レインボークラウン
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第七十六話
第七十六話 眼鏡は
亜美は春奈にだ、まず彼女の眼鏡を見て言うのだった。
「あんたの眼鏡ってな」
「この眼鏡がどうかしたの?」
「あれ?自分で選んだん?」
「これお兄ちゃんが選んでくれたの」
丸眼鏡だ、縁なしのそうした眼鏡である。その眼鏡を選んだのは春奈の兄だというのである。
「そうしてくれたの」
「あんたお兄ちゃんおんねんな」
「そうなの、とても素敵なお兄ちゃんよ」
「ふうん、そやねんな」
あえてここでは言わない亜美だった、感じたことはあったがそのことは自分の心の中にしまうことにしたのだ。
そのうえでだ、春奈にこうも言ったのだった。
「視力悪いねんな」
「最近よくなったけれど」
「そやねんな、目は大事にしいや」
「うん、そうするから」
「うちも目は大事にしてるねん」
亜美もそうだというのだ。
「そやから鰻とか食べて緑見てな」
「そうしてなのね」
「目は大事にしいや」
春奈とは目の話をした、そして。
次は赤音にだ、こう言ったのだった。
「あんたの魔法は何や?」
「私?光だけれど」
赤音は亜美にすぐに答える。
「意外?」
「いや、その髪の色だとね」
「光に思えるの」
「明るい色やさかいな」
その赤髪を見てだ、亜美は予想したのだ。そしてその通りだったのだ。
「イメージ通りやな、明るそうやし」
「そうなのね、じゃあこっちからも聞くけれど」
「うちに?」
「ええ、あんたの魔法は何なの?」
赤音は亜美に問い返した。
「魔女だから専門にしてる魔法あるわよね」
「あるで」
「じゃあそれどうした魔法なの?」
このことを問うのだった。
「それで」
「それな、多分変わってると思うけどな」
「うん、それでどういった魔法なの?」
「それはな」
亜美はその魔法を話そうとする、そしてここで。
彼女の使い魔達がだ、その両肩からこう言って来たのだった。
「ではご主人、今から」
「あれを出されるのですね」
「そうするわ」
蝙蝠とムササビの使い魔達に応えてそのうえで懐から何かを出す亜美だった、その出したものはというと。
第七十六話 完
2013・9・26
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