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ヘタリア大帝国

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TURN103 赤い海賊その九

「まだ」
「そうなんだ」
「今準備中って言っとるんよ」
「そう、それでポーランドだけなんだ」
「まあ俺も戦うしーーー」
「頼むよ、本当に」
「リトもいれば何とかなるし」
「いや、そこで俺なんだ」 
 リトアニアはポーランドの他力本願には呆れてこう言った。
「相変わらずっていうか」
「悪いん?」
「そうでないとポーランドでないけれどね」
 この辺りはもうわかっている、だがそれでもだった。
 ポーランドのそのいい加減さに呆れもした、そうした話をしたうえでまた話した。
「じゃあ今からね」
「よし、決戦やね」
「うん、戦おう」
 こう話してそのうえでだった、連合軍も枢軸軍に向かう。
 両軍の戦いははじまる、そして。
 両軍は激突した、その時に。
 東郷はすぐに全軍を突撃させた、その時に秋山に言った。
「何度か戦ってみてわかったがな」
「ソビエト軍のことですか」
「ドクツ軍は違うがな」
 彼等は置いておいて今数では圧倒的な彼等は、というのだ。
「ソビエト軍艦艇の攻撃力は確かに強い」
「防御力もですね」
 もっと言えば耐久力もだ、ソビエト軍の艦艇の特徴だ。
「確かに強い、当たればな」
「当たればですか」
「それは確かに強い」
 こう言う、しかしだというのだ。
「当たればだ」
「!?そういえば」
 秋山も言われて気付いた、それはなのだ。
「ソビエト軍の広範囲攻撃にしても」
「あちらさんはパイプオルガンと言っているな」
「はい、その攻撃もですね」
「命中率を考えたものではないですね」
「動く相手を狙ったものではない」
 あくまでその範囲を狙った攻撃だ、それがだというのだ。
「我々は動く相手への攻撃を念頭に置いているがな」
「ソビエト軍は違う」
「それだ、ソビエト軍は動きながらの攻撃も苦手だな」
「その際の攻撃もそういえば」
「命中率はかなり悪いな」
「はい」
 その通りだと言うのだ。
「殆ど当たっていません」
「そうだ、ではだ」
「陣を敷いて戦うよりもですね」
「機動力を使って戦う」
 それがソビエト軍への対応だった、東郷がこれまでの戦いから出した答えだ。
「そうしよう」
「ではこのまま進むのですね」
「突っ込む、いいな」
「わかりました」
 枢軸軍はそのまま突っ込む、ソビエト軍はその彼等に攻撃を浴びせる。だが。
 その攻撃は当たらない、ジューコフもこのことにはこう言う。
「くっ、まさか」
「うちの軍は物量ですからね」
 コンドラチェンコも苦い顔でジューコフに言う。
「機動力を使われると」
「動く相手を狙うことは苦手だ」
 今わかったことである。
「どうしてもな」
「ええ、今攻撃を仕掛けていますが」
 それもだった。 
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