ヘタリア大帝国
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TURN102 革命その五
「なっ、帝が!?」
「おい、嘘だろ」
「停戦!?講和!?」
帝がテレビで言っているのだ。
「我が国はソビエトと停戦し講和します」
「おいおい、そんな話聞いてねえよ」
「というか何で外相を通じてじゃないんだ?」
「わしも今はじめて聞いたぞ」
実際にだ、宇垣も唖然として言う。
「ソビエトとの講和なぞ」
「そうですよね、やっぱり」
「外相も御存知ないですよね」
「というか外相も御存知ないとは」
「帝が御自ら外交をされるなどととは」
「そんなことはかつてなかった」
宇垣もそれは否定する。
「建国以来一度もな」
「ですよね、しかも日本がソビエトと講和したら」
「今は枢軸の盟主なのに」
「他の国も、あの」
「戦えないですよ」
「ああ、その通りだ」
ガメリカ大統領であるダグラスも蝋梅を隠せない顔だ。
「ガメリカも戦えない」
「うちもよ」
ランファもかなり焦っている。
「あの、こんなことされたら」
「はい、中帝国もソビエトと戦えなくなります」
リンファも言う。
「これは」
「日本がソビエトと講和したならガメリカも講和するしかないわ」
ガメリカ国務長官、ガメリカの外交を担うハンナの言葉だ。
「もうね」
「うちもよ、というか枢軸の全ての国がでしょ」
今度はインド首相に就任しているクリオネが慌てふためきながら話す。
「ちょっと、こんなこと急に言われたら困るわよ」
「クリオネさん、落ち着いて下さい」
「落ち着ける筈ないでしょ、これは」
止めようとするサフランにこう返す始末だった。
「停戦とか講和って、しかも相手はソビエトよ」
「j本当に急ですね」
「どうなるのよ、一体」
そしてどうなるかもだ、帝は言った。
「私は退位し共有主義国家となることも宣言します」
「えっ、何だって!?」
「帝が退位!?」
「おい、今度はそれかよ」
「何でそうなる!?」
「しかも日本が共有主義って」
「日本がそんなこと言ったら」
ここでも日本が枢軸の盟主であることが影響するのだった。
「あの、もう」
「それこそ枢軸、太平洋全体が赤化するのに」
「ちょっとないでしょ」
「どうしてそうなるんだよ」
「これは幾ら何でも有り得ません」
日本軍、いや枢軸軍の中で最も冷静な筈の秋山もこう言う。
「帝がこの様なことを仰るなぞ」
「そうだな、俺もそう思うが」
だが、だと。東郷もいささか狼狽している。
「しかし帝が仰っている」
「それならですか」
「事実上枢軸はソビエトと講和してだ」
「共有主義国家になりますか」
「今からな、そうなる」
「そんなことが有り得るのですか」
秋山も唖然となっている、だが聖断は覆らない。
枢軸諸国の誰もが目が点になり呆然となってしまった、しかしここで。
柴神が妙齢の艶やかな美女を連れて彼等の前に来た、そしてこう言ったのである。
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