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FAIRY TAIL 友と恋の奇跡

作者:紺碧の海
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第155話 悪霊退治

 
前書き
こんにちは~☆
とある方から「いつもと違う組み合わせのお話を見てみたい。」とゆう案を頂きまして、今回はマヤ&フレイ&トーヤのお話を書きたいと思います。うまくいくか分かりませんが・・・
途中で目線が変わります。最初は少しだけトーヤ目線で書いていきます。
それでは、第155話・・・スタート☆ 

 
ある満月の夜、僕の目の前には妖霊界の王、妖霊王様がいます。僕は妖霊王様の前に右膝を着いて頭を下げた状態です。妖霊王様の手の中には銀色をした小さいな立方体(キューブ)と、先の方が曲がっている不思議な形をした黒い縦笛が握られています。

妖「この笛で、『ローア』を退治するんじゃ。」

僕は妖霊王様から立方体(キューブ)と縦笛を受け取ります。笛はひんやりと冷たくて、少し変わった魔力を感じました。

妖「トーヤ・ファインよ、『ローア』を、『悪霊』を退治するのじゃ。」

ト「はい。妖霊王様。」

窓から差し込む満月の光が、僕と妖霊王様を照らしました。

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                  『ここからマヤ目線でいきます。』

夕方のマグノリアは、夕飯の買出しに行きかう人や、おいしそうな匂いがいろんな場所から漂っている。私とフレイは、その夕方のマグノリアの街をぶらぶらと歩いていた。

マ「やっぱりマグノリアは平和だねぇ~♪」

フ「なぁ~に年寄りみたいな事言ってんだよ。」

フレイが呆れたとゆう感じで私を見る。私は思った事を口にしただけなのに。

フ「まっ、平和って思うのは仕方ねぇな。」

こんな極々普通の平和がずぅ~~~~~っと続くといいなぁ~。私とフレイは年寄りみたいな事を思いながら歩いていると、

子1「わぁーーーーーっ!」

黄色い風船を持った5歳くらいの男の子が走って来た。

母1「そんなに走ったら転ぶわよ。」

その子のお母さんらしき人が男の子の後を追いかける。お母さんの手には卵や野菜、魚が入った茶色い買い物袋。夕飯の買出しの途中みたい。お母さんの言ったとおり、男の子は石につまずいたのか私とフレイの目の前で転んだ。





が、転ばなかった。





マ&フ「えっ?」

読者の皆は、私が何を言ってるか分からないよね。もっと分かりやすく言うと、男の子は転んだんだけど、地面に手を着かなかったの。何でかって?










その場で止まったから。










何かにつまずいて転んだ男の子は、体が宙に浮いたままその場から動かない。周りを見回すと、男の子のお母さんも止まっているし、お店の人や、空を飛ぶ鳥、木から落ちた葉っぱまでもが止まっていた。










動いているのは私とフレイだけ。










フ「ど、どうなってんだ・・・?俺達しか、動いていない・・・」

マ「み、皆・・止まってる・・・」

そう。私とフレイ以外の全ての『時』が、なぜか止まっちゃったの・・・まるで、絵の中に入った気分。でも、何で・・・?その時、私とフレイの目の前を、何かが通り過ぎた。慌てて視線を動かすと、黒い雲のような形をした小さな生き物(?)だった。

フ「な、何だあれ・・・?」

マ「く、雲・・・みたいだけ、ど・・・・?」

すると、その黒い雲のような小さな生き物(?)は、私たちに気づいたのかこっちを振り返った。真っ赤な炎のような瞳がものすごく不気味だった。私はその瞳を見て思った。










この謎の生き物(?)が、すごく『危険』だってゆう事を・・・










フレイも私と同じ事を思ったらしく、鳥の姿から人間の姿に変わって私を庇うようにして前に立つ。

フ「ナツがいたら、こんな事しなくて済むんだけどな。」

フレイの言ったとおり、ここにはナツやエルザ、リョウやユモもいない。ましてや、動いてるのが私とフレイしかいない。だから、この謎の生き物(?)を倒せるのは私とフレイしかいないっていう事になる。フレイは両手を構えると、

