万華鏡
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第四十七話 運動会が終わってその六
「各国に売られて終わるんだよ」
「人を襲ってたサンタさんを?」
「そうなんだよ」
美優は琴乃にそのまま話した。
「凄い映画だろ」
「普通そんな映画考えつく?」
景子は本気で首を捻りつつ問うた。
「凄い発想ね」
「あたし見ていて目が点になったよ」
観た美優自身もだというのだ。
「本当にな」
「まあそうね」
「そうでしょうね」
四人も頷く、そして。
琴乃もだ、こう言うのだった。
「そういうのはね」
「お化け屋敷には使えないか」
「サンタさんを妖怪にするのは」
「全裸でモザイク入りだったよ」
どの部分がモザイクかは普通にわかることだ。
「それが団体で森の中にいてさ」
「そのまま野獣なのね」
「これも使えないよな」
「奇抜だけれどね」
あまりにも奇抜過ぎてだというのだ、琴乃も。
「無理よ」
「だよな、やっぱり」
「うん、かなりね」
「まああたしのクラス何かサンタさんでやるらしいけれどさ」
サンタクロースの格好をしてだというのだ。
「詳しいことはまだ未定だけれどさ」
「うちは巫女さんなのよね」
景子のクラスはこれだというのである。
「私が神社の娘だから巫女さんの服調達出来るから」
「こっちはメイドよ」
里香のクラスはこれだった。
「それと執事。男の子達の要望でね」
「こっちは秋の海の家で」
彩夏のクラスも結構奇抜であった、秋にそれをするというのだ。
「服装はラフで、水着はなしだけれど」
「何か寒そうね」
「そこはまだ調整中だけれどね」
「何か皆決まってきてるのね」
琴乃は四人の話を聞いてこのことがわかった。
「まあうちのクラスはね、お化け屋敷なのは大体決まってる感じかなと思うけれど」
「考えてみればあの将軍様お化けじゃないわね」
里香はここでこう言った。
「確かに見ていて精神衛生的にいいお顔じゃないけれど」
「死んだ人だけれどね」
「じゃあゾンビかしら」
「クローンゾンビ?将軍様の」
彩夏はこう言った、ここで。
「凄い怖いゾンビね」
「ああ、それうちのクラスで言わないでね」
琴乃は彩夏にはそこは断った。
「本当に一人そういうのが好きな娘がいるから」
「その娘がなのね」
「言い出している娘が」
「そうなの、本当に好きだから」
その突き抜けた不気味なものがだというのだ。
「下手な妖怪じゃ収まらない人だから」
「いや、妖怪で収まるでしょ普通は」
「お化け屋敷だから」
「それで収まらないから問題なのよ」
とにかくだというのだ。
「だから将軍様だって言うのよ」
「それか奈良のマスコットなのね」
「あの知事が嫌がらせで選んだとも言われる」
無論県民のだ、しかもこのマスコットは彼だけで収まらなかったから余計に悪質だ。
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