| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

気まぐれな吹雪

作者:パッセロ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第一章 平凡な日常
  22、不幸少年は不運少女に助けられる

おっす。

夏休み真っ最中の要だぜ。

いつも通り、家でクーラーかけて涼んでるんだが、なんだか一人多いんだよなぁ。

言わなくてもわかるだろうが、

「やっぱお前んちって涼しいな」

「何でお前がいるんだよ、銀」

コイツだ。

朝起きたときにはすでにガンガンかかってて、風邪引くかと思ったぜ。

電気代とかバカになんねぇだろ。

「ま、それを払うのはお前だから自己責任なんだけどな」

「うっ……」

自業自得だバカたれ。

お前なんか風邪引いて熱だして寝こんじまえ。

「あ、そうだ。今日なんの日だか知ってるか?」

「え、何? お前の誕生日?」

「死ね」

ガスッ

「いでっ! 何すんだよ!」

「ちげぇだろがよ。REBORNの話だ」

そこで、“ああ、なるほど”という顔になる銀。

このやろ、マジで質問の意味わかってなかったのかよ。

「えーっと確か、入江正一か?」

「正解。てことで行くぜ」

「え? オレも行くの?」

「嫌なら別に、家でクーラーをガンガンつけてたって構わないんだぜ? どうせ払うのはお前なんだしな」

「行かせていただきます」

ったく、すぐに土下座しやがって。

プライドとかねぇのか?

「て言うか、この格好で?」

銀が、自分の服装を指して言う。

今更ながらに、銀の普段の格好を紹介しよう。

市丸ギン(虚圏(ウェコムンド)ver)の格好に白い翼。

以上。

「自前のブレスはどうしたよ」

「あ、そっか」

ブレスを取り出し操作すると、どこにでもいそうな男子高校生みたいな格好になった。

いやぁ、雲雀と市丸ギンを混ぜたような奴がこういう格好してると……違和感だな。



†‡†‡†‡†‡†‡



「いやぁ、近所というか隣人ながら、うるさいなぁ」

玄関を出たとたん、聞こえてきたのは爆発音。

おおかた、ランボと言う名の牛ガキが暴れてるんだろうけどな。

さって、入江正一はっと……いたいた。

案の定、TEL中だ。

「リボーンさんがランボにドカーンだよ!!
 !?
 ドカーンと買ってない!!」

………間近で聞くと、うるさいな。

原作読んだときは“かわいそー”とか思ってたけど、こーして見るとめっさ笑える。

爆笑していい?

「お前、性格悪いな」

「ん、そうか?」

「コラ!」

「お、沢田が来た」

沢田が来たので、自分家の塀の陰に身を潜める。

このポジションなら、向こうから見えなくてもこっちからは見える。

見ること数分。

ランボが10年バズーカを打ち、ビアンキがロメオと間違え銃を乱射、沢田が死ぬ気になって止めようとするが、失敗。

とまぁ、原作通りの流れだ。

そんなこんなで見事に失神した入江。

「銀、入江を連れて家に帰るぞ」

「は、え? なんであいつも?」

「いやさ、流石にかわいそうになって。それとも、神様の癖に見て見ぬ振りをするのかなぁ?」

「連れてくよ! 連れていけばいいんだろ!」

そう叫ぶと、銀は入江の方へと走っていった。

戻ってくるのを待たずに、オレは家の中に引っ込むことにした。

『要のバカヤロ~』

玄関がしまる瞬間に聞こえてきた声は無視しておこう。

『無視すんなよ~』

よし決めた。

今晩はたかられても絶対に飯を食わせねぇ。

ついでにオレの家に立ち入り禁止にしようかな。



†‡†‡†‡†‡†‡



「……あれ、ここは?」

「おっ。気がついたか」

帰宅から十数分。

ようやく入江が目を覚ました。

すぐに銀に水を持ってこさせる。

「大丈夫か?」

「あの、あなたは?」

「オレは霜月要。んで、コイツは銀。オレの友達(ダチ)だ」

「はあ……」

入江が、会釈をするように小さく頭を下げる。

「あの、ここは?」

「オレの家だ。お前、道端で倒れてたからさ」

いまいち何があったのかわからない様子で、入江は首を捻った。

どうやら倒れる前のことを覚えていないらしい。

ま、そりゃそうだろうな。

ずっとうなされてたし、あれは忘れた方がいいだろ。

チラッと、にらめっこ弾の沢田見たけど、あれはダメだな。

「そうですか。ご迷惑をお掛けしました」

「いえいえ」

そして、小さくお辞儀をして、帰ろうと立ち上がる入江。

ただし、その足元はふらふらである。

家を出て少し歩いたところで、入江は立ち止まり、こちらを向いた。

「僕は入江正一です。今日はありがとうございました」

うん、名前は聞かなくても知ってるぜ。

て言うか、さっきから銀がこっちをチラチラ見てきてんだけど。

「あ~修正不可だな」

何か言ってるね。

「もうこれで、原作に戻れるどころか限りなく近くすることすら無理だな」

何か言ってるね。

聞こえない聞かない聞きたくない。

気にしない気にしない気にしてたまるもんかぁぁぁああああああ!!!!  
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