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ヘタリア大帝国

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TURN102 革命その一

                   TURN102  革命
 ゾルゲ達は日本のとある記者達と会った、無論彼等もシンパである。
 その新聞社のビルに入る、新聞社全体がシンパになっているので何の問題もなかった。
 そして中に入って記者達と紅茶を飲みながら話す。
 ゾルゲはスプーンに入れた苺ジャムを舐める、それから紅茶を一口飲んでから記者達にこう言ったのだった。
「美味しいですね」
「お気に召されましたか」
「はい、いいジャムに紅茶ですね」
 こう微笑んで言うのである。
「日本のものですね」
「そうです、我が国のものです」
「ジャムも紅茶もです」
「ソビエトのものと同じだけの味です、そしてソビエトではです」
「誰もがこのジャムと紅茶を飲んでいるのですね」
「同志カテーリン書記長も」
「同志カテーリン書記長は贅沢を嫌っておられます」
 このことは事実だ、少なくともカテーリンは自分だけがいい目を見ようとと考える人間ではない。性格的には極めて潔癖なのだ。
「ですから全ての人民がです」
「同じものを食べてですね」
「同じお茶も飲んでいるのですね」
「無論ジャムもです」
 それもだというのだ。
「それが共有主義です」
「この日本も間も無くそうなるのですね」
「そして太平洋全てが」
「そうです、太平洋は今資産主義に支配されています」
 これはゾルゲの見立てである。
「しかしそれがです」
「これから革命が起こり一変しますか」
「共有主義になるのですね」
「全ては一瞬で終わります」
 まさにそうなるというのだ。
「この国の帝が宣言すれば」
「共有主義になると」
「そして帝が退位を宣言すればですね」
「全てが変わります」
 ゾルゲは淡々としているが確かな口調で話した。
「一瞬にして。この戦争も終わり」
「誰もが共有主義の中で幸せに過ごせるのですね」
「階級も貧富もない幸せな世界が訪れますか」
「誰もが同じものを食べ飲み違いなく生きられる」
「平和と共に」
「そうです、では宜しいですね」
「では宮廷まで案内します」
「今から」
「あっ、今宮廷にはこの国の帝の他に誰がいるのかな」
 ロシアが記者達に尋ねる、彼は記者達に対しても素朴な笑顔を見せている。
「柴神様がおられるのかな、やっぱり」
「あの神様は今はインド洋です」
「そこにいます」
「伊藤首相もそこにいます」
 日本の宰相である彼も今は宮廷にいないというのだ。
「そして五藤内相も元にあの国の内政のことで出張しています」
「残る外相と陸海軍の両長官はラーゲリにいます」
「今政府の閣僚達は皆日本にいません」
「まさにもぬけの空です」
「じゃあ仕掛けられるね」
 ロシアは記者達からここまで聞いてにこやかに笑って述べた。
「宮廷に行っても楽に」
「ではロシア殿もどうぞ」
「宮廷に」
「既に同志達をこの星の要所に配しています」
 ベラルーシは記者達にこのことを話した。
「ですから私達が蜂起すればです」
「すぐにこの星は解放されますね」
「共有主義に」
「そうなればもう誰も手出しは出来ません」
 ベラルーシは無表情の中にその目を燃え上がらせて語る。 
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