ヘタリア大帝国
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TURN104 謎の女その八
「俺にもわかる、あの艦隊運動と攻撃はな」
「スカーレットよね」
「彼女の動きだ」
「実際にあの娘が生きている可能性はないよ」
アメリカ妹はこの可能性はゼロとした。
「完全に、ただね」
「ただ、だな」
「スカーレットの動きならね」
それならというのだ。
「やり方があるわよね」
「そうだな、しかしだな」
「強いね、あたしもあの娘は天才だったと思うから」
「軍事、そして政治についてはな」
流石にここで科学や様々なジャンルは入らない、レーティアの様な万能の天才とまではいかないというのだ。
「まさにな」
「あの娘と戦うにはね」
「勝つことは難しい」
東郷も言う。
「数が多くともな」
「艦載機を出してもです」
小澤は枢軸軍の得意戦術を出す。
「防空体制も整えています」
「あれはエイリスの技術だな」
レーティアは海賊達の防空体制の充実をこう看破した。
「ドクツ軍はそれは全くといっていい程ないからな」
「ですから艦載機での攻撃は期待出来ません」
「流石に艦載機の攻撃は向こうからはないがな」
「しかしです」
それでもだというのだ、小澤は言う。
「あの防空体制は破れません」
「楯も備えているということだな」
東郷は海賊達のその防空体制を楯と評して語る。
「それを破ることは容易ではない」
「というか今のあたし達じゃ無理だよ」
アメリカ妹はその楯にこう結論を付けた。
「とてもね」
「ビーム攻撃がとりわけ優れている」
レーティアは言った。
「そしてその後一撃離脱で鉄鋼弾を浴びせてくる」
「それもガメリカ軍の戦術なんだけれどな」
アメリカがそこを指摘する。
「しかしあの鉄鋼弾の攻撃は」
「うちのやり方だけれどそのレベルが違います」
ガメリカ軍の中で随一の猛将のイザベラも脱帽するまでだった。
「日本軍のそれと比較しましても」
「俺でもあそこまでいかねえよ」
その水雷戦の専門家である田中もイザベラと同じ評価である。
「あれは冗談抜きでやべえな」
「弱点ないんじゃないの?」
クリオネはお手上げといった感じである。
「あの海賊には・・・・・・と言いたいけれどね」
「うん、そうたいな」
「ここで諦めたら終わりなのよね」
インド、今の自分の祖国に応えて言うのだった。
「というか解決出来ない難題もないからね」
「とにかくあれは完全にスカーレットの動きよ」
アメリカ妹は再びこう言った。
「そこから考えていくべきね」
「それならよく知ってる人がいるな」
キャヌホークはここで二人を見た、その二人は。
「うちの大将とこっちの長官さんだな」
「俺か」
「あたしもなのね」
「そうだよ、お二人だよ」
こう東郷とキャロルに言うのだ。
「事情がわかっているつもりだけれどあえて名前を出させてもらったよ」
「いや、それはいい」
「あたしもよ」
二人はキャヌホークが何故ここで彼等の名前を出したのかもそれにあたっての覚悟もわかっていたのでいいとした。
そしてだ、東郷は今度は自分から言った。
「伊達に夫婦だった訳じゃない、あいつのことは知っているつもりだ」
「ええ、妹してずっと一緒にいたからね」
二人で言うのだった。
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