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ヘタリア大帝国

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TURN105 スカーレット=東郷その二

「韓国さんは日本さんのものにまず言います」
「他は中国か」
「あとアメリカさんも」
「欧州には言わねえんだな」
「日本帝国で人気があるものか国際的に評判のいいものに対してです」
 起源の主張をするというのだ。
「そういった特徴があります」
「つまり日本ばかり見ているんだな」
「常にそうされています」
「成程なあ、俺達はどうでもいいんだな」
「心の奥底からそう思っておられるかと」
 韓国はあくまで日本しか見ていないというのだ、そうした国だというのだ。
「フランスさんはほぼノーマークです」
「まああの主張を受けないならいいか」
「多分日本さんがフランスさんの文化で凄いことをされれば」
「俺のところにも起源を主張するか」
「そうしてこられますので」
 とにかく凄まじいまでに日本本位であるというのだ、そして。
 その韓国は今は鍋を作っていた、そこには平良と福原、それに自身の妹がいる。鍋は見事なまでに真っ赤だ。
 その赤の中に葱や白菜に豆腐、それに鶏肉が入っている。その鍋を平良達に見せながら言うのである。
「遠慮せずにどんどん食うんだぜ」
「ではお言葉に甘えまして」
「頂きます」
 平良と福原は礼儀正しく返す。
「祖国殿の勝利を祈願して」
「乾杯をしましょう」
「日本さんは今さっき出撃されたニダよ」
 韓国妹がこのことを話す。
「帰還は早くても夕方遅くニダ」
「その時なんだぜ?じゃあその時は日本にも俺の料理を振舞ってやるんだぜ」
「またこの鶏のキムチ鍋ニダか?」
「いや、今度は焼肉なんだぜ」
 それだというのだ、韓国の得意料理の一つである。
「それかサムゲタンなんだぜ」
「どちらかニダか」
「そうなんだぜ、勝った後は栄養のあるものなんだぜ」
「焼肉なら冷麺もニダな」
「冷麺は焼肉の後は絶対なんだぜ」
 食べなくてはならないというのだ、焼肉の後は。
「それを食わせてやるんだぜ」
「ふむ、韓国殿のあの冷麺ならです」
 平良は早速韓国が入れてくれた鍋の具を食べながら言う。
「祖国殿も喜ばれます」
「じゃあ焼肉なんだぜ」
 韓国は平良の言葉を受けてすぐに決めた。
「それにするんだぜ」
「ところで韓国さんは」
 福原も韓国から具を受け取りつつ言って来た。見れば卓の上には鍋以外にも様々な料理がこれでもかとある。
 その多くの料理を見ながらだ、こう言ったのである。
「いつもお料理を多く出されますね」
「皆どんどん食うんだぜ」
「それはいいのですが」
 ここで微妙な顔になる福原だった。
「これだけ多いと食べきれないです」
「それでいいんだぜ」
「いつもそうですが」
「それがどうかしたんだぜ?」
 韓国は福原の今の言葉にきょとんとした顔になって返した。
「食いきれないだけあるのがいいんだぜ」
「そうしたお考えですよね」
「ウリナラではそうなんだぜ」
 韓国では、というのだ。
「昔からこのことで山下さんに言われるんだぜ」
「あえて言わせて頂きますが私もどうかと思います」
 平良も韓国の軍事顧問として謹厳な態度で述べて来た。
「残したものは捨てますね」
「そうなるんだぜ」
「ですからそれはどうかと思います」
 日本人としての考えである。
「やはり」
「ううん、いつも言われているけれどどうしてもわからないんだぜ」
「料理は食べきれないだけあることがですね」
「それがいいんだぜ」
 韓国は腕を組み首を傾げさせながら語る。
「豊かに見えるんだぜ」
「ウリもそのことについては兄さんと同じニダ」
 韓国妹もこう言う。 
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