起こったら俺に押しつけようとでも考えてるのか?

「まぁ、無理にとは言わないさ。別に麻帆良じゃなくても雪広財閥や那波重工の方と交易を進めるだけだろうしな。じゃあ、エザリアには俺の方から麻帆良との交易はしないように伝えておく」
「ひょっ!? ま、待っとくれ。誰も交易をしないとは言ってないぞい!」
「俺は太鼓判とやらを押せないからな。なら交易は出来ないって事だろう? 何も問題は無い。別に交易をする相手に関しては麻帆良だけじゃないんだし」
「じゃ、じゃから、そう話を急がずともよかろう」

 これまで開けていた片目だけではなく、両目を開けてそう告げてくる。

「急ぐも何も、俺は太鼓判を押せない。つまりその状態だと麻帆良と向こうの世界との交易は考えられない。それだけだろう?」
「……うむ、分かった。別にアクセル君の太鼓判は無しでも構わんから話を進めてくれ」
「いや、だからそれを俺に言ってどうするんだよ。この世界との交渉に関しては基本的にエザリアを通してくれ」
「うーむ、彼女は色々とキツイんじゃよ。色々な意味で。あれだけ別嬪さんなのに勿体ないのぅ」

 溜息を吐きながら呟く近右衛門。……なるほど、エザリアが交渉相手として手強いから搦め手として俺に手を回してきた訳か。

「まぁ、それはしょうがない。どこまで聞いてるか知らないが、エザリアは国力において数十倍から数百倍はあろうかという相手と戦争を繰り広げて、しかもその状態で殆ど互角にやり合っていた勢力のトップに近い位置にいた女だからな」
「ひょっ!?」

 プラントについての話は初耳だったのか、目を見開き驚く近右衛門。
 フェイトもまた興味深そうに俺へと視線を向けている。
 ……あぁ、完全なる世界も勢力が圧倒的に低い状態で活動していたんだったな。グレートグランドマスターキーを手に入れてからは大量の召喚魔でそれを覆したが。

「さて、じゃあ関係無い話はこの辺にして。3-Aに行くにはフェイトと一緒に行けばいいんだな」
「うむ。……じゃが、アクセル君。別れの挨拶をするのならその格好は拙くないかのぅ」
「……ん?」

 自分の格好を見直すと、そこにいるのはいつもの20代の俺だ。

「何かおかしいか?」
「はぁ……3-Aにいたアクセル君は大人じゃなくて、子供のアクセル君じゃったろうに」

 なるほど。確かにそう言われればそうだな。
 いやまぁ、魔法世界に行った面子は……いや、そっちの面子が見慣れているのは異形化の方か。まぁ、近右衛門の言う通り確かに3-Aの中には俺のこの姿を知らない奴が大勢いるんだし、子供の姿のままの方がいいか。
 パチンッと指を鳴らし、全身を炎に包み込んで姿を10歳の幼児バージョンへと変える。
 ……うわ、ごそっとSPが削られたな。
 ステータスを表示すると姿を変えただけだというのに300近いSPを消費している。

「この学園結界は厄介だな」
「いやいやいやいや。この学園結界の中で普通に魔法を使えてる時点でおかしいんじゃがな!?」
「一応これは俺の混沌精霊としての能力の1つであって魔法じゃないけどな」
「魔力を使ってる時点で同じじゃわい……」

 疲れたように溜息を吐いた近右衛門をそのままに、俺とフェイトは学園長室を出て3-Aの教室へと向かう。

「それで、魔法世界の方はどうなっている?」

 廊下を歩きながらフェイトの方へと視線を向けると、いつもの無表情でこちらを見返してくる。以前よりは感情表現が豊かになったとは思うんだが、それでもやっぱり無表情がデフォなんだよな。

「そっちの方は結構順調だよ。最初MMの方から横槍が入りそうだったけど、ネギ君やクルト総督のおかげでなんとか抑えられてる。ヘラス、アリアドネーは特に問題が無いし」
「クルトとネギに感謝だな。そうなると、次の問題は表の世界の奴等か」
「……あぁ、そう言えば昨日のニュースでやってたね」
「政府を通じて国連に提出するという所でどうなるかだな。魔法世界側から各国に圧力とか出来ないのか?」

 イギリスにネギの出身地であった魔法学校があったように、アメリカにも似たような学校は存在するらしい。まぁ、政府でも上の方になれば魔法の存在は知っていると見るべきだろう。それなら、その辺から圧力を掛けて貰えば結構いけるかもしれない。そう思ってフェイトへと尋ねるが、余り気が乗らないように首を振る。

「どうだろう。一応提案はしてみるけど……っと、着いたね」

 随分と久しぶりの3-A。夏休み前に来たのが最後だから、約3ヶ月ぶりか。
 そんな風に思っていると、教室のドアを開けるフェイト。そして落ちてきた黒板消しをキャッチしてそのまま素早く放り投げ、同時に吸盤付きの矢を素手で掴み取りこれもまた投げつける。足下にあったロープは跨いで回避し、そのまま教壇へと辿り着く。

「あーあ。今日も駄目だったか」
「い、痛いっす……」

 明石が呟き、黒板消しと吸盤付きの矢を連続で食らった春日が涙目で呟く声が聞こえてきた。

「罠を仕掛けた者はまだまだ甘い。要修行だ」
「って、それでいいのかよ!」

 予想外のフェイトの言葉に、思わず教室の中へと入って突っ込みを入れてしまう。

「あ、あー! アクセル君じゃん! しかも子供バージョン!」

 俺を見た明石がそう叫び、そこからはクラス中が騒がしくなる……かと思いきや。

「あいたぁっ!」
「ちょっ、痛い!」
「うわああああ!」
「ぐはぁっ!」

 等々の叫びを上げながら沈黙していく3-Aの猛者達。……ていうか、最後の早乙女とかちょっと叫び方がおかしくないか?