フ「ファイアメイク、弓矢(アーチェーリー)ッ!!」

炎の矢が謎の生き物(?)目掛けて飛んでいく。が、炎の矢は謎の生き物(?)の体に当たる前に、その場で止まった。

フ「えっ・・・?」

マ「こ、攻撃が、止まった・・・」

攻撃が止まった=攻撃が効かないという事。すると、謎の生き物(?)はすごいスピードで私達の方に飛んできて、口を開けた。その小さな体と同じくらいまで真っ赤に裂けた口が私とフレイを飲み込もうとしているのは嫌でも理解出来た。私とフレイは頭を抱えてギュッと目を瞑った。その時、















♪ラ~ ラララ~~~ ララ~~ ラ~






                                        








聞いた事の無い繊細な笛の音がすぐ近くで聞こえた。その笛の音が聞こえた瞬間、私とフレイを飲み込もうとしていた謎の生き物(?)はシュバッと音を立てて霧のように消えちゃった。私とフレイは頭を抱えたままその場でしばらく呆然と立ち尽くしていた。すると、

ト「マヤさん!フレイさん!」

聞き慣れた声で我に返り、驚いて後ろを振り返ると、そこには紫色の瞳を見開いて私とフレイを見つめるトーヤがいた。トーヤの手の中には銀色をした小さな立方体(キューブ)と、先の方が曲がっている不思議な形をした黒い縦笛が握られていた。

ト「な、何で、動いているんですか・・・?」

マ&フ「えっ?」

トーヤがすごく戸惑っているのは見てすぐに分かった。もしかして、トーヤは知っているのかな?何で街の人達の『時』が止まっちゃったのかを。私は思い切って聞いてみた。

マ「トーヤ、この騒ぎは何?何で私とフレイとトーヤ以外の全ての『時』が止まっているのっ!?あの、変な生き物(?)は何ッ!?フレイの攻撃を止めちゃったんだよっ!?」

フ「それにさっきの質問。お前は何で『時』が止まっているのか知ってるみたいだったよな。」

ト「・・・・・」

トーヤは何も言わない。ただ唇をキュッと噛み締め、下を俯いているだけ。トーヤは妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔道士で、私達の仲間。あまり疑いたくないけど、怪しいと思っちゃう。すると、トーヤは一度ゆっくり目を閉じて、また目を開くと、小さく微笑んで、

ト「『危険』な目に遭わせてしまった以上、訳を話さなくちゃいけませんね。」

覚悟を決めたように呟いた。トーヤは握っていた銀色の小さな立方体(キューブ)を私達に見せると、

ト「これは『時止めキューブ』と言って、その名の通り、『時』を止める事が出来る魔法の立方体(キューブ)なんです。」

『時』を、止める・・・?

フ「じゃあ、『時』を止めたのは・・・」

ト「僕が、この『時止めキューブ』を宙に放り投げてマグノリア全ての『時』を止めたんです。」

な、何の為に・・・?

ト「さっき、マヤさんとフレイさんが見たものは『ローア』という妖霊界から逃げ出した魂を食べる『悪霊』なんです。」

マ&フ「!!?」

私とフレイは目を見開いて言葉を失った。た、魂を・・食べる・・・?

ト「僕の故郷でもある妖霊界にも、悪いお化け達がいます。『ローア』は、今妖霊界で最も『危険』とされている『悪霊』なんです。妖霊界では『ローア』を長年封印してきたんですが、その封印の力が衰えてきたせいか、3日程前に封印が解かれて、『ローア』は逃げ出してしまったんです。そして、封印していた『ローア』の約8割がアースランドに繋がる道を通ってしまって、マグノリアに『ローア』が棲みついてしまったんです。僕は妖霊界の王、妖霊王様に頼まれて、この『時止めキューブ』と『裁きの縦笛』を使って、マグノリアに棲みついてしまった『ローア』を退治していたんです。」

約8割って事は・・・さっきの『ローア』だけじゃないって事ォ!?

