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万華鏡

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第四十五話 運動会当日その七

「ちょっとね」
「そうか?あたしはいつも今からそうしてるけれどな」
「だからなのね」
「沖縄だからさ」
 美優自身もこう言うのだった。
「神戸の寒さは辛くて」
「それでガードしてるのね」
「今からさ」
 十月の最初からそうしているというのだ。
「その代わり夏は楽だけれどな」
「夏ねえ、美優ちゃん夏やたら元気だったわよね」
 琴乃もここで言う。
「それもかなりね」
「だろ?夏はさ」
 前の季節はというのだ。
「元々好きだしさ」
「神戸の暑さ位はだったの」
「過ごしやすかったよ」
 そこまでだったというのだ。
「けれど秋になるとな」
「美優ちゃんにとっては寒いのね」
「冬はもう完全ガードだよ」
 今以上にだというのだ。
「そういしてるんだよ」
「何か大変なのね」
「そうなんだよ、まあとにかくさ」
 今もだというのだ。
「あたしは半ズボンの下にスパッツ穿いてるよ」
「それで私も」
「まあ用心とか冷え性ならさ」
 美優は再び景子に話した。
「穿けばいいさ」
「そうね、やっぱり気になるから」
 景子も美優の言葉に頷いた、そしてだった。
 一旦更衣室に戻った、そのうえで四人の前に戻って言う。
「穿いてきたわ」
「そうしたのね」
「やっぱり気になるから」
 ずり上がっては、というのだ。
「それでなのよ」
「あたしも下穿いてるしさ」
 美優は今もだった、そうしてだった。
 そうした話をしているとだ、ここで放送がかかった。
「生徒の皆さんは集合して下さい」
「開会式ね」
 里香が言う。
「そういえばうちの学校って入場行進ないわよね」
「開会式で集まってね」
 それでだとだ、琴乃も応えて言う。
「それで式が終わったらね」
「競技がはじまるから」
「そういうのって高校だからかしら」
 琴乃は腕を組んで考える顔で述べた。
「だからかしら」
「そうじゃないかしら、それと準備体操だけれど」
 今度はその話になった。
「それは自分達でよね」
「あっ、それ義務になってるから」
 琴乃は里香にこう言った。
「全クラスでね」
「それで身体をほぐすのね」
「やっぱり身体動かすからね」
 事前の体操は絶対だというのだ、これがなくては怪我をしてしまうというのだ。106
「全クラスでね」
「決められてるのね、じゃあ」
「そう、クラスごとにして」
 そしてだというのだ。 
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