「皆、静かに。今日は彼から話があるという事で来て貰った」

 短剣投げの如くチョークを投げつけて騒ぎを鎮圧したフェイトに呼ばれ、教壇の前へと移動する。

「あー、知ってる奴も多いと思うし、ネギから魔法についての説明を受けてる者にしてみれば予想も付く者もいるだろうが、俺はこの世界の者じゃない。同時に魔法世界の者でもない。純粋に平行世界、いわゆるパラレルワールドから平行世界間を渡る為の転移装置の暴走で今年の1月にこの麻帆良に迷い込んだ。それでこの前の映画撮影と称した戦いの時に俺の仲間達が助けに来てくれた訳だ。虫型、人型の兵器を見たと思うが、一応魔法同様に今の所は秘匿義務があるので注意しておいてくれ。で、俺が今日来た理由だが、今も言ったように仲間達が迎えに来てくれた以上はそっちに戻らなきゃならないから今までのように学校に来る事が出来なくなった訳だ。……まぁ、殆どの奴も話には聞いてると思うが」

 呟き、ステータスのSPが400を越えるまで回復しているのを確認してから再び指をパチンッと鳴らす。
 同時に俺の全身を炎が包み込み、次の瞬間には20代の姿へと戻っていた。

「ちょっ、アクセル君!?」
「うわ、思ったよりも格好良いかも」
「子供の時よりも垂れ目な所が印象強いわね」

 等々一瞬騒ぎになるが、フェイトがチョークを構えると再びピタリと静まる。

「見ての通り、これが俺の本来の姿と言ってもいいようなものだ」
「え? じゃあアクセル君ってば年齢を誤魔化して女子中学生の中に潜んでたの!?」
「……朝倉、そういう表現は止めて欲しいんだがな。まぁ、その辺に関しては俺じゃなくて学園長に文句を言ってくれ。俺にしてもまさかこの年齢になって中学生達の中に放り込まれるとは思ってなかったからな」

 全く、近右衛門の悪巫山戯も大概度が過ぎる時があって困る。

「で、話を戻すが……知っての通り、魔法世界に関して今は色々と忙しく活動している。具体的に言えば火星のテラフォーミング計画であるブルーマーズ計画とかだな。ニュースとかで見た覚えのある奴もいるんじゃないか?」

 そう言い、クラスへと視線を巡らせる。
 その中で、あやかと千鶴は2人共笑みを浮かべて俺の方へと視線を向けている。
 かと思えば、ブルーマーズ計画? 何それ美味しいの? とばかりの表情を浮かべている者達もそれなりに。……中学生でもニュースくらいは見ると思ったんだがそうでもないのか?

「まぁ、そういう訳で俺はもう学生をやっている時間がないからもう学校に通う事もないと思う。その為の別れの挨拶だな」
「……別にもう会えないって訳じゃないんでしょ?」

 神楽坂からの質問に頷く。

「そうだな。何だかんだで麻帆良自体にはちょくちょく顔を出すと思うし、何しろ俺達の本拠地へと転移出来るゲートがあるのが女子寮の近くだからな」
「ふーん、ならあまり問題ないかも。円や美砂がアクセル君に会いたくなったらゲートってのを使って会いに行けばいいんだし」
「ちょっ、桜子! あんたねぇ……」
「え? 何? もしかして円ってばアクセル君に会いたくないの?」
「会いたいわよ! でもだからってアクセル君に迷惑ばかり掛けてちゃ駄目でしょ。それに私達は18歳までにいい女にならなきゃあの人達と渡り合うなんて……」

 最後にボソッと呟いた円だったが、その声はクラス中へと聞こえていた。

「うわー、せっちゃん、せっちゃん。修羅場やで。ホンマもんの修羅場は初めて見るなぁ」
「お、お嬢様……」

 何故か喜ぶ近衛に、額を抑える桜咲。まぁ、この辺はいつもの通りと言えばいつも通りだな。

「そうですわ! 私達は後3年でアクセル君に相応しい程のいい女にならなければいけないのです!」
「でもいいんちょ、まだ3年もあるんでしょ?」
「違いますわ。3年もあるんじゃなくて、3年しかないのですわ。……全く、これだからアスナさんと呼ばれるのです」
「ちょっと、私の名前が悪口みたいに言わないでよ!」
「あらあら、あやかったら。数日ぶりにアクセル君と会えたからってそこまで喜ばなくてもいいのに」
「ちづ姉、そういう問題じゃないと思う……」

 こうして3-Aはいつもの3-Aであり、俺の挨拶も結局はまだ気軽に会えるという事もあっていつものような騒ぎになるのだった。
 ……フェイトが鎮圧をしなかったのは、一応生徒達の事を考えたから……か?  というのは俺の考えすぎだろうか。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:411 
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