ト「『悪霊』は、この『裁きの縦笛』の音色を聞いてしまうと消えてしまうんです。」

フ「でも待てよ、街の人達は大丈夫なのかよっ!?『時』が止まってるんだぞっ!?」

ト「それは大丈夫です。『ローア』が狙う魂は動いてるもの。『時』が止まった街の人達の魂は狙われません。だから、動いているマヤさんとフレイさんが一番『危険』なんです。」

じゃあ、さっきトーヤが『裁きの縦笛』を吹いてくれていなかったら・・・そう思うと血の気が引いた。

マ「でも、トーヤは大丈夫なの・・・?」

ト「僕は『裁きの縦笛』を持っていますから大丈夫です。マヤさんとフレイさんはどこか安全な場所に避難するか、街の人達に紛れて動かないようにして下さい。」

そう言い残して走り出そうとするトーヤの手を私は摑んだ。

ト「えっ?」

マ「私も、『ローア』退治手伝うよ。」

私の言葉にトーヤは目を見開いた。

マ「さっき助けてくれたお礼だよ。それに、1人でやるより大勢でやった方が早く終わるよ。」

フ「それに、トーヤだけ『危険』な目に遭わせたくないしな。もしお前が魂を食われたら、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔道士全員が悲しむ。それだけはなんとしてでも避けたいからな。」

トーヤはしばらく黙っていたけど、

ト「ありがとうございます。でも、マヤさんとフレイさんの魂が食われても、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔道士の皆さんは悲しみますので、命の安全は僕が保障します。」

この時、私は初めて、トーヤがすごく頼もしく見えた。

****************************************************************************************

トーヤが言ったとおり、私達以外の人達の『時』は止まっていて、『ローア』も『時』が止まっている人達の魂は絶対に狙わなかった。その代わり、『時』が動いている私とフレイの魂は次々に狙われた。でも、狙われる度にトーヤが『裁きの縦笛』を吹いて『ローア』を退治するから全然平気。それに、私達はただマグノリアの街を歩いてるだけで『ローア』が近づいてくるからものすごく楽だった。

フ「後、どれくらいの『ローア』が残っているんだ?」

この短時間の間でかなりの数の『ローア』を退治した。まっ、退治したのはトーヤなんだけどね☆その時、ザワワワワワ・・・と風が吹き荒れ、森の木々を大きく揺らした。

マ&フ&ト「!!!」

風が吹き荒れたのと同時に、すぐ近くで魔力を感じた。かなり強烈な・・・

フ「な、何だ・・・この、すげぇ~不気味な魔力は・・・・?」

ト「か、かなり大きな『ローア』がすぐ近くにいるみたいです・・・」

マ「ひぃ~~~!!」

すると、背後からさっきの魔力を感じた。驚いて振り向くと、今まで退治してきた『ローア』の10倍以上はある巨大な『ローア』がいた。

マ「で・・でか・・・・・」

フ「ば・・化け物、だ・・・」

ト「で、でも・・たぶん、この『ローア』で・・・最後だと・・・思いま、す・・・」

トーヤは『裁きの縦笛』を銜えると、















♪ラ~ ラララ~~~ ララ~~ ラ~















『裁きの縦笛』の音色で巨大な『ローア』はシュバッと音を立てて霧のように消える。





が、この巨大な『ローア』は消えなかった・・・





フ「え・・・?」

マ「そ、そんな・・・」

ト「『裁きの縦笛』の・・音色が、効かない・・・」

トーヤは小刻みに震えて、過って『裁きの縦笛』を地面に落としちゃった。カランと音を立てて『裁きの縦笛』が落ちる。巨大な『ローア』は真っ赤に裂けた口を開けて、私達の魂を食べようする。私はまだ小刻みに震えているトーヤとフレイを庇いながらギュッと目を瞑った。もうダメだ・・・!

そう思ったその時、私達と巨大な『ローア』の間の地面に紫色の魔法陣が浮かび上がった。

ト「あ、あの魔法陣・・・まさか・・・・!」

トーヤが紫色の魔法陣を見て驚嘆の声を上げた。すると、魔法陣から黒髪に紫色の瞳、黒くて長いマントを風になびかせ、凛々しい顔つきをした1人の男が現れた。















ト「妖霊王様ッ!!」















こ、この人が、妖霊王・・・どこからどう見ても極々普通の人間に見えるんだけど・・・私とフレイは突然現れた妖霊王の姿に目を見開き、トーヤは感動の笑みを浮かべている。妖霊王は両手を広げると、















妖「封印されし『悪霊』よ・・・断じて、二度とこの世に『悪』を招く事を禁ずる・・・」















呪文のように言いながら、空中に不思議な形をした白い魔法陣を描いていく。そして、魔法陣を描き終えると、胸の前で手を合わせた。それと同時に、描いた魔法陣が光りだした。そして・・・















