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万華鏡

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第四十七話 運動会が終わってその一

                第四十七話  運動会が終わって
 運動会は無事終わった、その翌日。
 クラスでの打ち上げまで楽しんだ琴乃はまずは部活の朝練に出てそれから自分のクラスに入った、そのクラスには。
 あの看板が後ろの壁にでかでかと掲げられていた、とある漫画の十九番目の人造人間の格好に描かれた某独裁者がそのままいる。
 その独裁者を見てだ、琴乃はクラスメイト達に尋ねた。
「あれそのまま飾るの?」
「ええ、文化祭もね」
「そのまま使うわ」
「ううん、強烈なインパクトがあるわね」
 教室で見てもだ、確かにインパクトという点では普通のキャラクターを圧倒している。
「文化祭でも目立ちそうね」
「あまり精神衛生上よくない顔だけれどね」
「親父さんよりはましにしても」
「そうよね、けれどインパクトはあるからね」
「それでクラスの看板にしたからね」
「迷うことなく」
「結局はインパクトなのね」
 琴乃はクラスメイト達の会話からあらためて考える顔になった、そのうえで自分の背気に座ってこう言うのだった。
「席から見てもね」
「変に目立つでしょ」
「一回見たら忘れられない位に」
「その辺りのアイドルのプロマイドよりもね」
 遥かにだというのだ。
「悪い意味で記憶に残るわね」
「奈良県のマスコットと同じよ」
 あの妖怪にしか見えない奈良県民にとっては呪われているとさえ思える曰くつきというよりは曰くしかないマスコットとだというのだ。
「まずはインパクトだから」
「まあこれでもいいでしょ」
「文化祭に飾っても」
「お陰でうちのクラス可愛い催しは出来ないけれど」
「看板が看板だからね」
「お化け屋敷でもするの?」
 琴乃は看板のその瘴気さえ漂う不気味さを見てこれではないかと言った、確かに実に精神衛生上よろしくない顔ではある。
「やっぱり」
「ああ、それね」
「お化け屋敷ね」
「確かにいいわね」
「悪くないわね」
 クラスメイト達も琴乃のその言葉に頷いて述べた。
「言われてみればね」
「催しの定番だし」
「やってみよう」
「そうよね」
 こう話してだ、実際だった。
 彼女達はここで具体的な話をはじめたのだった。
「じゃあろくろ首とかね」
「一つ目小僧とかも」
「後子泣き爺ね」
「幽霊とかもね」
「色々考えてみよう」
「そうよね」
「あれ、何か日本のばかりよね」
 琴乃はクラスメイト達が挙げた妖怪なりを聞いてふと気付いた。
「ろくろ首なり何なり」
「そうね、言われてみれば」
「そうよね」
「一つ目小僧にしてもね」
「子泣き爺もだから」
「幽霊もあれよね」
 琴乃はこちらについても指摘した。 
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