妖「『正義』の白い光よ・・・『悪』の黒い光を霧のように掻き消せっ!『悪霊退散』ッ!!!」















白い魔法陣が辺りを包み込み、巨大な『ローア』を言葉どおりシュバッと音を立てて霧のように掻き消した。私達は目の前で起こった事を理解するのに時間が経った。やっと理解が出来た時は、

マ&フ&ト「はぁぁぁ~・・・」

地面にへなへなぁ~と座り込んで立てなくなってしまうほど衝撃的だった。

フ「き、危機一髪、だったな・・・」

マ「うん・・・」

ト「ですね・・・」

すると、

妖「トーヤ・ファインと、トーヤ・ファインの『良き友』達よ・・・」

マ&フ「!!!」

ト「妖霊王様ッ!!」

トーヤはスクッと立ち上がり、右膝を着いて頭を下げる。私とフレイも戸惑いながらトーヤの真似をする。「王」って呼ばれるくらいだから、妖霊界では一番偉い存在なんだろうな・・・

妖「まず、頼みを達成してくれた事に感謝する・・・」

ト「ありがとうございます。」

マ&フ「あ、ありがとうございます。」

すごい緊張しているのが自分でも分かった。

妖「トーヤ・ファイン、『時止めキューブ』をまた放り投げるのじゃ。」

ト「はい。」

トーヤは『時止めキューブ』を取り出して、宙高く放り投げて、見事にキャッチッ!!すると、今まで止まっていた『時』がまた動き出した。いつの間にか『時止めキューブ』と『裁きの縦笛』は消えていた。

妖「トーヤ・ファイン、命の危機にも恐れずに、頼みを引き受け、達成してくれた事にもう一度感謝する・・・」

ト「ありがとうございます。妖霊王様。」

妖「うむ。そしてトーヤ・ファインの『良き友』達よ・・・」

マ&フ「は、はいっ!!」

まだ何も言われていないのに、私もフレイもすごく緊張している。鼓動がどんどん早くなるのが分かった。

妖「命の危機にも恐れずに、トーヤ・ファインを支えてくれた事に深く感謝する・・・」

ト「僕からも、ありがとうございますっ!」

トーヤは立ち上がり、私とフレイの方に体を動かすと、深く頭を下げた。後ろで妖霊王が満足そうに頷いていた。

妖「このご恩はいつか恩返しをする。その時には、トーヤ・ファインの『良き友』達を招待しよう。」

ト「ありがとうございます。妖霊王様。」

恩返しって、どんな事をしてくれるんだろう?あ、そういえばまだお礼を言ってなかった。私はトーヤの横に並ぶと、

マ「えっと、妖霊王様ッ!さっきは助けてくれて、ありがとうございますっ!!」

私は巨大な『ローア』から助けてくれた事に感謝して頭を下げる。

ト「僕も!ありがとうございますっ!妖霊王様ッ!!」

フ「お、俺も!ありがとうございますっ!!」

トーヤももう一度頭を下げて、フレイも私の隣に来て頭を下げた。頭を下げたままだけど、妖霊王様がニカッと笑ったのが分かった。

妖「トーヤ・ファインよ、これからも『良き友』達を大切にするのじゃぞ。」

ト「はいっ!」

妖「そして、トーヤ・ファインの『良き友』達よ、これからも、トーヤ・ファインをよろしく頼む。」

マ&フ「はいっ!!」

妖「それでは、さらばっ!」

黒いマントをひるがえしながら、妖霊王様は光と共に消えちゃった。

マ「・・・行っちゃったね。」

フ「あぁ。」

ト「ですね。」

私たちはしばらくその場に立ち竦んでいた。 
 

 
後書き
第155話終了しました~☆
いかがだったでしょうか?妖霊王は見た目は若い青年の姿をしているんですが、年はもう300以上です。あ、ところで「どうしてマヤとフレイの『時』は止まらなかったの?」とゆう疑問には触れないで下さい。私も書き終わってから気づいたので・・・(←さすが駄作者07)
次回はFT友恋のオリキャラ説明を書きたいと思います。今まで書いたオリキャラ説明、全て消去したので・・・
できるだけ詳しく書いていくつもりなので楽しみにしてて下さい☆ 
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